今年7月にパブリックコメントが行われた「大阪市保育利用調整基準改正案」につき、寄せられた意見や改正後の基準表が公表されています。

「大阪市保育施設等の利用調整に関する事務取扱要綱」(保育利用調整基準)の一部改正等にかかる意見公募結果の公表について

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/kisoku_kohyo/kodomo/0000413268.html

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延べ75件の意見が集まったそうです。この中から、気になった意見と大阪市の考え方をご紹介していきます。

転所希望と0.5を掛けた点数

【転所希望】
きょうだいが同じ園を希望する場合、(注釈)の※5「やむを得ないと認められる場合を除き、事由1~11に基づき算出した利用申込児童の基本点数に0.5をかけた点数を適用する。」という規定は適用しないようにしてほしい。2歳児クラスまでの保育施設等が拡充され今後きょうだい同園へのニーズがさらに増加すると見込まれるにも関わらず、上述の規定はきょうだい同園に対して相当厳しいものになっているため。

【大阪市の考え】
保育施設等を利用している場合は、保育の必要性が高いとは言えないことから、継続利用が困難であると認められる場合を除き、0.5をかけた点数を基本点数としています。なお地域型保育事業から保育所又は認定こども園に転所する場合等は、0.5をかけないことになっています。またきょうだいが別々の保育施設等を利用しており、同じ保育施設等に転所申請をする場合には、やむを得ない転所申請として基本点数に0.5をかけない取扱いとしています。

保育所等へ入所したものの、様々な事情から転所を希望する方の点数についてです。

大阪市の利用調整において、保育所等を転所する場合には基本点数に0.5を掛けた点数が適用されます。「他の入所希望者が入所しても空きがあれば転所できます」という取扱いです。

しかし、全てのケースで0.5が掛けられる場合ではありません。「やむを得ないと認められる場合」は除かれます。代表的なのは地域型保育事業から保育所・認定こども園への転所(地域型保育事業も含むという話も)です。

きょうだいが在籍している保育所等への転所でも0.5は掛けられません。フルタイム共働きであれば200点+きょうだい加点7点=207点となり、転所しやすくなっています。

それ以外でも「継続利用が困難である」場合には0.5は掛けられません。転居したのが登園するのが困難となった・事故等が起きて子供が登園できなくなった場合が想定されます。

どの様なケースに0.5が掛けられるかは担当者の裁量部分も大きいでしょう。転所を検討される方は、区役所の保育担当者へしっかりご相談下さい。何度も相談した結果、望ましい方向に話が動いた事例もあります。

余談ですが、延べ75件の意見の内、「きょうだいが同じ園を利用できる様にして欲しい」という意見は28件もありました。違う園の利用を余儀なくされ、苦しんでいる保護者の悲鳴が聞こえてきそうです。

育児休業中の認可外加点

【保育の代替手段】
第1子が認可外保育施設を利用中に第2子以降の育児休業を取得した場合、育児休業の対象となる子が満1歳を迎えた年度末までは、育児休業中の認可外保育施設利用についても加点してほしい。

【大阪市の考え】
(中略)ご意見のケースでは、申込時点で就労しながら認可外保育施設を利用しているケースとは異なり、ご家庭での保育が不可能であるとは言い難いことや、保育施設等の利用が決まった場合は転所に伴う環境の変化が生じることから、認可保育施設等での育児休業中の利用と同一の状況とみなすことは難しいと考えられることから、加点の対象外としています。所申請として基本点数に0.5をかけない取扱いとしています。

認可外保育施設を利用している場合は5点(半年以上の利用は7点)が加点されます。保育所等が不足している地域では、5-7点の加点の有無は大きな違いとなります。

しかし、認可外保育施設利用者の全てが加点されるわけではありません。「利用申込時点で、申込事由を理由として、週3日以上、有償で利用している場合」に限られます。大阪市は「育児休業中は就労中とは違う、家庭保育も可能である」と判断しています。

こうしたケースの場合、5点が加点されるのは育児休業から復職する1カ月前(慣らし保育期間)からとなりそうです(7点加点は更に半年後)。

第1子が待機児童となっている場合、第2子を出産・育児休業を取得すると非常に厳しい局面に遭遇してしまいそうです。2人分の認可外保育料が重くのし掛かります。

復職後、加点を得た上でどちらかの子供が保育所等へ入所し、認可外加点+きょうだい加点で別の子も入所するのがベターな方法でしょう。1年間は大変です。

年度後半生まれの順位優遇

【10月2日以降に生まれた1歳児である場合の優先】
前年度4月1日以前より本市内に居住していた児童であって、という条件は、転入者にとって不利益が大きい。転居のタイミングはさまざまな事情が重なっており、転居時期を理由に保育に欠ける状況に差をつけることは不公平ではないか。撤廃を希望する。

【大阪市の考え】
この項目による優先は、本市では保育施設又は保育事業での児童の受入れを生後6か月以降としているために、10月以降生まれの場合に、4月から0歳児として申込むことができない又は著しく困難である場合があることを考慮し、アンバランスを改善することを目的としています。原則として本市の利用調整では市内に居住しているものを優先していますので、利用開始希望日の前年度4月2日以降に本市内に居住した児童については、生まれ月の違いによって保育利用が困難になったとは一概にいえないため、当該項目において優先する対象とはしないこととしています。

点数が同じ場合の取扱いです。利用調整基準(3)順位表には、下記の規定が設けられています。

5 利用開始希望日の前々年度10月2日以降に出生し、前年度4月1日以前より本市内に居住していた児童であって、利用開始希望日の前年度の年度途中(10月利用開始分まで)より利用申込を行っているものの保育施設又は保育事業の利用に関する内定を一度も受けていないもの。

分かりやすく言い換えると「平成30年4月1日からの入所を希望する場合、平成28年10月2日以降に出生し、平成29年4月1日以前より本市内に居住・・・・」となります。

大阪市の考え方にある通り、この規定は0歳児一斉入所を申し込めなかった年度後半生まれ児童の救済措置という観点が大きいです。前年度(平成29年)4月1日以前に大阪市内に居住していなかった児童が対象外となるのはやむを得ないでしょう。

とは言え、本規定は順位表の5番目に位置づけられています。殆どの場合は要件間の優先順位・保育所等の希望順位で決まると推測されます。

0歳児一斉入所ができない年度後半生まれは大変です。同様の意見もあります。

【意見】
年度前半生まれと年度後半生まれとの不均衡がありすぎる。

【大阪市の考え方】
本市では保育施設又は保育事業での児童の受入れを生後6か月以降としているために、10月以降生まれの場合に、4月から0歳児として申込むことができない又は著しく困難である場合があることを考慮し、順位表において不均衡が緩和されるよう一定の配慮を行っています。

そもそも論として、1歳児定員を増やす等、0歳児とのアンバランスを解消する必要があります。

これから新設される保育所や小規模保育は、0歳児定員を減らしてでも1-2歳児定員に重点を置くべきです。たとえば年度前半生まれは180点で0歳児入所できるのに、後半生まれは200点でも入所できないのは余りに理不尽です。

認可外の卒園加点

【認可外の卒園加点】認可外であっても卒園のため施設を継続利用できない(2歳児までしか受け入れがない)場合、別枠で加点を設けていただきたいです。

【大阪市の考え方】
認可外保育施設を利用している場合の加点は、利用にかかる費用負担等に配慮して設けていますが、これは認可保育施設等の不足等により、保護者の費用負担により認可外保育施設をやむを得ず利用されている場合もあることから、保育の必要性があって認可保育施設等への転所を希望することを前提としてもともと卒園の予定の有無にかかわらず加点しております。また認可外保育施設の利用条件については、基本的には当事者間の合意によって決められるものであり、応諾義務が定められている認可保育施設等とは異なり、様々な利用契約等の形態が考えられることからも一律に加点の対象とすることは困難と考えております。

一部の認可外保育施設(企業主導型保育を含む)では、保育を行う年齢に上限を設けている施設もあります。たとえば0歳児と5歳児を同時に保育するには難しく、年齢で区切るのは理不尽とは言い難いです。

大阪市は認可外卒園児加点に否定的です。卒園の有無に関係なく加点しているのが理由です。しかし、これは「(後半部分)様々な利用契約等の形態が考えられることからも一律に加点の対象とすることは困難」という部分と矛盾しています。

認可外保育をしている場合は、卒園年齢に達するまでに入所先を見つけるべきなのでしょう。5-7点の加点があれば、入所先を見つけるのが困難とは言い難いです(難しい場合は、居住エリア・働き方・保育の必要性が見合っていない恐れがあります)。

厳しいのは企業主導型保育の利用者です。加点は2点に留まります。待機児童問題が深刻なエリアでは、2点の加点があっても保育所へ入所しにくいのが実情です。卒園後は別の認可外保育施設(企業主導型保育)へ移らざるを得ないケースが頻出しそうです。

新しい利用調整基準表はこちら

平成30年度一斉入所から適用される利用調整基準表も公表されています。

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