平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析、第2回は北区を取り上げます。

なお、北区に関する過去の分析記事は「検索:北区 分析」から、その他の昨年の分析記事はH28申込分析H28結果分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。

※10月28日に発表された数字に基づきます・保育士優先利用数は申込者数に含んでいます

大阪市から発表された平成29年度保育施設利用申込状況に基づき、区別・年齢別・年度別の申込数・募集数一覧表を作成しました。
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昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、0.1倍以上減少した区は水色、入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

ほぼ全年齢で入所倍率は低下、しかし1歳児と3歳児は要注意

3歳児を除く全ての年齢で入所倍率は低下しました。申込数は2年で132人も増えてましたが、募集人数は250人も増えています。北区は保育所・小規模保育等の整備を積極的に進めており、その効果が現れています。

平成29年度は新たに中崎町かいせい保育園・茶屋中津保育園・ぴっころきっず中津(小規模保育)が開設される予定です。

とはいえ、1-2歳児の入所倍率は2倍前後で高止まりしています。特に梅田周辺や天満周辺では入所倍率が極めて高い保育所が少なくなく、入所するには何らかの加点が必要となる施設が多いでしょう。

注意が必要なのは3歳児です。募集数は昨年と同水準なのですが、申込数が64人から101人へと激増しています。北区内には9箇所の小規模保育があり、卒園児が年々増加しているためでしょう。

また、1歳児も気掛かりです。後述するとおり、1歳児募集を行わない保育所もあり、特定の保育所へ1歳児希望者が集中しています。例年より厳しくなる保育所もあるでしょう。

中之島ちどり・同心・音色つばさは3倍越え

北区で入所倍率が最も高かったのは、中之島ちどり保育園(認定こども園)の3.81倍でした。開所2年から3-4倍以上であり、多くの第1希望を集め続けています。

第1希望が集中する大きな理由は「立地」です。曾根崎線より南側にあって5歳児までの保育を行う施設は、同こども園しかありません。この地域に保育所等は少なくありませんが、原則として0-2歳児の保育を行う施設ばかりです。

また、大川を挟んだ反対側にある中央区も似た状況です。5歳児までの保育を行う施設は少なく、梅田・西天満方面へ通勤する方には天満地域の保育所の方が利用しやすいでしょう。

年齢別に見ると、0歳児の第1希望がやや増加・2歳児の募集予定数が「0人」なのが目立ちます。0-1歳児の一定数は、きょうだいが在籍している児童で埋まってしまうでしょう。入所を希望する方は、連携施設として優先入所枠が設定されている中之島ちどりキッズもご検討下さい。

比較的近くにある同心保育園の入所倍率も高く、今年は3.52倍でした。ここ5年間は概ね3倍前後で推移しています。全年齢で何らかの加点が必要だと推測されます。特に今年は2-3歳児が目立ちます。

2歳児の申込数は昨年の11人から倍増し、22人となりました。募集数はたったの3人、入所倍率は驚きの7.33倍です。同保育園の入所者平均点は例年極めて高く、大きめの加点がなければ厳しい状況です。

近隣にあるちゃいれっく東天満保育園や中之島ちどり保育園は2歳児募集を予定しておらず、また小規模保育等へ1年間だけ通うのも中途半端でしょうか。この地域の2歳児入所希望者が、同心保育園へ殺到しています。

3歳児は募集数6人に対し、第1希望は21人です。幼稚園進学によって実募集数は上方修正される可能性が高いとはいえ、狭き門です。地域型保育等の卒園児加点(6点)がある児童から決まっていくでしょう。

天満地域を少し離れた、本庄東にある音色つばさ保育園も高倍率です。昨年は6.58倍という異常な高さでした。今年はやや下がったとはいえ、3.25倍という高さです。

しかし、年齢別に見るとより厳しい状況が浮かび上がってきます。昨年は3人だった1歳児の募集予定数が、何と0人になっています。1歳児で入所を検討していた家庭、特に兄姉が既に在籍している家庭にとっては寝耳に水の話でしょう。

同保育所は0-3歳児で入所できない児童を数多く発生する見通しです。第2希望以下は地域的にさつき保育園・中崎町かいせい保育園・大阪主婦之会保育園を記入するケースが多いでしょう。これらの保育園は「希望順位」が重要となるかもしれません。

募集予定がない話が広まっていたためか、1歳児申込数は昨年の半数以下に落ち込んでいます。多くは新設の中崎町かいせい保育園、一部はさつき保育園を第1希望としたのではないでしょうか。今後、更に変更する家庭もあるでしょう。

同園の様に0歳児でまとまった募集を行う一方、1歳児で募集を行わない保育所には当惑してしまいます。子供が年度後半生まれで0歳児一斉入所が出来ない場合、点数関係なく入所できる可能性がなくなってしまいます。

また、全体を通じて最も申込数が多いのは「1歳児」です。保育室や保育士配置等の関係もありますが、0歳児と1歳児募集数の均衡を図って欲しいです。

東部は全般的に激戦

東部地域では他にも入所倍率が高い保育所があります。2倍を超えたのは長柄保育園ときたの旭が丘学園です。

長柄保育園は区北東部で毎年最も多くの第1希望を集めている保育所です。大川沿いの区端にあるのですが、周囲はUR住宅が多く、また城北公園通を利用して都島区からも入所希望者がいるのでしょう。

今年は1歳児と3歳児の倍率が5倍以上と跳ね上がっています。昨年と比べると異常な水準です。今後、近隣にあるポポラー大阪長柄園愛のめぐみ保育園へ希望変更する児童が少なくないのではないでしょうか。

きたの旭が丘学園は梅田に近く、様々な方面から登園しやすい場所にあります。0-1歳児の募集数も多く、第1希望として申し込みやすいと言えるでしょう。0歳児はフルタイム共働きであれば、1歳児は何らかの加点があれば入所できると推測されます。

東部地区で新設されるのは、上述した中崎町かいせい保育園です。知育型保育園を謳い、教育熱心な家庭から人気を集めそうです。

同保育園が設置される地域はタワーマンション等が多く、保育所が強く不足していた地域でした。多くの入所希望者が集まっています。入所倍率は高く、特に2歳児は4倍弱に達しています。募集数も多いとはいえ、1-3歳児で入所するには加点が必要かもしれません。

中津地区は中津保育園・茶屋中津保育園へ希望集中

梅田に近い中津地区でも保育所等の新設が積極的に行われています。

来年4月に開所する予定なのは、茶屋中津保育園です。主に0-2歳児で多くの第1希望を集めています。中津駅は電車の停車本数が少なくて利用しにくいので、地下鉄中津駅を利用する方が多いのかもしれません。

また、中津保育園も例年通りに多くの第1希望が集まっています。中津保育園から子供の足で容易に歩ける地域に別の保育施設はなく、同保育園へ集中しているのでしょう。小規模保育の設置がピンポイントで要請される場所です。

大淀地区は大淀保育所・マミーズアイが高倍率

毎年の様に保育所等が新設され続けた大淀地区ですが、昨年5月に開所したマザーシップ新梅田保育園を最後に新設が止まりました。地域全体では1歳児募集数はやや不足気味ですが、それ以外の年齢は概ね均衡している様子です。

同地区では第1希望が大淀保育所とマミーズアイ保育園おおさかきた園に集中しています。特に大淀保育所0歳児は4.33倍・3歳児は3.5倍、マミーズアイ1歳児は3.00倍という高倍率です。大淀保育所は歴史が古くて卒園生が多い、マミーズアイは梅田に近くて利便性が高いためでしょうか。

一方、クオリスキッズ北梅田保育園とマザーシップ新梅田保育園の第1希望倍率はやや低めです。とはいえ、第2希望以下で申し込んでいる家庭が多いと考えられ、入所するには一定以上の点数が必要でしょう。

今後の予定&お願い

この様に各区毎に取り上げていく予定です。今後はリクエストを頂いた鶴見区(特に茨田・諸口地域)、淀川区(特に三国・宮原地域)、阿倍野区、都島区、中央区、天王寺区、福島区、東淀川区に関する内容を掲載する予定としています。

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