平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析、第21回は東住吉区を取り上げます。

なお、同区に関する過去の分析記事は「検索:東住吉区 分析」から、その他の昨年の分析記事はH28申込分析H28結果分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。

※11月4日に発表された数字に基づきます・保育士優先利用数は申込者数に含んでいます

大阪市から発表された平成29年度保育施設利用申込状況に基づき、区別・年齢別・年度別の申込数・募集数一覧表を作成しました。
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昨年より入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ・0.1倍以上減少した区は水色・入所倍率が2倍を超えた箇所は赤・保育士優先枠が存在する申込欄は薄緑で表示しています。

0歳児・2歳児はやや入りやすい、地域毎の違いの大きさに要注意

東住吉区の入所倍率はH28の0.89倍からやや低下して0.82倍となりました。同区より入所倍率が低いのは、平野区(0.74倍)・西成区(0.73倍)のみです。

年齢別に見ていきます。著しく入所しやすくなったのは0歳児・2歳児です。

0歳児は申込数がH28とほぼ同数、そして募集数は26人も増加しています。めぐむ保育園・育和白鷺学園が大きく募集数を増やしたのが主な理由です。

その反対に、2歳児は申込数が33人も減少しています。入所倍率は0.91倍まで低下しました。H28の1歳児入所倍率が1.06倍と低く、1歳児待機児童・入所保留児童が少なかった為でしょうか。

他区では厳しい1歳児ですが、東住吉区はやや入所しやすい状況です。申込数が44人も増えて261人となりましたが、募集数も21人増えて225人となりました。

区全体を通じてみると入所倍率が低い東住吉区ですが、実は地域毎に見ると大きな違いがあります。北西部・中部は入所が難しい一方、北東部・南部は入所しやすい状況が続いています。区全体の入所倍率のみを見ていると失敗してしまいます。

湯里保育園は2.64倍

東住吉区で最も入所倍率が高かったのは、湯里保育園の2.64倍でした。H28の4.13倍より下がったとはいえ、依然として入所できるの児童は多くありません。

0-2歳児はいずれも入所するのが容易ではありません。0歳児は募集数4人に対して第1希望が13人もいます。募集数が少ないので、入所者の大半はきょうだいが在籍している児童となるのではないでしょうか。

1歳児も似た状況です。募集数7人に対して第1希望33人(内、保育士1人)という厳しい状況です。加点があっても厳しいかもしれません。

同保育園に多くの第1希望が集まる理由の一つは立地です。東住吉区の端にある同保育園、同じ区内にあって近いのはアップル保育園東住吉(小規模)のみです。最寄の保育所は平野区の西喜連保育所・カリーノ保育園となります。

つまり、「東住吉区内の保育所」という選択肢が乏しい地域に立地しているのです。多くの児童が第1希望とするのは極自然です。

城南学園保育園・新生保育園の0-1歳児も非常に厳しい

湯里保育園の南、平成28年4月に設置された城南学園保育園も多くの方が第1希望としています。全体の入所倍率が0.77倍と低いのは、設置後数年間は3-5歳児の募集数が大きいためです。0-2歳児は入所しにくくなっています。

0歳児は募集数6人に対して第1希望が10人、フルタイム共働きでも入所できない児童が生じるかもしれません。

1歳児は更に厳しいです。募集数6人に対して第1希望は14人です。湯里保育園と合わせ、この地域では大量の1歳児入所保留児童が生じる見通しです。他の保育所等を含めても全く足りません。

2歳児は募集予定がありません。同区は2歳児入所が比較的容易なので、他の保育所を探しやすいのが救いです。

東住吉区役所前にある新生保育園も入所するのが容易ではありません。入所倍率はH28の2.75倍から1.52倍へと下がったとはいえ、主たる理由は2歳児申込者が9人も減少したためです。

2歳児は募集数8人に対して第1希望が6人です。実は周囲にある東田辺コティ保育園・今川幼稚園(こども園)も2歳児希望者が大きく減少しています。

反面、0-1歳児は非常に厳しいです。0歳児は募集数6人人に対して第1希望13人です。フルタイム共働きであっても入所できるかは分かりません。

更に厳しいのは1歳児です。募集数4人に対して第1希望が12人(内、保育士1人)もいます。保育士・きょうだい加点で募集枠が埋まってしまう事態も生じかねません。

1歳児が厳しいのは、新生保育園の北東にある今川幼稚園も同じです。募集数6人に対して18人が第1希望としています。何らかの加点がなければ入所は難しそうです。

保育士不足が直撃している矢田教育の森(0歳児)

個別に見ていくと、矢田教育の森保育所の0歳児クラスが異常な状況となっていました。募集数3人に対して第1希望が9人おり、きょうだい加点がなければ厳しい状態です。

しかし、H27入所では0歳児募集数が6人、H26以前は9人でした。3人となったのはH28からです。あくまで推測となりますが、募集数が減少した理由の一つは「公立保育所の保育士不足」です。

○飯田保育所運営課長
平成25年度から3年間、正規保育士の採用を凍結している
欠員補充は任期付き・非常勤で補充している
予定数の確保が確保できていない
平成26年度には3歳児を中心に134人の運営定員を引き下げている
平成27年度には0-2歳児で215人の定員引き下げを行った
平成28年度は正規保育士を若干名採用するが、0歳児を中心に45人の定員を引き下げざるを得ない
厳しい厳しい状況となっている
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/live/committee/20160223kyo.html

同保育所の0歳児募集数は2年で3分の1となってしまいました。その間、同保育所を第1希望とする0歳児は、一定の変動はあるものの概ね6-7人前後となっています。すぐ近くに別の保育所があるわけでもありません。

公立保育士の採用・待遇等については様々な意見があるでしょう。ただ、十分な0歳児入所希望者と受入可能な施設があるにも関わらず、保育士不足を理由として募集数を減じて良いわけがありません。市有財産を無駄にしています。

今後の予定&お願い

今後は東成区に関する内容を掲載する予定としています。

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