記事では他区も探していると書かれています。西隣の浪速区や東隣の生野区は、天王寺区ほど厳しい状況ではありません。0歳児入所倍率は0.69-0.77倍、1歳児は1.22-1.34倍となっています。地域・保育所に寄りますが、フルタイム共働きであれば一斉入所で入所できるケースが専らです。

23区と異なり、大阪市の各区は「同じ自治体」です。市内にある約600施設から自由に申し込めるのは大きなメリットです。

東京都目黒区の会社員女性(32)は4月に産んだ息子の育休を1歳まで取りたかったが、切り上げて10月に復職し、いったん認可外園に預けた。「ポイント制」が女性をせき立てた。

殺到する入園申請者から保育がより必要な人を選別するため、自治体がそれぞれ独自に親の働き方などを点数化した選考基準のことだ。それが、子育て世代の暮らしにひずみももたらしている。

目黒区の女性は夫婦ともフルタイムで働く。20点ずつ計40点の基本ポイントがつくが、多くの共働き夫婦と差がつかず、ほかの加点を争う。きょうだいがいるといったプラス要素がなく、来春入園を目指して、認可外園に預けて働けばもらえる2点を取りにいった。

来春入園を目指す東京都練馬区の小学校教諭の女性(32)は妊娠中だった昨年秋、予約金2万円を払って認可外園「いちご保育園」の席を確保した。女性もフルタイムの共働きの基本ポイントしかなく、計15の認可園を見学して「入れる保証がない」と悟った。来春に必ず職場復帰しなければならず、先手を打った。

ただ、同園の佐藤智子園長は「17年春の入園を確約する予約枠は5人分用意したが、15年末には全て埋まった」。今年度途中に空き次第入れたい約20人、来春から入れたい約60人がキャンセル待ちをする。

大阪市でもポイント制を導入しています、認可外保育施設を利用した場合、5点(半年以上の利用で7点)が加点されます。フルタイム共働きの200点と合わせれば、大半のケースでは入所できていると考えられます。

一方、認可外保育施設の保育料等は高く、利用するのに経済的ハードルを感じる世帯は少なくないでしょう。一定以上の稼ぎがなくては利用しにくく、それが保育所等への入所にも関連してしまいます。

事実上、保育所入所が難しい地域に住んでいる低所得世帯は、保育所へ入所する事すら容易ではない状況にあるでしょう。「保育所は福祉ではなく、共働き世帯への保育サービスと化している」という指摘はあながち外れていません。

保育所への入所が非常に難しいのは、一つにニーズの高まりがあります。子育て世帯の都心回帰・保育所を必要とする共働き世帯の増加・タワーマンションによる人口の局地的増加が主な理由でしょう。

こうした流れは今後も続きます。大阪市内中心部等の都心部では、保育所が贅沢品扱いされるかもしれません。

近所の保育所へ入所できそうにないなら、入所しやすい地域へ転居するのが一番です。都心からやや離れた地域は保育所が多く、子育て世帯の転入が少なく、共働き世帯が多くありません。あっさりと入所できるケースも少なくありません。

住む地域、特に不動産を購入するのであれば、近隣の保育所事情等はしっかり調べておくべきでしょう。入所するのに必要な点数等は、大阪市子育て支援施設データベースに掲載しています。