(10/18追記)
支給した給付金等、約4700万円を姫路市が返還請求しました。

わんずまざーに市給付金返還請求
姫路市は定員を超える園児を受け入れるなどの不正が発覚し、こども園の認定を取り消された保育施設に対し、これまでに支給した給付金など約4700万円を返還するよう請求しました。
姫路市の「わんずまざー保育園」は、園児の定員超過や保育士の水増しなどの不正が発覚し、ことし4月、こども園の認定を取り消されました。
姫路市はこの施設について、平成27年度と平成28年度の2年間で計1億円余りの給付金や補助金を支給していましたが、「園児や保育士の数などを偽って申請していて、適切な運営がなされたとはいいがたい」などとして、施設の園長に対し、約4700万円を返還するよう請求しました。
この金額には、ペナルティーとしての徴収金約1300万円が上乗せされているということで、市によりますと、園長は支払う意思を示したということです。
姫路市は今後、詐欺の疑いで園長を刑事告訴する方針で、警察と協議を進めています。

http://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/2024875761.html

小幡元園長は支払う意思を示したとの事ですが、実際に支払われるまでは安心できません。杜撰な保育を続けた過去が物語っています。

返済原資には事欠かないでしょう。「ケチケチ保育」で貯め込んだ資金や保育所の不動産がある筈です。

(8/16女性自身)
現在の状況を雑誌「女性自身」が取材しました。

(前略) ひとつは示談金。園側は謝罪し、お詫びとして園児1人に対し30万円の補償金を提示。約60家族が示談に応じた。 3家族が示談を拒否しており、小幡元園長の弁護士は、「刑事告訴を視野に入れている家庭もあります」と認める。

 もうひとつは同園が不正に取得していた補助金の返還請求だ。正確な不正受給額をはじき出すのは難しく、姫路市の担当者は、「国や兵庫県とも相談し、金額を算定する」と話すにとどめた。

 3つ目は、園の土地を売却したり、貸したりして、補助金返還の足しにするための手段も考えていくこと。 世間を騒がせた小幡元園長は現在、無職。夫も職場に居づらくなり、退職して無職であることがわかった。

 別の保育園に移ることを余儀なくされた園児に対し、どんな気持ちなのか。帰宅した元園長に取材を申し込むと、「話すことはありません」と、家の中に入っていった。翌日、再び取材を申し込むと、インターホン越しに元園長の夫が対応した。

―お子さんや保護者の方になんて謝罪されたんですか?
「今さら何を言ってるんですか? 関係ないでしょ?」

 と、強い口調でまくし立ててきた。まだ何も解決していないのに反省の色をうかがい知ることはできなかった。 ただ不正取得したお金は、「建物の改修や遊具の購入などにあてるつもりで私的利用していないと聞いています」と弁護士は話した。

 園の花壇には園児たちが大切に育てていたイチゴの苗があった。園の前を通るたび、懐かしそうにイチゴの苗を眺める子もいたそうだが、苗は1本を残し何者かに引っこ抜かれてしまった。最後に残った苗は無職の元園長が水をやって大切に育てている。

http://www.jprime.jp/articles/-/10349

不正取得した金銭はどこに行ってしまったのでしょうか。

(7/1産経)
兵庫県が小幡育子元園長の保育士登録を取り消しました。

「わんずまざー」元園長、保育士登録を取り消し 兵庫県

 兵庫県は30日、4月1日付で認定こども園の認定を取り消された同県姫路市の「わんずまざー保育園」の園長だった女性(45)の児童福祉法に基づく保育士登録を取り消した。「子どもの安全、発達を軽視する運営を主導し、認定取り消しで社会に大きな影響を与えた」のが理由としている。

 同園は定員を大幅に超える園児の受け入れなどの不正が発覚し、県によると、3月31日に運営を終了。4月には認可外保育施設の休止届も出している。今回の取り消しで、元園長は2年間、保育士登録ができなくなる。

 県は園の関係者らから事情を聴いた上で、30日に弁明の機会を与える「聴聞」を開催したが、元園長は欠席。不正を主導したことを認める陳述書を提出した。

http://www.sankei.com/west/news/170630/wst1706300076-n1.html

(6/26産経)
産経新聞が一連の問題を振り返った記事を掲載しています。

兵庫県姫路市の「わんずまざー保育園」が定員を超過した園児を受け入れ、劣悪な給食を提供していたことが判明してから、3カ月余りが過ぎた。その間、同園は全国で初めて認定こども園としての認定を取り消され、休園に追い込まれたが、その余波はいまだ収まっていない。姫路市は保護者からの強い要望を受け、6月に入り、子供たちの発育や健康への過少給食の影響に関する調査を開始した。ずさんな運営を見逃していた市への批判は根強く、待機児童の解消が急務となる中、自治体には保育の「量」だけでなく、「質」も確保する必要性が突きつけられた格好だ。
(中略)
・発育への影響は?
・40人を10食分でまかなう
・性善説で虚偽申請見抜けず
・「人手不足」と監査怠る
・第三者のチェック必要

http://www.sankei.com/west/news/170626/wst1706260004-n1.html

「保育の量」も必要ですが、「一定の保育の質が担保されている」のが大前提です。少なくとも、保育士数・保育室の広さ等行政が定めた最低基準を満たすのが当たり前です(今回は最低基準自体に対する意見は触れません)。

行政が認可した保育施設であれば、ほぼ全ての親が基準を満たしていると判断するでしょう。それが認可制度です。

しかし、非常に多くの保育施設が続々と開設している現在、一部の施設で何らかの問題が生じてしまうのは否めません。過失に基づく物から、悪意を持って行う問題まで様々です。

重要なのは「問題情報の吸い上げと早急な監査」でしょう。わんずまざー保育園に限らず、問題がある保育施設では一部の保護者が行政へ相談しています。

中には勘違いや一方的な主張もあるでしょう。しかし、保育施設に何らかの問題があり、行政が権限を行使して指導すべき物も含まれています。

保護者からの相談・クレームに対しては、抜き打ち調査も含めて適切・早急に対応するのが望まれます。今回の事案は抜き打ち調査を行わずとも、朝夕の登園者を数えていれた問題が明らかになっていました。姫路市の初動の不味さが浮き彫りとなります。

一律30万円の補償金、示談成立は3割(5/1)

不適切な保育実態が明らかになり、4月1日付でこども園の認定を取り消された兵庫県姫路市の私立「わんずまざー保育園」(休止中)と、子どもを預けていた保護者との補償交渉が難航している。園側はおわびとして1家族に一律30万円の補償金を提示したが、示談成立は全体の3割程度にとどまる。一方、市は、同園が不当に得た給付金の返還請求を予定しており、今月中に請求額を確定したい意向だ。

4月29日、市は初めて、元園児の保護者に対する説明会を園近くの公民館で開き、29家族38人が参加。問題発覚の経緯などが説明された。小幡育子園長の代理人、水田博敏弁護士がおわびの言葉を伝えたという。

水田弁護士や保護者によると、補償交渉の対象は、問題発覚時に通っていた定員枠の園児に加え、同園が市に隠して直接契約していた園児も対象とし、計約60家族。一律30万円の補償金が示されたという。

水田弁護士は「保護者の問題の受け止め方がさまざまで、1人ずつ金額を見積もるのは困難。補償内容に差をつけるべきではないと考えた」と説明。認定取り消しから1カ月で、合意書を交わした約20家族を含め、25家族程度と示談が成立する見通しを示した。

ただ、全園児が転園などを余儀なくされ、一部の保護者は「園長の謝罪が先」「一律の金額は納得できない」と反発。解決のめどは立っていない。

また、同園は保育士10人に対し、無給勤務や罰金などで不当にカットした給与を、3月末までに支給した。未払い残業代の支払いを求める保育士には、金額がまとまり次第支払うという。

同園が認定こども園になった2015年3月以降、運営費として約1億円の公費が給付された。市は同園が不当に得た給付金について国や兵庫県と協議を進め、請求額が確定すれば返還を求める方針だ。

同園は園舎や敷地を貸し出して活用することを検討しており、社会福祉法人など数件の問い合わせがあるという。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201705/0010145689.shtml

補償金30万円という金額が妥当かどうかは分かりません。何らかの先例等を参考にしたのでしょうか。

認可から閉園までも満2年登園していたのであれば、一月あたり12500円となります。平均的な保育料(0-2歳児)に対して1/2-1/3程度の金額となるのではないでしょうか。

この計画から、少なくとも「全60家族、1800万円を支払うだけの金銭財産が園長にある」と推測できます。長年に渡るケチケチ経営で、小幡園長が莫大な財産を積み上げていたのでしょう。

一部の保護者が「謝罪が先」「一律額に納得できない」と反発するのは当然です。また、「実態解明が先」と考えている方もいるでしょう。

こうした示談を行う場合、以降は何ら追加請求しない旨の条項が含まれているのが一般的です。園長へ何らかの情報を求める事すら制約される恐れがあります。

また、園舎・敷地を貸し出す計画に対して、数件の問い合わせがあったそうです。しかし、園児への補償・姫路市への返還額によっては、園長個人が所有する敷地等を維持できない可能性もあります。姫路市としても、認可しづらいでしょう。

姫路市が保護者説明会を開催(4/30)

閉園から1カ月、姫路市による初めての説明会です。遅すぎます。

姫路市の「わんずまざー保育園」が定員を大幅に超えて園児を預かっていた問題で、同市は29日、保護者向けの説明会を開いた。同園による説明会はこれまでに行われているが、市がこの問題を巡って説明会を開くのは初めて。約40人の保護者が問題の経緯などについて説明を受けた。

市によると、説明会は保護者からの要望を受けて開催。私的契約で入園した児童や、今春卒園した児童を含む児童77人(60世帯)に案内したという。

説明会は午後4時半から始まり、約2時間にわたった。保護者からは刑事告訴や同園の小幡育子園長の謝罪を求める声、子供の体調などの実態調査を求める意見が相次いだという。市は、児童の生活の変化や保護者の不安などの相談を、市こども保育課と「子育て世代包括支援センター」で応じているとし、実態調査についても「検討したい」とした。

参加した2児の保護者の男性(48)は、「不安を感じて体調を崩している子も多く、市に実態調査をしてほしい。園に対する憤りは今もおさまらない」と話していた。

https://mainichi.jp/articles/20170430/ddl/k28/100/276000c

園に対する厳しい声が出るのは当然でしょう。また、姫路市に対しても厳しい指摘が行われたのは言うまでもありません。

ここでも姫路市が逃げています。保護者が求める実態調査に対して、「検討したい」と言う消極的な返事です。一連の経緯を通して、姫路市の消極姿勢に驚きを感じます。

姫路市保育協会で陳謝(4/21)

同園の運営に疑問を持っていた経営者もいたそうです。

不適切な保育実態が明らかになり、こども園の認定を取り消された兵庫県姫路市の私立「わんずまざー保育園」(休止中)について、市は20日、市保育協会の総会で経緯を説明した。参加した保育施設の関係者らは、事業への風評被害の広がりを懸念し、市は「皆さんの熱意を無にしないよう再発防止に力を入れる」とした。

同協会には、市内の私立保育所や認定こども園計約50園が加盟。総会に参加した約40園の代表者らを前に、市の牛尾咲子・こども育成担当理事が問題発覚の経緯などを説明した。

問題発覚後、市が正式に同協会で説明するのは初めてで、出席者は「保護者の不安解消のため早期に説明すべきだった」と指摘。牛尾理事は「県との協議や行政処分の手続きで遅れて申し訳ない」と陳謝した。

出席者の1人は同園の保育運営に疑問を持っていたことを明かし、「市に何度も話をしたが、すぐに監査をしなかった」と苦言を述べた。別の出席者も「なぜ認定当初からきちんと対応できなかったのか。誠実に監査を受けているのに、世間から同じように見られる」と打ち明けた。

これに対し、牛尾理事は「不正を見逃さないよう、できる限り対応したい」と述べるにとどめた。

同園を巡っては、県と市の特別監査で定員を超過して園児を受け入れていたことが判明。園児数より少ない給食を分けて提供し、保育士数を虚偽報告するなどして公費を不正に受給していたとされ、県が1日付で認定を取り消した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201704/0010114641.shtml

保育業界は決して広くない業界でしょう。評判の悪い保育園等があれば、どこかしらから噂が広がるものです。大阪府内の幼稚園経営者でも、塚本幼稚園の噂話を耳にしていた方がチラホラいた様子です。

中には姫路市へ「重点的な監査をすべき」と指摘していた経営者もいたそうです。しかし、姫路市が十分な対応を行ったとは言い難いです。姫路市の不作為が目に余ります。

問題のある園が報道されると、影響は他園にも広がります。風評被害と言うべきでしょうか。自治体による監査も厳しくなるでしょう(遅すぎる)。

休止届を提出(4/10)

兵庫県に認定こども園の認定を取り消された同県姫路市の私立「わんずまざー保育園」の小幡育子園長は10日、市に認可外保育施設の休止届を提出した。代理人弁護士は「施設の今後の運用方法が決まっていないため、休止にした」と話している。

市の発表では、同園は2003年11月に設立され、04年10月に認可外保育施設の設置届を提出。今月1日付でこども園の認定を取り消された後も、認可外保育施設としては運営可能だったが、同日以降は閉鎖していた。

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20170411-OYO1T50004.html

姫路市が監査怠る、私的契約児の半数強は他施設・4人が自宅保育(4/6・4/7)

全国で初めて認定こども園の認定を取り消された私立「わんずまざー保育園」(兵庫県姫路市)の不適切保育問題を受け、同市は5日、再発防止策を発表した。同園と同様、認可外から認定こども園に移行した施設を再調査するなどし、管理者研修を充実させて監視を強化する。

市によると、今月中に同園と同じ認定形態の4園を訪問し、実態調査を実施。1月に定期監査を行ったばかりだが、改めて聞き取りなどを行うという。

4園のほか、認可外の施設から保育所型の認定こども園になった5園も含めて、管理者の研修を拡充。施設運営の在り方や保育倫理、制度の理解を深める内容を追加する。

子育て施策を審議する「市子ども・子育て会議」の分科会を今後開き、有識者から意見を聞いた上で、さらなる再発防止策をまとめるという。

また、市内の認可外保育施設43カ所(3月末現在)についても、監査回数を増やすことを検討する。

一方、市はわんずまざー保育園が不正に受給した給付金について、兵庫県と本格的な協議を開始したと説明。同園と直接契約していた園児22人のうち、13人が他の施設を利用し、4人が自宅保育をしていると明らかにした。残る5人の状況も確認していく。

石見利勝市長はこの日の定例会見で「市の対応のどこに問題があり、組織体制をどう充実させるべきなのか。これまでの経緯をしっかり分析し、再発防止に努める」と述べた。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201704/0010070277.shtml

兵庫県姫路市の私立「わんずまざー保育園」の不適切保育問題で、国が「原則年1回以上」と通知する施設監査を同市が約2年間怠っていたことが6日までに分かった。同市は「監査をする人的余裕がなかった」と説明している。

わんずまざー保育園のような認可外施設から移行した「地方裁量型認定こども園」の施設監査は中核市である姫路市が担当。職員数▽定員▽面積▽安全対策-などをチェックする。内閣府や厚生労働省によると、地方裁量型は「認可外保育施設」として監査するよう求め、「年1回以上行うのが原則」と通知しているという。

しかし、姫路市は「(同園が認定こども園になった)2015年度に監査をしたかったが、他の福祉施設の監査もあり、人の余裕がなかった」と釈明。さらに16年1月、不正を指摘する情報が市に寄せられた際には、園長を呼び出して事情を聞いたが、園長が否定したため、抜き打ちの特別監査などには踏み込まなかったという。

同市が施設監査に入ったのは今年2月2日。職員の賃金や給食で不正の端緒が見つかり、同23日と3月13日の特別監査を経て県が認定を取り消した。

同園は認定当初から、定員を大幅に上回る園児を預かっていたが、約2年間放置されたままだった。通知を出した厚労省は「地方裁量型は他より優先して厳しく見ることが求められる」と強調する。

同市監査指導課は「地方裁量型は外部の目が入りにくく、経営基盤も弱い。手を抜いてきたつもりはないが、今後は認識を新たに監査に取り組みたい」と話す。同市にはほかにも4園の地方裁量型認定こども園があるが、今年1月に施設監査を実施するまで、約2年間未実施だった。

【認定こども園の定期監査】都道府県や政令指定都市、中核市が行う「施設監査」と、市町村が実施主体となる「確認監査」がある。施設監査は職員配置や面積基準、定員など、認可・認定の基準をチェックするもので、確認監査は主に財政面や運営などを見る。監査内容には重複もある。施設監査には抜き打ちの特別監査もある。認定こども園は4分類あり、監査回数などの実施方針は分類によって異なっている。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201704/0010072963.shtml

姫路市は地方裁量型認定こども園への監査強化を打ち出す一方、監査を2年間も怠っていたそうです。同市は人的余裕が無かったと釈明していますが、決して許されるものではありません。

そもそも多くの保護者が認可施設への入所を希望する最大の理由は、自治体による監査を通じて施設の安全性が担保されている点にあります。しかも、その目的は幼い園児達の安全です。

人員不足や行政の裁量により、施設監査が見送られて良い筈がありません。こうした点からも、姫路市の保育行政への姿勢が垣間見えてきます。

また、研修・監査も大切ですが、より重要なのは保護者・保育士等からの相談に親身に対応する姿勢です。

わんずまざー保育園の不適切な保育が明らかになった切っ掛けは、関係者(恐らくは保育士)からの情報提供でした。園長を呼び出して聞き取りを行いましたが、それっきりだったそうです。

恐らくは同時期に他の関係者からも複数の情報提供があったと推測されます。現地調査・抜き打ち監査等を早期に行っていれば、不適切な保育はすぐに露見したでしょう。

兵庫県・姫路市が認定こども園・認可外施設を調査へ(4/4、4/6)

兵庫県内の認定こども園、及び姫路市内で認可外施設・認可外施設から認定こども園へ移行した施設を対象とし、県・市が調査を行う方針を打ち出しました。

 兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」が定員を超過した園児を受け入れるなどして全国で初めて認定を取り消されたことを受け、同県の井戸敏三知事は3日の定例会見で、県内すべての認定こども園を対象に、園児数の確認といった実態調査を行う方針を明らかにした。

井戸知事は「認定こども園のニーズはある。他園の信頼のためにも県内の認定こども園の運営実態を確認し、その結果を公表したい。必要があれば現地調査を行う」と述べた。

また、わんずまざー保育園が認定を受ける際、書類に虚偽の内容が記載されていたにもかかわらず見抜けなかったことについて、「県の認定時の審査が必ずしも十分ではなかった」との認識を示した上で、「認定申請書の確認をより慎重にしたい」と語った。

県によると、県内の認定こども園は約400園ある。実態調査については具体的な質問項目を検討するとしている。

http://www.sankei.com/west/news/170404/wst1704040025-n1.html

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」が定員を超過した園児を受け入れるなどして認定を取り消された問題を受け、姫路市の石見利勝市長は5日の定例会見で、同園と同様に認可外保育施設から移行した認定こども園(地方裁量型)と、認可外保育施設を対象に訪問調査を実施すると発表した。「これまでの市の対応を分析して問題点を整理し、再発防止に努めたい」と述べた。

姫路市によると、対象は市内の地方裁量型施設4施設と認可外保育施設43施設の計47施設。市監査指導課が主体となり、園長ら管理者からの聞き取りや運営上の相談などに対応する。地方裁量型施設は今月中に調査を完了させ、認可外保育施設でも順次行っていく。

石見市長は認可外保育施設から移行し、今月1日現在で認定こども園として運営している9施設の管理者を対象にする研修では、今回問題になった給付金の不正受給や不適切な給食提供を取り上げ、倫理面に力を入れる方針を示した。学識経験者らからも再発防止に向けた意見を求めていくという。

同園に支出された給付金の返還についても県と協議を始めたことを明らかにし、早期に返還額を確定させるとした。

http://www.sankei.com/west/news/170406/wst1704060013-n1.html

遅すぎる調査です。本来はわんずまざー保育園に対する相談があった時点で行われるべきでした。

また、こうした調査を行うと発表した場合、疑わしい施設は証拠を隠蔽するなどして調査に備えてしまうでしょう。事前発表すべきではなかったかもしれません。

この様な調査は一時的なものではなく、毎年行われるべきものです。特に保護者・保育士等からの相談や苦情があった施設に対しては、抜き打ち調査・取引先等からのヒアリングも含め、厳しい監査が必要でしょう。

仮に監査が空振りに終わっても、それは「この施設に問題は無かった、安心して下さい」という結論となります。保護者・児童・保育士・そして施設にとっての利益となるでしょう。

なお、この様な調査・監査を行った場合は、事後的にウェブサイト等で公表するのが望ましいです。大阪市では認可外保育施設への調査結果を公表しています。

認可外保育施設最新立入調査結果(大阪市)

こうした形で公表している自治体は稀です。他自治体でも公表して欲しいです。

隠された実態 姫路・認定こども園(3/30-4/1、神戸新聞連載)

兵庫県の地元紙、神戸新聞による連載記事「隠された実態 姫路・認定こども園」が掲載されました。

連載【隠された実態 姫路・認定こども園】(上)特別監査
連載【隠された実態 姫路・認定こども園】(中)保育士の葛藤
連載【隠された実態 姫路・認定こども園】(下)不正看過

特別監査の現場、保育士の葛藤、園長から保育士へのパワハラ、切り詰められる食事、書類改ざん、強い保育ニーズと足りない施設等、こども園の中で何が起きていたかがまとめられています。

痛感したのが、姫路市の杜撰な対応です。私的契約児の存在が姫路市へ通報されてから問題が公になるまで、1年以上も掛かってしまいました。保育士の過酷な待遇・給与問題等、様々な相談や指摘が姫路市へあった筈です。

相談が1件ならまだしも、複数件あったのであれば疑って当然です。より早く・深く調査を行うべきでした。例えば私的契約児の存在が指摘されれば、朝7-9時半頃に保育園の前で当然児童数をカウントすれば容易に判明したでしょう。仮に行っていたとしても、遅すぎました。

また、同市は書類の改ざんを長年に渡って見過ごし続け、問題を拡大化させてきました。他の保育所等から提出される書類と見比べていれば、書類の不自然さにどこかで気づくはずです。

最大の原因は園長の資質にあります。しかし、保育士・園長としての資質に著しく欠ける小幡育子元園長が運営する施設を認定し、公金と投じると決定したのは姫路市・兵庫県です。

中の人の誰かが「この施設は少しおかしい」と気づかなかったのでしょうか。それとも、幹部の意向を忖度し、見て見ぬふりをしてしまったのでしょうか。

認可外施設として休止届提出、施設の貸出検討(4/2)

定員の大幅超過など不適切な運営で認定取り消しが決まった姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」の小幡育子園長が近く、認可外保育施設としての「休止届」を市に提出する意向であることが3月31日、代理人弁護士への取材で分かった。

園は1日付で同県から認定を取り消され、認可外保育施設になった。市は、園長が今後の運営を断念する意向を示していたことを踏まえ、4月以降の認可外施設としての扱いについて、休止か廃止の届けを出すよう求めていたという。

代理人の水田博敏弁護士は、園長が保育に携わることは困難な状況は変わらないとした上で、園に残された建物を「待機児童解消に向けて有効活用」するため、貸し出すことなどを検討したいと話した。検討の時間を確保するため、廃止ではなく休止を選んだとしている。

園は3月31日、認定こども園としての運営を終えた。

http://mainichi.jp/articles/20170402/ddl/k28/100/314000c

認可外施設としても廃止するのでは無く、当面は「休止」する選択を行ったそうです。時間を確保すると共に、将来的には認可外施設として再運営する意向もあるかもしれません。

本筋は施設の貸し出しでしょう。

旧わんずまざー保育園は多くの私的契約児を預かっていました。裏返すと、保育所等へのニーズが極めて強い事を示しています。姫路市中心部と臨海工業地帯の間の住宅街にあり、双方に通勤しやすい場所にあります。好立地です。

仮に借り主を募集すれば、数件の問い合わせ・応募はあるでしょう。姫路市の待機児童対策の一助となるでしょう。

反面、わだかまりも残ります。貸し出しによって利益を得るのは小幡元園長です。収益が被害弁済へ充てられる一方、「盗人に追い銭」となりかねません。

また、旧同園の維持・整備等には一定の補助金が交付されていました。こうした施設を第三者へ貸し出す事に対する、法的な制約等が設けられている恐れがあります(確認できていません)。

更に気掛かりなのは姫路市との関係です。同市は今後、交付した補助金等の返還を求めていく方針だと報道されています。小幡元園長が現金等で返還できない場合、元園長が所有している旧同園の土地建物を差し押さえ、競売が実施される可能性も否定できません。

旧同園を借り受けて認可外施設として運営するならともかく、認可施設等として利用するには不動産を長期的に利用できるメドが立たず、認可されるのは非常に難しいと感じました。

保育士に罰金等を返還(4/2)

当然の措置です。運営に充てるべきだった資金を、園長はどれだけ個人的にプールしていたのでしょうか。

不適切運営で認定こども園の認定を1日付で取り消された兵庫県姫路市の私立「わんずまざー保育園」の小幡育子園長が、同園の保育士に対し、不当に天引きした給与などを返還したことがわかった。保育士10人全員が「今後は(賃金などを)請求しない」とする合意書を交わしたという。

同園は2015年度、保育士が無断欠勤すれば7日間、30分以上遅刻、早退すれば2日間のそれぞれ無給勤務にするなどの労働契約を締結。姫路労働基準監督署が先月30日、労働基準法に基づき立ち入り調査した。

園関係者や小幡園長の代理人弁護士によると、小幡園長は先月31日、保育士全員を呼び、個別に正規の給与を手渡したうえで、不当な天引き分などを返還。不当分には、虚偽の無断欠勤名目による数十万円や遅刻の罰金(1回1万円)などがあった。

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20170402-OYO1T50003.html

問題発覚から1カ月程度、労基の立入調査の直後に罰金等を返還するとは早い動きです。

恣意的に見るのであれば、労基等による強制力を持った指導を回避し、自己への未払賃金額を正確に算定できていない段階で未払賃金を支払ってしまい、債権債務関係を絶ってしまおうという意図も感じられます。

全員が退園・退職(4/1)

定員を超過した園児を受け入れるなどの不正により、4月1日付でこども園の認定取り消しの兵庫県姫路市飾磨区加茂の「わんずまざー保育園」が3月31日、最後の登園日を迎えた。子供を預けに来た母親らは「今でも園長の対応は許せない」と不満を口にしつつ、子供を預けて職場に向かった。

認定こども園として最後となったこの日も、早朝から保護者が子供を預けに次々と園を訪れた。小幡育子園長も姿をみせたが、報道陣への対応はなかった。

母親らは「(閉園は)残念だが、園長のしてきたことを考えれば仕方がない」「逃げ回って自分で説明しない園長は許せない。二度と保育に関わってほしくない」と話した。

小幡園長の代理人弁護士によると、保護者への謝罪や金銭的な補償も含めて検討しているとしている。

在籍予定だった園児46人は別の園に移るなどして全員の退園が決定。雇用されていた保育士も全員が退職するという。

http://www.sankei.com/west/news/170401/wst1704010046-n1.html

労基署が立入調査(3/30)

定員を超過した園児を受け入れていた兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」=4月1日付で認定取り消し=が、一部の保育士との間で欠勤や遅刻をした際に無給勤務や罰金を科す契約を結んでいたとして、姫路労働基準監督署は30日、同園に立ち入り調査を行った。

この日は昼過ぎから約2時間、労基署員ら3人が園を訪れた。保育士らから聞き取りなどを行ったとみられる。

姫路市によると、同園は一部の保育士との間で市に提出した契約書とは別に、無断欠勤した場合は7日間、30分以上遅刻した場合は2日間の無給勤務などとする契約を締結。市は2月27日、こうした罰則が減給の上限を定めた労働基準法に違反している疑いがあるとして、同労基署に伝えていた。

http://www.sankei.com/west/news/170330/wst1703300088-n1.html

全国初の認定取消、園長は身を隠す、保育士資格取消も検討(3/29)

兵庫県はわんずまざー保育園への認定を4月1日付けで取り消すと発表しました。また、こうした不利益処分に必要な聴聞手続につき、小幡育子園長は出頭しなかったそうです。

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」で不適切な保育実態が明らかになった問題で、県は29日、同園の認定を4月1日付で取り消すと発表した。認定を受けた2015年3月から定員を超える園児を受け入れ、保育の基準を満たしていないにもかかわらず虚偽報告を続けていた。認定取り消しは全国初。

県と同市は29日、認定取り消しに関し、同園の意見を聞き取る「聴聞」を開いたが、小幡育子園長は欠席。28日に提出した陳述書で事実関係を認めており、県は取り消しを決定。31日まで通う園児に配慮し、4月1日付の処分とした。

県と同市は今年2月、抜き打ちで同園の特別監査を実施。園児名簿などを押収し、実態解明を進めていた。

県によると、定員外で保護者と直接契約した子どもや一時預かりの子どもを、正規の園児と一緒に保育。約40人が利用していた土曜日は、基準より少ない保育士2、3人の配置が常態化していた。

また、毎年義務付けられた県への報告書では、面積基準の違反や保育士不足を隠すため、定員外の園児を盛り込まず、保育士数も水増ししていた。

子ども・子育て支援新制度による公的給付が始まった15年4月以降、同園は年間約5千万円の給付を受けていた。県は市とともに返還を求める方針。刑事告訴についても県警に相談する。また県は、小幡園長が持つ保育士資格の取り消しも検討している。

姫路市も同日午後、同園が公費を受給する権利を取り消した。市は不正を見抜けなかった責任を認め、学識経験者の意見も踏まえて再発防止策を検討するとした。

一方、同園の代理人が同市内で会見し「適切な保育環境を維持できず、本当に申し訳なく反省している」と、小幡園長のコメントを読み上げた。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010046537.shtml

代理人の会見詳細
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010047825.shtml

認定取消に到った最大の問題が小幡園長・わんずまざー保育園にあるのは言うまでもありません。

しかし、わずか2年で取消に到った施設を認定してしまった兵庫県・姫路市の対応にも極めて大きな問題があります。認定に関する議事録等を公開すると共に、原因究明・再発防止等を目的とする外部の人間による調査が必須でしょう。

保護者は自治体による認可・認定を極めて重要視しています。こうした施設であっても信用できないのであれば、何の為の認可・認定でしょうか。

これまでの報道内容に加え、土曜日は基準数に満たない保育士での保育が常態化していたそうです。大きな事故が起きなかったのが不思議なぐらいです(小さな事故は起きていた可能性が高いです)。

なお、兵庫県・姫路市は刑事告訴に加え、小幡園長が有する保育士資格の取り消しも検討しているそうです。当然の対応です。

卒園式挙行、園長は欠席(3/29)

3月28日にわんずまざー保育園にて卒園式が行われました。私的契約児も出席する一方、小幡園長は欠席したそうです。

不適切な保育実態が明らかになった兵庫県姫路市の認定こども園「わんずまざー保育園」で28日午前、卒園式が開かれた。年長組の園児ら約10人が出席。関係者によると、小幡育子園長は欠席した。

午前10時前、園児と保護者らが足早に登園した。同園と保護者が直接契約していた定員外の園児も出席。園児らは式で元気な歌声を響かせたという。(以下省略)

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010042901.shtml

4月以降は園児不在となる見通しなので、入園式は行われないでしょう。

勤務している職員も転職・解雇を余儀なくされます。同園が労働保険料を納付していたか、少し気になっています。

地方裁量型認定こども園は姫路市に集中(3/28)

問題の切っ掛けは、認可外保育施設として運営していたわんずまざー保育園が認定こども園へ移行した事にあります。

同園は「地方裁量型認定こども園」です。同種のこども園は全国に60園ありますが、内6園(全国の10%)が姫路市に集中しているそうです。

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」の不適切保育問題で、認定こども園の4分類のうち、わんずまざー保育園が分類される「地方裁量型(特定認可外保育施設型)」は兵庫県内に7園あり、同市内に6園が集中していることが分かった。基準が比較的緩やかで、認可外の保育施設から移行できるのが特徴で、「保育の受け皿確保の一つと考えた」と姫路市。全国に60園しかなく、1割を占める同市の多さが際立っている。

認定こども園は2006年に制度が始まり、兵庫県内は全国2番目に多い322園。4分類に分かれ=表参照、市町と連携して県が認定する。県こども政策課は地方裁量型について「保育所や幼稚園としての認可がなくても、弾力的な運用で認定こども園を増やし、保護者ニーズに応えようという国の政策でできた」と説明する。

職員の資格や配置などは国の基準に添うが、食事の提供などは都道府県が条例で規定。兵庫県は地方裁量型に限り、0~2歳児の給食も外部搬入が可能としており、調理室がない「わんずまざー保育園」も移行が可能だった。

県内にある7園のうち、香美町の1園は、園児数減を理由に3園を統合して11年に設置。一方、姫路市は「保育の受け皿が不足する地域をなんとかしようと積極的になり、地方裁量型に着目した」といい、14年から16年4月までに、同市内で6園が認定された。

ただ、他市では方針が異なっている。「認可外からいきなり認定こども園になるのは想定していない」と神戸市。明石市も「安全性の懸念」を理由に、制度当初から検討していないという。県は、市町の計画を基に19年度までの認定こども園の設置計画を示しているが、地方裁量型を含めているのは姫路市だけという。(以下省略)

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010042106.shtml

待機児童対策として、姫路市が地方裁量型認定こども園を活用していたのは明白です。弾力的な運用で設置できる一方、認定基準の甘さに繋がったのは否めないでしょう。

この話を聞いたとき、「認可外から認定こども園へ直接移行?」と感じました。制度上は可能ですが、神戸市・明石市等、他市町村はは想定・検討していないそうです。

規制緩和であれこれ言われている大阪市でさえ、私の知る限り、認可外保育施設から移行しているのは小規模保育・家庭的保育のみです。

運営断念の意向(3/28)

園長は未だに「保育が好きで続けたい」と考えているそうです。自分がやらかした事の重大さを認識できていない様子です。

不適切な保育の実態が明らかになった兵庫県姫路市の認定こども園「わんずまざー保育園」の代理人は27日、神戸新聞社などの取材に応じ、小幡(おばた)育子園長が4月以降に閉園する意向を示していることを明らかにした。

代理人弁護士との主なやりとりは次の通り。

「小幡園長から今回の問題に関する全てのことで、解決を依頼された。今後、保護者や園児への謝罪を具体的にどうするかを検討する。保育士の方々の労働条件でも面白くないことがあった。労働基準監督署とも折衝しながら解決していきたい。公費の不正受給もあったので、行政には早急に金額を確定してもらい返還に応じたい」

-昨日初めて園長と会ったのか。

「そう。午後1時から3時まで姫路市内で話し合った」

-どんな様子だったか。

「開口一番、『園児や保護者に申し訳ないことをした』と。憔悴(しょうすい)しているようだった」

-園長は悔いているか。

「それはある。動機などの心情的な部分はこれから聞こうと思う」

-代理人を引き受けてくれと言われたのか。

「誰かがやらなきゃいけない」

-月内に聴聞があり、兵庫県は認定を取り消す方針だ。

「園長は『当然のことだと受け止めている』と。甘んじて受けなければと考えていると思う」

-今後の運営についてはどう話しているか。

「どうされるのかと聞いた。『保育の仕事が好きなんでやりたいですけど、無理だと思う』と。今回の問題で社会的信頼を損なっているので、事実上不可能だろう」

-認可外で保育を継続できるが。

「園長は『断念はしたくないが、断念せざるを得ない』と。『認定が取り消されれば、やっていけない』とも話した。『閉園するんですね』と尋ねると、『そうです』と答えた」

-認定取り消しについて争う意思は。

「ありません。これまでの過ちにどう対処するかを考えていく」

-保護者から給食費の返還を求める声も。

「まだ詳しい内容を把握していない。給食については虐待ではないかという指摘もあり、慰謝料を算出するのも簡単ではない。謝罪の形は金銭的な補償を含めて検討していきたい」

-園長の釈明は。

「報道などでの指摘については、ほとんど事実として受け止めている」

-報道された給食の写真について「こんなに少なくない」と保護者説明会で話した。

「その点は具体的に話していない」

-保護者への謝罪などはいつまでに結論を出すのか。

「謝罪にしても金銭的な問題がある。園長は『できるだけ努力します』と話している。5月の大型連休前くらいに解決したい」

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010041627.shtml

代理人弁護士の話によると、小幡園長は認定こども園としての運営はもとより、認可外保育施設としての運営も断念せざるをえないと考えているそうです。

また、各種報道されている事実関係(給食の少なさ等を除く)も概ね事実として認めており、認定取り消しを争う意思もないそうです。また、4月末までに保護者への謝罪・慰謝料支払い等を行いたい見込みだそうです。

しかし、謝罪の内容や慰謝料額は園長と保護者の間で話し合いが着くとは考えにくいです。例えば1食あたり100円の慰謝料として、納得できる保護者がどれだけいるでしょうか。

金銭の支払いと同時に重要なのは、保育士免許の取り消しです。自己が運営する施設はもとより、他園で保育士として働く事も許されません。

園児数を5年前から虚偽報告(3/27)

ブラック保育・労働を実施していたわんずまざー保育園、認可外保育施設だった5年前に虚偽の園児数を姫路市へ報告していたそうです。虚偽報告が常態化しており、姫路市は見破れませんでした。

姫路・こども園 園児数、ウソ報告の疑い

ずさんな運営が指摘される兵庫県姫路市の認定こども園が、認可外の時から、園児の数について市にウソの報告をしていた疑いがあることがわかった。「わんずまざー保育園」が認可外だった時の元保育士などによると、市の監査があった5年前、定員35人を超えておよそ60人の園児を受け入れていたが、園長は、園児の数を23人と報告していたことがわかった。元保育士は「子供の名簿を作り変えていた。本来いる子の名前が何人か消えてたりとかはしてたと思います。クラスの棚のシールを全部はがしてと言われていたので」と話している。兵庫県では今週にも小幡園長に聞き取りを行い、認定を取り消す方針。

http://www.news24.jp/nnn/news88918593.html

少なくとも5年前、恐らくはもっと以前から虚偽報告を行っていたのでしょう。認定こども園への移行申請書類にも多くの虚偽事項が含まれている可能性が濃厚です。

同時に、こうした虚偽報告に疑いを持たず、全く見破れなかった姫路市が情けなく感じます。靴箱やロッカーの数・園内の汚れ具合等から「ふとした違和感」を覚えなかったのでしょうか。

また、こうした問題がある施設については、ほぼ確実に利用者から市へ相談・苦情が持ち込まれています。同園に関する相談履歴を情報公開請求すれば、市が相談等を軽視した過去が浮き彫りとなるのではないでしょうか。

保育園敷地は父親から贈与、建物は自己資金で新築か、いずれも自己所有(3/27)

小幡育子園長の経歴やわんずまざー保育園設立の経緯が徐々に報じられてきました。姫路市が思い切った手を打てない理由の一つに、同園の土地建物の所有権問題があると思慮されます。

(中略)園長は短大を卒業後、民間企業や託児所への勤務を経て同園を設立。約470平方メートルの敷地はもともと父親が所有し、認定後に贈与を受けた。付近の住民らは「運営資金に困っているようには思えないのだが」といぶかしがる。(以下省略)

http://www.sankei.com/west/news/170327/wst1703270014-n3.html

わんずまざー保育園の土地建物の登記情報を取得したところ、意外な事実が判明しました。

(建物)

(土地)

建物は平成18年(2006年)11月6日に新築されたそうです。同園は2003年設立とされています。設立数年後にこの建物を新築したのでしょう。

平成27年2月には大規模な増築が行われ、延床面積は当初の倍以上となりました。認定こども園への移行に合わせ、施設を大規模化したのでしょう。

建物の所有権者は当初から小幡育子園長となっています。銀行借入等ではなく、自己資金で新築・増築した可能性が高いでしょう。

そして土地は平成27年12月に贈与され、所有権が小幡育子園長に移転しました。上記産経新聞によると、敷地を贈与したのは父親だそうです。

つまり、わんずまざーの土地建物は全て小幡育子園長が所有しています。園長が「認可外保育園として継続したい」と主張しているのも、姫路市がより強硬な手段に出られないのも、保育園の経営者が個人、かつ不動産が個人所有であるという点が関係しています。

こうした重大な問題が発生した保育所等(認可外は除く)において、自治体が重要視しているのは「保育の継続」でしょう。通っている園児が、問題発生後も継続して保育を受けられる環境です。

その為、重大な問題を起こして保育所等であっても閉鎖等が行われるケースは殆どありません。運営法人(専ら社会福祉法人)の理事長等を自治体OB・有識者等に入れ替え、保育所等の不動産や保育士はそのままで保育を継続します。

しかし、個人で経営している保育園の経営者を第三者へ入れ替えるのは極めて困難です。経営主体そのものが完全に変わってしまいます。法人経営であれば法人売買等によって入れ替わるケースもありますが、自然人は売買できません。

また、不動産が第三者からの賃借物件であれば、別の法人等が新たな賃借人となって保育を継続する方法も考えられます。しかし、わんずまざー保育園の不動産は園長自身が所有しています。道義的に園長から賃借するのは困難です。

つまり、わんずまざー保育園が4月以降も継続して認定こども園として継続するという選択肢は、当初から姫路市は想定していなかったでしょう。小幡育子園長の関与を断絶できません。

土地建物が自己所有なので、運営資金にはややゆとりがあったと推測されます。ケチケチ保育でプールした資金は、恐らくは数千万円になるでしょう。どこかでプールされているか、それとも費消されてしまったのでしょうか。

姫路のこども園、定員の2倍預かり 赤ちゃんも(3/27)

正規園児46人に加え、私的契約・不正な一時保育を合わせ、1日で80人の児童を保育した日もあったそうです。

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」の不適切保育問題で、同園が正規の園児に加え、市に隠して直接契約したり、不正に一時保育を行ったりして、1日当たり最大約80人の園児を預かっていたことが26日、市などへの取材で分かった。定員の2倍近くを少ない保育士で預かっており、市は粗悪な保育環境が常態化していたとみている。

市などによると、同園は正規の園児46人のほか、保護者と直接契約した22人を保育。人数より少ない給食を提供し、保育士数を実際よりも多く報告するなどしていた。

既に定員超過の状態だったが、不正に一時保育も実施。必要な保育士数を確保せずに、最大で1日15人ほどを預かっていたという。

市には一時保育専用の部屋があると虚偽の届け出を提出。一部の園児はほぼ毎日預かっており、市は2月の特別監査後に中止させた。

国の基準は、保育士1人が担える0歳児は3人までと規定しているが、同園のある保育士は「0歳児だけで10人を一時預かり、1人で見ることが日常的にあった」と証言。「人手が足りない中でプレッシャーに押しつぶされそうだった」と話した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010038772.shtml

園児80人に対して保育士は10名のみだった様子です。定数外の園児は0-2歳児が中心だったでしょう。保育士配置基準の倍程度の園児を預かっていた計算となります。

1人の保育士が保育できる0歳児は3人です。しかし、同園では10人の0歳児を1人で保育していた事もあったそうです。

重大な事故が起きていなかったのが不思議なぐらいです。何らかの事故が起きていても、この園長であれば隠蔽しても不思議ではありません。

とあるテレビ番組で「同園は0-1ヶ月の子どもを預かってくれるからありがたい、助かっていた」という母親のコメントが放映されました。大きな事故やケガがなく、帰宅できたのは運が良かっただけです。

運営ずさん、隠蔽周到…30項目違反(3/25)

悪質な隠蔽工作が次々と明らかになっています。また、園長の酷いパワハラ体質も表面化してきました。園長が保育士・園児を支配し、姫路市を弄んでいた構図です。

監査日、私的契約児を休ませ/保育士勤務表、提出用に偽装

市を通さず私的に契約した園児が22人、保育士の水増しは3人、狭い保育室と少な過ぎる給食発注数、食中毒予防の検食不実施--。2月23日と3月13日に市と県が行った抜き打ちの特別監査で、次々と問題が明るみに出た。暖房は送迎の保護者がいる時だけ。トイレットペーパーは園が負担すべきなのに保護者に持参を求めていた。

ずさんな運営の隠蔽(いんぺい)は念入りに行われていた。小幡園長は市が事前通知した2月2日の定期監査前、私的契約した園児の保護者に監査日は登園させないよう頼んでいた。入園案内のしおりは、正規入園者用▽私的契約者用▽市提出用と3種類用意し、保育士の勤務表も市提出用を別に作っていた。

小幡園長は遅刻すると罰金1万円を科し、月給制なのに日割り計算で祝日分を給与から減額していた。園内では絶対的な存在だったとみられ、保育士たちは問題を園外で相談できない状況だった。不正発覚後の今月21日の保護者説明会でも、保育士7人は園長退室後に初めて「逆らうことができなかった」などと打ち明けたという。

保育士たちは「意見を言ったら園長から無視され、病気で倒れた」「辞めた保育士の自宅で、園長が(翻意を求めて)30分ごとにピンポンを鳴らしたと聞いた」「園児が裸足で寒そうでも、園長が来たらエアコンを消さなければならなかった」と明かしたという。

同園が認定当初から園児を私的契約で受け入れ、虚偽報告もしていたことに市は「認定の重みが分かっていない」と厳しく批判している。

毎日新聞の取材に小幡園長は「今思えば違法だが、そこまでとは考えていなかった」と釈明。一方で「私的契約で得た保育料は(市に)隠しているものだったので使えなかった」と、矛盾した弁明もしていた。

劣悪な施設が生じた背景には、各自治体の待機児童数が比較されるなかで保育施設が渇望された事情があったとみられる。

15年4月の新制度移行時に全国で2836カ所あった認定こども園は、1年後に4001カ所へと急増した。中でも兵庫県は、大阪府に次ぎ全国2位の322カ所を認定した。新制度では待機児童の要件に「親が求職中」が加わり、14年度にゼロだった姫路市の待機児童数は15年度は69人に増えた。認定こども園を増やしたい市は、「比較的多かった認可外保育施設に着目した」(担当者)という。

「わんずまざー保育園」も、基準が厳しい「保育所型」の認定を受けようとしたが、調理室がなく要件を満たせなかった。市は、基準が比較的緩やかな県条例に基づく「特定認可外保育施設型」を目指す方法を示した。この分類で認定された県内7カ所のうち、6カ所が姫路市だった。市の有識者会議では、認可外の施設をこども園に認定することに危惧の声が出たといい、市は「保育の質の確保」という条件を新たに加えたという。

特色ある保育をして評判が高い認可外施設もあるが、市の担当者は「中には脆弱(ぜいじゃく)な施設もあり、認定した以上は厳しく監視すべきだった」と反省を口にする。多くの違反を2年間見抜けなかった行政は、対応を迫られている。

http://mainichi.jp/articles/20170326/k00/00m/040/059000c

同園は地方裁量型の認定こども園だったそうです。大阪市の場合、こども園は幼稚園ないし保育所が移行するというイメージであり、認可外施設は小規模保育へ移行するケースが専らです。

兵庫県内で認可外からこども園へ移行した施設は、1箇所を除いて全てが姫路市内にあるそうです。待機児童問題の解消の為、姫路市が認可外施設のこども園化を促進したのは明白です。

当然ながら、姫路市の有識者会議では危惧する声が出たそうです。有識者会議での指摘を突っぱね、行政案で押し通したのは森友学園を巡る大阪府私学課の対応と同一です。

「条件付き認可」という点も同じです。「保育の質の確保」を条件とするのであれば、確保できてから認定すべきでした。

園長のパワハラ体質は酷すぎて言葉が出ません。テレビ等では穏やかそうな方でしたが、裏の顔は全く違っていたそうです。

報道等ではまだ指摘されていませんが、実はわんずまざー保育園の土地建物は賃借物件ではありません。小幡育子園長自身が所有しています。更に、抵当権等が全く設定されていません。

保育士等への強い態度の裏側には、こども園の土地建物を自己所有しているという自信もあったのでしょう。近日中に突っ込んで特集する予定です。

直接契約、当初から“裏料金表”(3/25)

わんずまざー保育園は認定当初から私的契約児の受入を意図していたそうです。一切認められていない月極保育の料金表を作成していた他、一定の条件下で認められる一時保育も必要な保育士数を満たしていなかったそうです。

不適切な保育実態が明らかになった兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」が、市に隠して直接契約で受け入れた園児らの保護者に対し、保育料などを記した“裏料金表”を配布していたことが24日、関係者への取材で分かった。料金表の対象期間を示す記載から、こども園に認定当初から不正行為があったことを裏付ける資料とみられる。

同園は2015年3月、こども園の認定を受けて年間約5千万円の公費を受給。兵庫県と市の特別監査で、定員の1・5倍の園児を受け入れ、定員外の保護者との直接契約で保育料を得るなどしていたことが発覚した。

料金表には、直接契約を意味する「月極(つきぎめ)保育」の欄があり、入園金は1人当たり1万円。認定施設の保育料は自治体が保護者の年収などに応じて決める仕組みだが、直接契約では同園が子どもの年齢に応じて決めていた。期間は15年4月~16年3月と記載。市が直接契約を認めていないこども園への移行後も、不正な契約を行っていた実態がうかがえる。

不正に行っていた一時保育も、時間帯や曜日に応じて細かく料金を設定。お盆や年末年始も割増料金で預かっていた。市によると、同園は、保育士数を実際よりも3人多く報告しており、一時保育に必要な人員を満たしていなかったが、その事実を隠蔽(いんぺい)していた。

また、公費負担があり、園が購入するはずのトイレットペーパーや雑巾、ティッシュなどの衛生用品を、保護者に持参させていたことも判明。保護者に配った「入園のしおり」に準備物として記載していたが、市の定期監査では虚偽のしおりを提出していたという。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010031758.shtml

実にきめ細かい料金表が作成されていました。

例えば平日5日間の0歳児保育を行う場合、毎月の基本料金4万円・給食料金4,300円・施設費500円、合わせて44,800円が必要でした。

実はこの料金、認可外保育施設・0-1歳児保育での一般的な料金と比べると、相当割安に感じます。幾つかの施設を見学して検討した方であれば、「異常に安い」と感じる人もいるでしょう。

安いのは当然です。定数内児童への保育に必要な保育士を水増しして補助金を受給し、私的契約児への保育に必要な保育士は全く採用せず、定数内児童の給食を全園児で分け合っていたのですから。

安すぎる物には裏がある、という事例の典型例でしょう。

上記記事では園が購入する筈のトイレットペーパー・雑巾・ティッシュ類を保護者に持参させていた事も問題視されています。

しかし、こうした取扱は多くの保育園等で行われている様子です。全面的に禁止されているのか、それとも一定の要件で許容されているか、少し調べてみます。

在園希望はゼロ・園長は終始弁解・姫路市は責任認める(3/23)

わんずまざー保育園へ登園している定数内児童46人全員が、今後は同園へ登園させない予定だそうです。保護者として当然の判断でしょう。

姫路の定員超過こども園、通園希望ゼロ 保護者が意向

定員を大幅に超える園児の受け入れが発覚した兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」で、2017年度の通園を申し込んだ子ども46人の保護者全員が通園させない意向を姫路市に示していることがわかった。姫路市が22日の市議会厚生委員会で明らかにした。

県は今月中にも同園の認定を取り消す方針だが、小幡育子園長は取材に「今後も認可外保育施設として子どもを受け入れたい」と話している。ところが、姫路市によると、同園には定員いっぱいの46人が通園を希望していたが、44人は市内の幼稚園や保育園などに転園・入園、2人は自宅保育にする考えを市に伝えたという。

http://www.asahi.com/articles/ASK3Q5HPSK3QPIHB01P.html

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」が定員を超過して園児を受け入れていた問題で、4月からの通園や入園が決まっていた計46人全員が辞退したことが23日、市への取材で分かった。超過受け入れの22人は、県と市が2月に特別監査した後、市の指導で3月4日までに全員退園。現在は正規定員の46人で運営している。

市によると、新年度は2016年度からの継続が37人、新規入園9人の園児が決まっていた。いずれも定員超過などの問題が明らかになった後、保護者が市に辞退を申し入れた。

この46人のうち44人は、既に市内の幼稚園や保育園、認定こども園への転園や入園が決まった。残る2人は自宅での保育を希望している。超過の22人について、市は動向を把握していない。

県は3月中に認定を取り消す方針。その後、園は認可外保育施設となる。市に対し、小幡育子園長は「取り消し後も認可外の施設として子どもを受け入れたい」と話しているという。市は受け入れに法的な問題はないとしている。

http://www.nikkansports.com/general/news/1796575.html

姫路市が主体となり、定数内児童へ他保育所・幼稚園等を斡旋しているそうです。上記記事にあるとおり、ほぼ全ての児童は既に転所先が決まったそうです。

反面、私的契約22人にはこうした斡旋等は行われないそうです。行政が関与する契約ではないとは言え、定数内児童との扱いの違いが釈然としません。

私的契約をせざるを得なかった理由の一つには、保育所不足があるのは否めません。背景事情を調査すべきでしょう。

小幡園長は自らの甘さを反省する反面、悪気はないという弁解に終始しています。未だに「今後も認可外保育施設として子どもを受け入れたい」と話しているそうです。呆れます。

姫路のこども園 園長「認可外時代の甘さ抜けず」

不適切な保育実態が明らかになった兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」の小幡育子園長は問題発覚前、神戸新聞社の取材に応じていた。特別監査で指摘された不正を認めた上で、こども園に移行後の体制整備について「知識がなく、何が必要かも把握できていなかった」と釈明。兵庫県や市による認定過程での適格性判断やチェックの甘さが問われそうだ。

同園は、2003年に認可外保育施設として設立され、12年間運営。待機児童の解消や保育と幼児教育の質向上を目指す「子ども・子育て支援新制度」が始まった15年度、認定こども園に移行した。年間5千万円の公費を受給していた。

約1時間にわたり取材に応じた小幡園長は、認定を目指した理由を「(公費補助で)保育料が安くなり、保護者も助かると思った」と説明した。

定員を22人超過する園児を不正に受け入れていた点は、「ここは認可外の基準なら70人まで可能な広さがある。保護者に『助けて』と言われ、受け入れてしまった」と弁明。「認可外時代の甘い考えが抜けず、事の重大さに気付いていなかった」とした。

無資格でベビーシッターを行い、保育士にさせていたのも「認可外時代からやっていた。保護者へのサービスのつもり」と語った。

県内の認定こども園は322カ所(16年4月時点)。公立や学校法人、社会福祉法人の運営が97%を占め、個人経営の認可外から移行した例は珍しい。

小幡園長は、認可の基準を満たす体制整備について「大きなところは知識のある人がいるが、ここは私だけ。知識がなかった」と、適格性に疑問を抱かざるを得ない弁明に終始した。

一方、21日夜に同園であった保護者説明会では、保育士が園長に逆らえなかった実情を涙ながらに説明。子どもを預ける女性(29)は「園長の話は信用できない。本当のことを語ってほしい」と求めた。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010025193.shtml

一般的な感覚を有する保育所経営者であれば、たとえ保護者から「助けて」と言われても私的に受け入れず、自治体を通じた申込みを紹介するでしょう。認定に伴う手続等で、園長は姫路市から再三説明されたはずです。

反対に考えるとスッキリします。施設見学に訪れた保護者に対し、「姫路市に申し込むと定員いっぱいで入れないが、施設と直接契約するなら入れます。」と勧誘した可能性です。

保育所等への入所を考えている保護者の多くはこうした制度に詳しくなく、施設経営者からこの様な方法があると説明されれば、あたかも合法な物として受け入れてしまっても不思議ではありません。

特に子ども子育て支援新制度が導入された後は制度が複雑、施設が多種多様となりました。園長から「直接契約という制度もある」と話されたら、鵜呑みにしても仕方ないです。

どの様な経緯で保護者が私的契約を知り、契約に到ったかが一つの焦点となるでしょう。

わんずまざー保育園が認定こども園となったのはたった2年前でした。姫路市による認可・監査プロセスも重大な問題があります。

市長等は議会で陳謝・再発防止に努める発言をしています。

姫路のこども園問題 監査体制強化で再発防止へ

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」で不適切な保育実態が明らかになった問題で、同市は22日の市議会厚生委員会で、同園の認定や監査に際しての対応が不十分だったと認めた。石見利勝市長は「子どもを守れず非常に残念」と発言。監査体制を強化し、再発防止に努める方針を示した。

議会側は、同園長の経歴などの説明を受けた上で「運営者としての経験が浅く、不安がある」と指摘。認定の申請段階で行政のチェック機能が働いていなかったと指弾した。

さらに、市内の福祉施設で不正問題が相次いでいる状況に触れ、職員14人で構成する市監査指導課について「職員を増員し、組織体制の見直しが必要だ」と強調した。

市は「監査体制を強化し、職員の不正を見抜く力を向上させる」と応じた。

市は2月の監査で判明した保育実態について、園児に少ない量の給食が提供されていたことに加え、適温が20度とされている保育室の温度が14度しかなかったと報告した。

議会側は「子どもに対する明らかな虐待。刑事告訴すべきだ」と主張。これに対し市は「(刑事告訴が)可能かどうか協議したい」と述べた。

同園には年間の運営費として公費約5千万円が給付されているほか、延長保育など6事業に補助金約250万円が支給されており、市側は「各事業を精査して、不正が確認できればこれらの返還も求める」とした。

https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201703/0010025435.shtml

姫路市は「職員の不正を見抜く力を向上させる」としています。しかし、本件は職員が気づく前に、施設利用者・職員等から何度も相談があったと報道されています。

初期段階で相談に真摯に応じ、適切な監査を行っていれば、ここまで問題が深刻化するのは避けられたでしょう。

更に重要なのは、そもそもどうしてこの様な施設が認定されたかと言う点です。驚いたのは、本施設は法人経営ではなく、園長個人として経営していたという事実です。

10人以上の職員・50人弱の園児を保育する施設です。個人事業として運営するには厳しい規模です。法人化して私有財産から切り離し、税理士等による決算書作成を通じた緩やかな監査も行う様に指導すべきでした。

実は同園の資産内容にも不思議な点があります。日を改めて記事化しようと思います。

紛糾する説明会・定員外園児からも給食費徴収・闇ベビーシッター(3/22)

昨日、同園にて保護者向けの説明会が開催されました。多くの保護者が怒りを露わにし、園長が途中退席せざるを得ない程だったそうです。

「動物同然の扱い」に憤る母親…「裏切られた」

問題発覚後、初の登園日となった21日、子どもを預けに来た母親たちは怒りを口にした。夕方からは、保護者向けの説明会も開かれた。

0歳の頃から次男(4)を通わせているという40歳代の母親は「何の罪もない子どもが、動物同然の扱いを受けていたと知ってショック。園長は『子どものことを一番に考えている』とよく口にしていたので、裏切られた気持ち」と憤った。

1~5歳の3人の子を預けている母親(29)は「子どもの健康と園の教育方法について、不安や怒りでいっぱい。園長はもう信頼できない」と訴えた。

4歳の孫娘を連れてきた女性(52)は「少し前に家で『塩かけごはん、ちょうだい』と言い出し、びっくりした。今回の件を聞いて、園内でおかずが足りていなかったのかなと思った」と話した。

園による保護者への説明会は午後6時から実施。父母らは同5時30分頃から集まり、「今後の預け先が確保できるか心配」「説明をじっくり聞きたい」と話し、硬い表情で園内に入った。

出席した保護者によると、小幡園長が冒頭に謝罪するとともに経緯を説明した。食事の量について、「特に少ないとは思っていなかった」「残ったらもったいない。実際に余ることもあった」などと発言。私的に預かっていた子どもの保育料は「一切、手を付けていない。子どもたちのために使うつもりだった」と釈明した。

これに対し、保護者数人が「ふざけるな」などと激高し、同席した市職員が小幡園長に退出を促したという。

その後、保育士たちが涙ながらに「子どもたちを守ってあげられなくて申し訳ない」「おやつも与えたかったし、栄養士を雇うよう園長に頼んだが、拒否された」などと述べたという。

長男(5)、長女(3)を預けている女性(33)は「園からの帰宅途中に、子どもたちがとてもご飯をほしがるので、おかしいと感じていた」と話し、保護者の中には迎えの際、おにぎりなどを持参する人もいたという。「園長には商売優先ではない運営をしてほしかったし、保育士は早く明かしてほしかった」と訴えた。

3人の子を通わせる男性は「3人一緒に受け入れてくれたので助かったと思っていたのに。一緒に預けられる施設が新たに見つかるか不安だ」と表情を曇らせた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170321-OYT1T50147.html

事件発覚前から過少給食を示唆する様子が垣間見えていた事が窺えます。お腹が空いた子供は正直なので、いつでもどこでも「お腹空いた、おやつ、ご飯」と訴えてきます。

一度や二度ならまだしも、毎日の様に続くと疑念を抱いてしまいます。皆さんがお世話になっている保育所等は大丈夫でしょうか?

食事量が少なかったのは、定員内園児46人分の給食を全園児68人で分けて食べていた為です。

より悪質な事に、同園は定員外園児(私的契約児)からも給食費を徴収していました。不当徴収した給食費は使われず、園長が個人的にプールしていた様子です。

不適切な保育実態が明らかになった兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」が、同市に隠して直接契約で受け入れた園児22人の保護者から、独自に給食費を徴収し、プールしていたことが21日、市などへの取材で分かった。実際は園児の給食を減らし、公費負担がある正規定員分の量で超過園児分も賄っており、市は不当に給食費を徴収していたとみている。

兵庫県と市が2月に実施した特別監査で、正規の園児46人に加え、直接契約の22人を受け入れ、定員の1・5倍の園児を預かっていたことが判明した。

市などによると、同園は22人について、利用料を月額2万~4万円に設定。この他に利用日数に応じて、月額4千~5千円の給食費を徴収していたという。

しかし、実際は約70人の園児に対し、40食前後のおかずを発注。これを分けていたため、0、1歳児はおかずをスプーン1杯程度しか食べられなかったという。

給食の発注は公費で賄える量に抑え、直接契約で徴収した給食費の多くは浮いた状態になっていたという。

市によると、不当な給食費の徴収は、同園が認定を受けてこども園に移行した2015年度当初から行われていたという。

同園の小幡育子園長は神戸新聞社の取材に対し、「給食費をもらわなくても(運営)できたが、もらってプールしていた」と話した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010021851.shtml

私的契約児を預かって給食費を徴収していても、十分な食事と保育を提供していれば少しは救われます。

しかし、同園は極めて不十分な食事と保育しか提供していませんでした。冒頭の記事で保護者が「動物以下の扱い」と怒る気持ちは理解できます。

報道によると毎月の保育料の他、給食費4500円も徴収していたそうです。

給食費を徴収していながらも見合う給食を提供していなかった点は、保護者に対する詐欺の疑いもあるでしょう。姫路市に先駆けて、刑事告訴する保護者もいるのではないでしょうか。

また、同園は姫路市に無届けでベビーシッター事業を営み、保育士に掛け持ちさせていた事も明らかになっています。

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」が定員(46人)の1・5倍の園児を受け入れていた問題で、同園が市に無届けでベビーシッター事業を営み、保育士に掛け持ちさせていたことが市への取材でわかった。

保育士らが「園に遅刻したら罰金を取られる」と市に訴えていたことも判明。市は労働基準法違反の疑いがあるとみて姫路労働基準監督署に情報を伝えた。

市によると、ベビーシッター事業を行うには、児童福祉法施行規則に基づき自治体への届け出が必要。ところが、同園は市に無届けで昨年4月頃から契約先の家庭にシッターとして保育士を派遣していたという。認定こども園の保育士は園での保育に専従義務がある。

市が2月23日に抜き打ちで行った特別監査で、以前に同園から提出を受けたものとは内容が異なる勤務表が見つかり、保育士らのシッター掛け持ちがわかった。小幡育子園長は市に対し、勤務表を偽造していたことを認めたという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170321-OYT1T50140.html

日中の保育で疲れ切っている保育士に、更にシッター業も強いていた様子です。専従義務に反し、恐らくはシッター業務への給与も支払っていなかったでしょう。

ここまで無茶苦茶な業務を保育士に強いているこども園は聞いた事がありません。疑いを持った保育士は黙って退職し、声を上げにくい・退職するのに躊躇いがある保育士が残っていたのではないでしょうか。

余りに酷い認定こども園です。姫路市は早急に閉園を指示し、小幡育子園長が二度と保育に従事できない対応を行うべきです。

隠蔽工作・保育士との不当労働契約も明らかに(3/21)

事態の露呈を避ける為に周到な隠蔽工作を行うと共に、保育士に対して罰金・無給勤務を科す裏契約を交わしていた事が明らかになりました。

周到に隠蔽か 姫路市の抜き打ち監査で判明

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」は19日、数多くの法令違反を市から指摘された。待機児童解消に全国で設立された認定こども園だが、行政の監督には限界があり、市の担当者は「事業者指導を今後さらに厳しく運用していく」と監視を強める考えだ。

市は昨年1月に「園児数が多い」とのうわさを基に、園側を問いただしたが、その時は書類に不審な点はなかったという。しかし、当時から市には届け出をしていない定員外の園児がおり、市は「用意周到に矛盾点が出ないようにしていたのではないか」と話す。

今年2月初旬、事前通知をした後、2015年4月の認定後初の定期監査を行った時も、園児数は定員以下。だが、給食量の少なさや、室内温度が14度前後と低いことなど不審点があり、約20日後に抜き打ち監査を行い、「不正」が判明した。

市が把握する園児46人以外の22人は園長との直接契約。70人前後の児童に対して35~45人分の副食で外部業者に発注し、3歳未満児は半分から3分の1の量しかなかった。片付けの省力化を図るため、主食・主菜・汁などを一つの器に入れて0歳児に食べさせたり、その日のメニューにアレルギーがある子に前日までの余った給食を使い回していたこともあったという。市の担当者は「監査に立ち合った元保育施設関係者が涙ぐむほど、お粗末だった」と話す。

保育士は法定より人数が少なく激務となった他、市の指摘よると、学童保育や園長個人が別途運営する夜間のベビーシッター業も兼務していたという。市側は「ここまでとは……。見抜けず非常に残念」と話していた。

http://mainichi.jp/articles/20170320/k00/00e/040/180000c

姫路のこども園 保育士欠勤や遅刻で罰金、無給勤務

不適切な保育実態が明らかになった兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」が、保育士と不当な雇用契約を結んでいたことが20日、市などへの取材で分かった。給付金を受けるため市に提出した雇用契約書とは別に、欠勤や遅刻をすれば罰金や無給勤務を科す“裏契約”を交わしていた。市は労働基準法違反などの疑いもあるとみている。

同園はこども園の認定を受けた2015年度以降、運営のため、年間約5千万円の公費を受給。保育士の人件費も含まれている。

市などによると、同園はこども園への移行に伴い、市に雇用期間や賃金を記した契約書を提出。一方で一部の保育士と内容の違う契約書を交わしていた。

“裏契約書”には、欠勤や遅刻、早退をした月は給与から1万円減額すると記載。無断欠勤すれば無給のボランティア勤務7日間、30分以上の遅刻なら2日間などとした。保護者を待たせた場合は「10日間のボランティア勤務、お客さま宅に謝罪」ともあった。

また、祝日などで保育士の休日数が園の規定よりも多い月は、日数に応じて給与がカットされていたという。

裏契約書は16年度になくなったが、その後も雇用状況は変わらなかったという。

同園の保育士は「1日働いても無給で理不尽に感じたが、園の方針で従うしかなかった」と証言した。

同園を巡っては、兵庫県と市の特別監査で、保育士数を実際よりも多く報告して給付金を水増し請求するなどの不正行為が判明した。県は近く、こども園の認定を取り消す方針。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010018793.shtml

極めて厳しい環境で園児・保育士が過ごしていたのは明白です。姫路市や兵庫県は認定取り消しのみならず、小幡育子園長が二度と保育に携われない様な断固とした措置を講ずるべきでしょう。

こうした施設が認定こども園へ移行して年間約5000万円に上る公費を受給できた背景には、新たに参入する保育所等の審査が不十分だと指摘されています。

実は姫路市では、似た様な事案が過去に発生しています。記憶に新しい「夢工房事件」です。

社会福祉法人「夢工房」 私物化の軌跡(調査報告書より)

姫路市の保育行政・審査基準等に重大な問題が生じている可能性は否定しきれません。反面、重大な問題を有する保育所等を指導・監督している点については、有効な監督等を行っているとも言えるかもしれません。

しかし、保育所等への指導は事後的なチェックで許されるものではありません。子供の生命を預かる施設であり、重要なのは参入時の事前審査でしょう。「問題ある事業者は市場から淘汰される」という考え方は間違っています。

また、保育所等で不当な労働契約が横行する背景には、施設運営者・保育士、双方に労働法制等に関する知識が薄い点も関係しているでしょう。

運営者や保育士はあくまで保育所運営・保育の専門家ですが、労務・総務等に関する知識や経験が乏しいのは否めません。

大学(特に社会科学系)で幅広く学び、ジョブローテーションで広範な業務に従事する事業会社・公務員とは、どうしても前提となる知識や経験量に大きな差があります。

毎年行われている保育に関する研修において、労務に関するコマを設けて基本的な知識を学習するのは一つの方法でしょう。

スプーン1杯のおかず・私的契約・保育士水増し(3/20)

兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」(小幡育子園長)で、異常な保育が行われていました。

姫路の“劣悪”子ども園、全国初の認定取り消しへ

定員を大幅に超える園児を自治体に隠蔽(いんぺい)して受け入れ、劣悪な環境下での保育を続けていたとして、兵庫県と姫路市は18日までに、認定こども園法などに基づき、同市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」(小幡育子園長)の認定を3月中にも取り消す方針を固めた。定員超過分の保育料を独自設定し、不当に受け取っていたほか、1人分の給食の量を減らすなどして経費を削減していたとみられる。市などは保育施設の適性を欠く行為と判断。運営費の公費負担を打ち切る。

内閣府によると、2015年の子ども・子育て支援新制度の導入に伴い、こども園の普及が進んで以降、認定の取り消しは全国初という。

市などによると、同園は正規の定員として園児46人を保育。これに加え、市に隠して直接保護者と契約した22人を受け入れ、定員の約1・5倍の園児を預かっていた。

園の利用料は、市が保護者の所得や園児の年齢に応じて徴収するが、22人分は同園が独自に料金設定。園児1人当たり月額2万~4万円を得ていたという。

給食は68人の園児に対し、40食前後を発注。これを分けていたため、栄養・量とも不十分な状態だったとみられる。乳児には主食と汁物などを一つのわんに入れ提供していた。

市などは、同園が行政からの給付金を満額受け取るため、保育士の人数を水増ししていた実態も把握。保育士は少人数で仕事を強いられていたとみられ、保育の安全性も問われる状態だったという。

県と市が2月23日、情報提供を受けて同園に特別監査を実施し、発覚した。同園は2003年11月に認可外保育施設として設立。15年3月、県の認定を受け、翌4月から年間約5千万円の公費が運営に充てられている。

小幡園長は神戸新聞の取材に「預け先のない保護者の要望に対応してきたつもりだが、監査で指摘された内容については、見直さなければいけないと思っている」と話した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010013115.shtml

神戸新聞(姫路支社)が集中的に取材を行っています。

こども園に公費返還請求へ 姫路市、刑事告訴検討
給食のおかずスプーン1杯 姫路の子ども園
姫路のこども園「常に人員不足」 保育士が証言
姫路こども園問題 園側、特別監査に不適切認める
姫路こども園問題 姫路市の会見一問一答

姫路市の調査等によると、(1)正規定員46人の他に22人を私的契約児として預かっていた、(2)正規定員分の給食を全園児68人で分けていた、(3)保育士数を水増しして報告、激務を強いられていた、と言う問題が指摘・確認されています。

報道によると2016年1月に聞き取り調査を行ったが園は事実関係を否定、しかし関係者(恐らくは施設職員)から更なる情報提供を受けて2017年2月に抜き打ちの特別監査を行って数々の不正が発覚したそうです。

わんずまざー保育園とは

神戸新聞によると同保育園は2003年11月に認可外保育施設として開所、2015年4月に認定こども園へ移行したそうです。

同保育園は姫路市中心部からほど近い便利な場所にあります。姫路駅から道なりで約2km、臨海部の工業地帯にも近く、中心市街地や工場等で働く保護者の利用が多かったと推測されます。送迎用の駐車場も整備されています。

姫路市が公開している施設情報を見る限り、やや小ぶりな認定こども園と感じました。こども園は幼稚園機能と保育所機能を有する為に、総定員はやや大きい施設が少なくありません。

しかし、同こども園の定員は46人と少なめに設定されていました。1号認定定員は2名のみなので、実質的には保育所として利用・運営されていたのでしょう。

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とは言え、46人は中途半端な人数という印象です。同年齢の園児数は多くないので人間関係の広がりに制限があります。また、施設運営に関する固定費が高い割合に留まってしまうでしょう。正規定員のみでの経営は余裕がなかったかもしれません。

一方、上で記したとおり、こども園がある場所の利便性は抜群です。その為、「定員外での入所」という誘いに乗った保護者が少なくなかったのかもしれません。

多数の私的契約児

最も重大な指摘事項は私的契約児の存在です。保育所等へ入所するには、自治体に入所申込を行う手続が必要です。しかし、これを迂回し、保護者と施設が保育契約を直接結んでしまうケースがあります。これを「私的契約」、対象となる児童を「私的契約児」と呼ぶそうです。

私的契約そのものは明確に否定されているわけではありません。旧厚生省通知では、その存在を正面から認めています(現在も効力を有するかは不明ですが)。

私的契約児の入所について
私的契約児については、定員に空きがある場合に、既に入所している児童の保育に支障を生じない範囲で入所させることは差し支えないものであること。
厚生省児童家庭局保育課長通知「保育所への入所の円滑化について」

一部の自治体では「保育所への私的契約による入所取扱要綱」を制定しています。

ときがわ町保育所への私的契約による入所取扱要綱
平成20年8月29日告示第87号

(趣旨)
第1条 この告示は、ときがわ町保育所条例(平成18年ときがわ町条例第91号)に基づき設置するときがわ町保育所(以下「保育所」という。)に、保育に欠けない児童を私的契約により入所させるにあたり必要な事項を定めるものである。
(入所の条件)
第2条 町長は、保育所の措置児童が認可定員に満たない場合に限り、認可定員の範囲内において、保育に欠けない児童の入所を認めるものとする。

(以下省略)
https://www.town.tokigawa.lg.jp/div/102010/htm/reiki/reiki_honbun/r292RG00000597.html

しかし、同通知では「既に入所している児童の保育に支障を生じない範囲で」、同取扱要綱では「認可定員に満たない場合に限り」とされています。

しかし、わんずまざー保育園は定員の半数に相当する多数の児童を私的契約で受け入れていました。

保育所等の正規定員は施設・保育士数等から上限基準が定められます。狭い保育室等では、多くの児童を受け入れられない仕組みとなっています。

数名程度の児童であれば基準内かもしれませんが、20名以上の私的契約児がいても基準内とは信じがたいです。保育室等にそれだけの余裕があれば、当初からより多い定員数を設定しているでしょう。

同園は、私的契約児の保育料は2万-4万円としていたそうです。単純に1人あたり3万円とすると、毎月60万円以上の追加売上があったのでしょう。

姫路市等に黙ってこっそり受け入れているわけですから、正規の帳簿に計上できる売上ではありません。いわゆる簿外売上です。今後、簿外部分に対して法人税・所得税等が課税される可能性があります。

分け合ったおかずはスプーン1杯

仮に話がここで終わるのであれば、「困っている家庭にこっそり手をさしのべた」と美談化できるかもしれません(私は賛同できませんが)。

しかし、同園では子供の成長に必要不可欠な食事を正規定員分しか準備せず、それを多数の児童で分け合っていたという点です。

市などによると、施設の面積などから算定された同園の定員は46人。だが、園内には0~5歳の約70人がひしめいていた。

特別監査があった日、同園が外部発注した給食は42人分。おかずを取り分けたが、0、1歳児にはスプーン1杯分しか行き渡らなかったという。

給食の不足は常態化し、土曜日に限っては10食のみに固定し、これを園児40人前後に分配。おやつは午後1回だけで、4、5歳児は「ビスケット3枚」もしくは「かっぱえびせん6本」に制限した。

余った給食は冷凍保存し、足りない日に解凍して提供。1カ月以上過ぎても使うケースがあったという。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010013113.shtml

特につらかったのが食事だったという。魚のフライを切り分け、尾っぽしかもらえない子がいた。バナナ5本を輪切りにし、20人の園児で分けたこともある。「発育に大事な時期。ずっと疑問だったが、指摘できる雰囲気ではなかった」と打ち明けた。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010013111.shtml

同園の給食は自園で調理せず、外部から搬入していたそうです。私的契約児の食事も依頼すると、外部業者から不審がられるでしょう。発覚を避ける為に正規定員分の食事しか発注していなかったと推測されます。

上記画像はとある日の食事だそうです。固形物ばかりなので、恐らく3-5歳児向けの食事だと推測されます。量・種類、ともにどう考えても足りません。必要量の半分にも満たない様に感じます。正規定員に見合う食事数すら発注していなかった可能性が感じられます。

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(3/21追記)
報道によると、同こども園で働く保育士が毎日の食事を写真に納め、姫路市等へ情報提供したそうです。良心の呵責に悩んでいたのでしょう。
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保育士数を水増し、激務を強いた

通常以上の児童の保育を行うと、保育士に強い負担が掛かります。しかし、同園は保育士を架空計上して補助金を不正受給すると共に、保育以外の業務も指示していたそうです。

また、給付金を水増し請求するため、架空の保育士3人を計上し、給与分は園長が個人的にプール。同じ敷地内で運営する学童保育の小学生らの送迎を保育士にさせたり、夜間のベビーシッターを兼務させたりしていたことも確認された。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010013113.shtml

別の保育士も重い口を開いた。「掃除や洗濯など保育以外の仕事も指示され、学童保育やベビーシッターに無給で駆り出される人も。常に人員不足だった」

保育士2人で園児約20人の面倒を見て、トイレの世話などをしている間、子どもが鍵を開けて道路に飛び出したこともあった。「いつか取り返しのつかないことが起きないか、常にプレッシャーだった」と語る。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010013111.shtml

多くの園児に対する保育が十分に行われず、それ以外の業務に担わされて疲労困憊になっている様子が窺えます。小幡育子園長は保育士をあたかも小間使いの様に扱っていたのでしょうか。

プールされた裏金の行方

こうした保育に対し、小幡育子園長は「認定を受ける前の)認可外保育所だった時代の感覚で運営していた。プールしたお金は遊具購入などで園児に還元するつもりだった。認定こども園としての自覚が足りなかった」ち弁解しているそうです。

認可外保育施設といえども、この様な少ない食事・不十分な保育士数による運営は許されません。認可外でも失格です。

保育士水増し・私的契約による簿外売上等による資金は、遊具購入等に充てる予定だった旨を園長は主張しています。しかし、この主張は俄に信じがたいです。様々な施設での前例を鑑みると、通常の保育に必要な支出も切り詰め、私的に流用していた可能性が非常に高いです。

簿外売上等の資金プール先の解明、残額の把握、流出先の調査が必要でしょう。

「また姫路市か」・・・自治体の責任は

これら問題により、兵庫県・姫路市はわんずまざー保育園の認定を取り消す方針だそうです。全国初の取り消しとなる見通しです。

一方、こうした認識を有する園長が運営する施設を認定こども園として認めた、自治体の判断には大きな問題があります。

待機児童解消を求めるニーズが強く、多くの自治体では数多くの保育施設を認可しています。しかし、だからといって認可基準を緩め、悪質な事業者が参入するのは容認できません。

実は姫路市には前例があります。理事長一族(後に解雇)による多額の私的流用が発生した社会福祉法人夢工房は、姫路市の補助金を不正受給していました。

社会福祉法人「夢工房」 私物化の軌跡(調査報告書より)

わんずまざー保育園の話を聞いたとき、真っ先に「また姫路市か」と思ってしまいました。姫路市の保育に対する判断基準に、何か問題があるかもしれません。

こども園の認定が取り消されても、同施設は認可外保育施設として運営する事が可能だそうです。しかし、こうした園長が運営する保育施設が継続して良い筈がありません。

たとえば保育士の信用を傷つけるような行為を行った場合、知事は保育士登録を取り消す事が出来ます(児童福祉法第18条の19第2項、同法第18条の21)。こうした規定等を利用すべきです。

「(園の運営は)認可外保育施設としては可能だ(姫路市監査指導課長等)」と言う甘い対応は許されません。