【ニュース】めだか保育園(さいたま市)にて4歳女児がプールで溺死 の続報です。

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8月26日(土)にめだか保育園の黛(まゆずみ)園長が会見を行いました。「保育士の対応に問題があった」という認識を示しました。

プールで園児死亡事故 園長“保育士の対応に問題”との認識示す

24日、さいたま市の保育園のプールで4歳の女の子が死亡した事故を受けて保育園の園長が会見を開き、当時、子どもたちから目を離してプールの滑り台の片づけをしていたと見られる保育士の対応に問題があったという認識を示しました。

24日の午後、さいたま市緑区にある認可保育所、「めだか保育園」のプールで、園児の赤沼美空ちゃん(4歳)が浮かんでいるのが見つかり、その後、死亡しました。

この事故を受けて、保育園の黛秋代園長が26日午後、会見を開き、「あってはならない事故を起こし、本当に申し訳ありませんでした」と改めて謝罪しました。

今回の事故ではプールの監視にあたっていた保育士2人が、プールの滑り台を片づけるため、子どもたちから一時、目を離していたと見られていますが、これについて黛園長は、本来であれば園児全員をプールから出したあとに滑り台を片づけるなどすべきで、保育士の対応に問題があったという認識を示しました。

また事故当日は前の週に比べて気温が上がり、保育園では水遊びをより楽しんでもらおうと、いつもより水の量を増やして大人のひざ上ほどの深さにしていたということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170826/k10011113821000.html

会見によると、事故当日は普段より水かさを増したプールで園児を遊ばせたまま、監視役の保育士2名がプールの滑り台を片付けていたそうです。

水かさと片付け、双方が重なり合って事故を招いてしまったのかもしれません。

保護者がプールを解体?

地元紙の埼玉新聞には、より詳細な内容が掲載されています。

<保育園プール女児死亡>目を離した時間「1分」…滑り台片付け、監視怠る さいたまの保育園が会見

黛秋代園長(67)は事故の原因について「子どもから目を離したことに尽きる」と当時その場にいた保育士2人がプールに設置された滑り台を片付けている間に子どもたちの監視を怠ったとした。

 黛園長によると、24日はプールの最終日で、ブルーシートなどで作られた仮設式プールの一部を、保護者が来て解体する予定だった。滑り台は安全面を考えて毎回園児をプールから出した後に職員が外しているが、現場の保育士2人の判断で園児をプール内に残したまま滑り台を片付けた。

 園長は「解体が来るので時間を早めよう、少しでもやりやすいようにしておこうと少し焦りがあった。3人態勢でやるところを2人でやってしまった」と説明した。

 当時プールには3~5歳の園児20人がいて、目を離した時間は「30秒から1分ぐらい」という。その後保育士が気付いて振り返ると女児が浮いていた。記録は保育園に設置された防犯カメラの映像に残っていた。

 園長は「命を守る使命を持っていたのに、一番大事なプールから目を離さないことをせずに、重大な取り返しのつかないことになってしまった。本当に申し訳ない」と涙ながらに謝罪した。

 また、今夏は水不足の影響もあってプールの水を少なめにして遊んでいたが、先週は久しぶりに好天で暑い日が続いたため、園長らは「プールの水を多めに入れて遊ばせたい」と水量を増やした。深さは大人の膝の上ぐらいで、死亡した女児にとっては腹ぐらいだったという。県警によると、水深は70~95センチだった。

 さらに、子どもの発達状況を考えて普段は年齢の異なる子どもを同時にプールに入れないが、この時は3~5歳が一緒に遊んでいた。園長は「少しの時間だから『おいで』と言った。やめるように言っていたが、保育士2人の判断でやっていた」と話した。

 亡くなった女児については「明るい子で泳ぐのが好きだった。プールを毎日楽しみにしていた」とした。既往歴は特になく、昼寝で少し咳をしていたが平熱だったという。

 再発防止策については「まだ打ちひしがれている職員がいる。子どもの心のケアもある。保護者も心配している。どうすればいいか考えたい」と具体的に決まっていることはないとした。

 園は事故の影響で25、26日を休園とし、28日から再開する予定という。

http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/08/27/04_.html

NHKの記事では省略された部分に重要な箇所があります。プールの構造です。」

事故が発生したプールはブルーシート等で作られた仮説式でした。非常に簡易な構造です。


http://www.sankei.com/images/news/170825/afr1708250006-p2.jpg

実は今朝、我が家がお世話になっている保育所に設置されているプール(組立式)の構造を簡単に見てきました。

プールの底部分には、滑り止め用の細かい模様が刻まれていました。また、外縁部は徐々に浅くなっていました。仮説式プールとは全く違う構造です。

事故当日には保護者が来園し、プールの解体を行う予定だったそうです。驚きです。土木工事等を請け負っている保護者が、好意でプールを設置・解体しているのでしょうか。

手作り感が溢れる遊具等は否定しません。時には激しく遊びすぎて、ケガをする事もあるでしょう。子供の成長において、一定のケガは避けられないと感じます(無いに超した事はありませんが)。

しかし、重大な事故が生じる可能性が高いプールは別です。保育園が保護者に甘え、安全対策を疎かにしていなかったでしょうか。

園長が強調する「保育士2人の判断」

引っかかるのは園長の発言です。事故原因を監視役の保育士に転嫁した部分が少なくありません。

プール遊び中の滑り台の片付け・監視漏れ・水量増加・異年齢児のプール遊びを、「現場の保育士2人の判断」と強調しています。

実際の所は未だ分かりません。しかし、仮に保育士2人の判断だとしても、園長や主任保育士が気づいて適切に指導すれば事故は避けられたでしょう。

小規模な保育園なので、園長等の目がプールへ行き届かなかったとは考えにくいです。保育士同士のコミュニケーションが円滑に取れていたのでしょうか。

再発防止には市販の組立式プールを!

再発防止策は単純です。組立式のプールを購入し、使用する事です。

国内で圧倒的なシェアを有しているのは、ヤマハ発動機製のFRPプールです。


https://www.yamaha-motor.co.jp/pool/lineup/children/index.html

スリップレスパターンや手すりの大型化等、保育所や幼稚園で安全に利用できる為に様々な工夫が施されています。1セットあたり100万円以上(価格表)となっていますが、何十年に渡って使える製品です。

同園で設置されていた仮設式プールとは雲泥の差です。常置型プールで無くても、こうした安全性を有するプールを利用していれば、事故は避けられたのではないでしょうか。