平成30年度保育所等一斉入所申込状況分析、第1回は大阪市各区毎の比較を行います。市全体や各区毎のざっくりとした状況、具体的には前年からの変化などを見ていきます。

※10月27日に発表された数字に基づきます・保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

申込数は176人増、募集数は1999人増!

平成30年度一斉入所への申込数は前年より少し増え、15347人となりました。過去最高の人数ですが、H28→H29の増加数(925人)を大きく下回りました。大阪市全体としては、申込数は頭打ちかもしれません。

申込数が増えたのは0-1歳児です。2歳児以上はほぼ前年通りとなっています。絶対的な申込数が多い、0-3歳児の対策が必要とされるでしょう。

それと比べ、募集数は一気に増加しています。吉村市長が掲げる待機児童解消という方針通り、募集数は約2000人増えて15806人となりました。当然ながら過去最高です。

全体としては「昨年より入所しやすい」と言えそうです。子育て世帯にとってはありがたい話です。市役所・区役所の働きが伝わってきます。

入所倍率1位は中央区(1.35倍)、1-3歳児は非常に厳しい

次は区毎の数字を見ていきます。

募集数が急増した為、入所倍率が1.4倍を超えた区はありませんでした(H29一斉入所は1.69倍の阿倍野区が最高)。

入所倍率が最も高いのは、中央区の1.35倍です(H29は1.44倍)。同区での保育施設の拡充は、3小規模保育の新設・1保育所の増築に留まっています。その為、区全体の募集数は昨年より8人減少して395人となっています。

年齢別に見ると、1-3歳児の入所が非常に難しくなっています。入所倍率は1歳児が1.90倍・2歳児が2.57倍・3歳児が2.83倍です。いずれも市内トップの数字です。非常に厳しい状況です。

実は5歳児を除く申込数は減少に転じています。保育需要のピークが過ぎたのかもしれません。

2位は天王寺区(1.31倍)、1-3歳児が非常に厳しい

2位は天王寺区の1.31倍です。H29の1.58倍から大きく低下しました。2保育所の新設が効いています。

しかし、依然として1-3歳児の入所が厳しい状況です。入所倍率は1歳児が1.84倍・2歳児が2.55倍・3歳児が1.81倍です。いずれも市内2位の数字です。中央区と並び、非常に厳しい状況です。

中央区と同じく、天王寺区の申込数も概ね減少に転じています。とは言え、保育施設が著しく不足している状況に変わりはありません。

3位は淀川区(1.22倍)、状況は昨年と変わらず

意外な事に3位は淀川区(1.22倍)です。過去、淀川区が上位に位置した記憶はありません。何が起きたのでしょうか。

同区の申込数・募集数は昨年から大きな変化はありません。年齢毎の数字も同様です(3歳児の募集数減を除く)。

来年4月には4箇所の小規模保育が開所する予定です。それ以外の施設は今年中や来年5月以降の開所が予定されています。

募集数が大幅に増加した他区と比べ、淀川区は昨年と状況が大きく変わらず、相対的に順位が上昇したと言えそうです。

4位は西区(1.12倍)、申込数増・募集数急増

状況が大きく変わったのは西区です。入所倍率は昨年の1.63倍から1.12倍へと急減しました。0.51倍という減少幅は市内2位です(1位は阿倍野区、後述)。

西区の申込数は、昨年の729人から150人も増えて879人に達しました。同区の保育需要はまだまだ拡大しています。

一方、募集数は447人から334人も増え、782人となりました。一気に75%も増加しました。極端な増加です。

同区では今年後半から来年4月に掛けて、6保育所・3地域型保育事業が開所する予定です(詳細はこちら)。一度に9施設も増える事から、募集数が急増しています。

その効果が覿面に生じそうなのは2-3歳児です。2歳児の入所倍率は3.12倍から1.28倍へ、3歳児は3.78倍から1.03倍へと急減しています。

地域毎のバラツキを無視すれば、殆どの2-3歳児は入所できるでしょう。来春に限っては「3歳の壁」は解消されそうです。

反面、依然として厳しいのは1歳児です。募集数が131人から201人へと増加しましたが、申込数は272人から343人へと増加しています。入所倍率は1.71倍と高止まりしています。

阿倍野区は入所倍率が1.69倍→1.06倍へ急減

それ以外で目立ったのは阿倍野区です。入所倍率が1.69倍から1.06倍へと劇的に低下しています。この落ち幅は市内最大です。

申込数は616人から640人へとやや増加しています。しかし、募集数は364人から605人へと急増しています。

ここ数年ほど、保育施設の新増設が進んでいなかった阿倍野区でしたが、ここに来て急拡大しています。同区では保育所・地域型保育の新設に加え、幼稚園から認定こども園へと移行する施設も少なくありません(詳細はこちら)。

特に影響が大きいのは2-3歳児です。いずれも入所倍率が2倍から1倍強まで低下しました。大半の申込者は入所できる見通しです。

反面、未だ厳しいのは1歳児です。募集数182人に対して、申込数は276人です。昨年の0歳児申込数が非常に多かった流れを引き継いでいるのでしょう。

今後の予定&お願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容はH30申込分析、昨年の内容はH29分析からご覧下さい。

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