子育て世帯にとって、夏期の過ごし方に大きな影響を与えるかもしれません。

安倍総理大臣は、地域の催しなどに合わせて学校の夏休みなどの一部を別の時期に移す「キッズウィーク」を来年度から導入する考えを表明し、子どもと親が休暇をともに過ごせるよう、企業側にも有給休暇を取得しやすい環境整備を求める考えを示しました。

政府は、地域の催しなどに合わせて夏休みなど学校の長期休暇の一部を別の時期に移す「キッズウィーク」の導入に向け、総理大臣官邸で、安倍総理大臣や関係閣僚のほか経団連の榊原会長や連合の神津会長らが出席して総合推進会議の初会合を開きました。

この中で安倍総理大臣は「子どもたちが家族や仲間とともに休日を過ごし、地域の行事に参加することなどを通じて絆を深めることは、豊かな心や人間性を育むために重要だ」と述べ、来年度から「キッズウィーク」を導入する考えを表明しました。

そのうえで安倍総理大臣は「キッズウィークの定着には企業においても有給休暇の取得が促進される必要がある。キッズウィークは働き方改革と表裏一体のいわば『休み方改革』の推進だ」と述べ、企業側にも有給休暇を取得しやすい環境整備を求める考えを示しました。

政府は今後、学校の休業日について定めた政令の改正などを行うとともに、地域ごとに協議会を設定してキッズウィークの時期などついて検討を進めることにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170718/k10011063801000.html

キッズウィークの是非には賛否両論があるでしょう。本記事では賛否や効果は別として、大阪市等で導入される場合をシミュレートしてみます。

夏の関西はお祭りだらけ

夏休み期間中には数多くのお祭りが開催されます。伝統行事・花火大会から地域の盆踊り大会まで、その内容は様々です。主要な物をピックアップしてみました。

日程行事
7月14-17日祇園祭(宵宵宵山~巡行)
7月20日1学期終業式
7月中旬以降~8月下旬の土日各地域の盆踊り大会
7月24-25日天神祭
8月第1土曜日なにわ淀川花火大会
みなと神戸海上花火大会
8月13-15日頃盆休み
8月25日頃2学期始業式

大阪市特有の事情として、天神祭は無視できません。特に24-25日は多くの人出で盛り上がります。祭に参加する小学生も少なくないでしょう。

仮に夏休みを短縮するとしても、天神祭に重なる日や直前に授業を行う困難でしょう。また、7月後半には部活動の大会等が少なくありません。

よって、大阪市で夏休み開始を後ろ倒しにするのは極めて困難だと推測できます。

反対に盆明け以降は目立った行事はありません。一部の地域では盆踊り大会が設定されていますが、遅くとも盆翌週の週末までとなっています。

つまり、大阪市では「天神祭の前から盆明け翌週まで」の期間を夏休みにする必要がありそうです。であれば、2学期の開始を前倒し(=夏休みの後半を短縮)してキッズウィークを設定する方法が考えられます。

大阪市立の小中学校全ての冷房が完備された結果、既に夏休みは1週間ほど短縮されたそうです。今年の2学期は8月25日から始まると聞きました。2学期開始を更に前倒しする案が検討されているのではないでしょうか。

どれだけの家庭が旅行へ行けるのか

仮にキッズウィークが導入されると、小中学生の子供がいる家庭は大変だなと思います。

長い夏休みがあれば、土日に少しの休みを足して遠出する事もできそうです。しかし、キッズウィークの最初の土日に旅行を入れると準備期間が取れず、最後の土日だと疲れを引きずって登校せざるをえません。

土日を避けて平日のみで旅行へ出かけるのは更に大変です。平日に3-4日以上のまとまった休み(有給休暇)を申請・取得できるものでしょうか。仮に取得できても、根回し・気遣いに疲れてしまいそうです。

夏休み期間中の旅行代金は本当に高いです。我が家でも夏旅行を計画していますが、パッケージツアーの代金を見てビックリしました。

その点、キッズウィークが閑散期に設定されれば、旅行代金の負担感は随分軽くなりそうです。とは言え、キッズウィークに合わせて旅行できるほどの余裕がある家庭は決して多く無さそうですが。

キッズウィークの考え方・資料等は内閣府ウェブサイトに掲載されています。

大人と子供が向き合い休み方改革を進めるための「キッズウィーク」総合推進会議の開催について

なお、保育所にはキッズウィークは関係ありません。もともと夏期休業という考え方がありません。また、保育園児を連れて遠出するのは本当に疲れます。旅行という気分にはなかなかなれません。