平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析、第4回は鶴見区を取り上げます。

なお、鶴見区に関する過去の分析記事は「検索:鶴見区 分析」から、その他の昨年の分析記事はH28申込分析H28結果分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。

※10月28日に発表された数字に基づきます・保育士優先利用数は申込者数に含んでいます

大阪市から発表された平成29年度保育施設利用申込状況に基づき、区別・年齢別・年度別の申込数・募集数一覧表を作成しました。
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昨年より入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ・0.1倍以上減少した区は水色・入所倍率が2倍を超えた箇所は赤・保育士優先枠が存在する申込欄は薄緑で表示しています。

0-3歳児で倍率上昇、200人前後が保留見込

鶴見区はH28より入所しにくくなる見通しです。0-3歳児で入所倍率が上昇しています。

0歳児は募集減が響いていますが、倍率は0.71倍に留まっています。これは市内最低水準です。1歳児は申込数が増加し、倍率は1.35倍となりました。鶴見区は0歳児入所が容易な一方、1歳児入所は途端に厳しくなります。

より厳しいのは2-3歳児です。2歳児は申込数が減少しましたが募集数が急減し、倍率は2.19倍となりました。北区・都島区・阿倍野区・中央区と並ぶ水準です。入所できるのは半数未満の見通しです。フルタイムでも厳しい保育所が多くなりそうです。

3歳児は申込数増・募集数減という酷い状況です。平成29年4月に開所を予定している保育所がなく(=新設保育所の3歳児募集がない)、地域型保育事業の卒園児が増加している為でしょう。

こうなったのは保育需要の高まりに対し、新規施設の整備が遅れたのが主たる原因です。ポピンズナーサリースクールの新設が予定通りに行われないのが響いています。開所時期は相当先になると聞きました(詳細はこちら)。

トレジャーキッズよこづつみ保育園は4倍越え

鶴見区で入所倍率が最も高かったのは、平成28年4月に開所したトレジャーキッズよこづつみ保育園です。驚きの4.42倍です。ここ数年間を通じても、鶴見区内で最も高い倍率でしょう。

理由は1歳児の集中です。募集予定数1人に対し、何と30人の1歳児が第1希望としています。30倍です。聞いた事がありません。同保育所の周囲には多くの市営住宅・マンションがありますが、1歳児の大半が集中してしまったと考えられます。

既にきょうだいが在籍している1歳児すら、入所できるか見通せません。206点以下で同保育所の1歳児を希望している方は、変更された方が良いでしょう。

変更する候補となるのは、鶴見はとぽっぽ保育園・茨田第2保育所でしょう。1歳児募集予定数は両保育所共に6人です。この地域では、30人以上の1歳児が地域にある保育所へ入所できない見通しです。市営諸口北住宅内への保育所設置が急がれます。

鶴見みどり・いずみの・今津保育所も高倍率

次に入所倍率が高いのは、みどり小学校前にある鶴見みどり保育園の3.36倍です。不思議なことに、4歳児の募集予定数がないにも関わらず、15人が第1希望としています。周囲にある幼稚園と決めかねているのでしょうか。

同保育園は1歳児も厳しいです。募集予定数は昨年の7人から2人へ減少したのに対し、9人が第1希望としています。きょうだいが在籍している児童で埋まってしまいそうです。

みどり小学校の周囲にある保育所はみどり保育園のみです。第1希望が集まりやすい地理的状況に加え、募集減が拍車を掛けています。

寝屋川の南にある、いずみの保育園と今津保育所も高い倍率です。いずみの保育園は2.47倍でした。1歳児が3.4倍・2歳児が2倍と厳しい状況です。また今津保育所も2.1倍、1歳児が3.00倍という高さです。

ここまでに挙げた保育所は、いずれも0歳児倍率と1-3歳児倍率に大きな開きがあります。区全体における年齢別倍率の不均衡が、第1希望が多い保育所でより顕著に発生しています。年度後半生まれの不利益は甚大です。

東部で変動あり、西部・南部は昨年通りか

それ以外で気になる保育所等を少しずつ見ていきます。

焼野地域は俊英館第二保育園の申込数が9人から32人へと激増しています。0歳児・1歳児・3歳児で急増しているのが理由です。とはいえ、俊英館保育園を合わせて考えると、殆どの希望者は入所できそうです。

諸口地域では、のぎく保育園の第1希望者が減少しています。昨年の高倍率を避けたためでしょうか。とはいえ、1歳児・3歳児は3倍弱、2歳児は募集無しと厳しい状況は続きます。

0歳児入所倍率が高いのは茨田第1保育所です。0歳募集枠がH28の6人から3人へと減少してしまいました。同保育所を第1希望と考えていた方にとっては寝耳に水でしょう。多くはきょうだいが在籍している児童で埋まってしまいそうです。

大阪市立保育所は正規保育士の採用が極めて少なく、非常勤保育士は待遇が低くて集まりが悪いと聞きます。その為、一部の公立保育所で主に0-2歳児の定員を減らしているそうです(詳細はこちら)。いわゆる縮小運営です。待機児童対策に逆行した、酷い話です。

昨年まで高倍率だったよこづつみ保育園は、0.60倍へと急落しています。ほぼ全年齢で募集数を増やした一方、第1希望が減少しているためです。特に1歳児は昨年より著しく入りやすくなりそうです。

今福鶴見駅周辺・寝屋川以南の南部地域は、昨年と大きな違いは無さそうです。

今後の予定&お願い

今後はリクエストを頂いた淀川区(特に三国・宮原地域)、阿倍野区、都島区、中央区、天王寺区、福島区、東淀川区、西区(堀江敬愛)、此花区(特に高見・伝法東部)、住吉区、港区(特に波除地域)、城東区(中央区に近い地域)、住之江区に関する内容を掲載する予定としています。

いわゆる「3歳の壁」に関するメールも多数頂いています。小規模保育が増える一方、卒園後の保育の場が見つかるかと不安に感じる様子が伝わってきます。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。多少のお時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

返事を要する内容については、分析記事を掲載した区から順次お送りしています。鶴見区に関する分は本日中にお送りします。

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