事故防止へ向け、一歩前進です。

大阪市は、保育施設での事故を防ぐための取り組みの1つとして、新年度から、認可外も含めた保育施設を対象に抜き打ちで立ち入り調査を行うことになりました。
大阪・淀川区の認可外の保育施設では、おととし4月、1歳の男の子が昼寝中に体調が急変し死亡しました。
これについて、大阪市の第三者委員会は「施設の睡眠時の観察が十分ではなかった」と結論づけ再発防止策を提言していました。
これを受けて、大阪市は、事故を防ぐための取り組みの1つとして、新年度から、認可外も含めた市内の保育施設およそ850か所を対象に抜き打ちで立ち入り調査を行うことになりました。
抜き打ち調査は、昼寝や食事など重大な事故が起きやすい時間帯に行われます。
そして、保育施設の所長を務めた経験のある人などが指導員として、保育の状況を確認し、必要に応じて改善に向けた指導を行うということです。
大阪市は、「子どもの安全を確保するためのルールが守られているかどうかをしっかりと確認したい」としています。

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180305/5693041.html

一昨年4月に発生した死亡事故は「たんぽぽの国」で発生したものです。

涙無しには読めない「たんぽぽの国保育事故調査報告書」

保育施設で乳児が死亡する事故の多くは、午睡中に発生しています。呼吸が止まったのに保育士が気づかず、気づいたときは手遅れ・・・・というパターンです。

上記記事では触れられていませんが、事故が発生しやすいもう一つの要因を調査報告書が指摘しています。「保育初日」です。

最近の調査では、保育現場や自宅で発生する乳幼児の突然死は、保育が始まった当日とか、あるいは予防接種を受けた当日あるいは翌日とか、何か環境の変化とかストレスが生じた直後に、急変し亡くなるというケースが多いとされる。今回、初めて預けられたその当日に事態が起こっているため、イベントとしては全体的には稀な出来事だが、非常に起こりやすい時期にあったことは間違いない。
https://yodokikaku.net/?p=17821

全850か所へ保育初日に監査を行うのは物理的に困難でしょう。しかし、新年度が始まったら可及的速やかに全施設を巡回し、特に4月から入所した乳児への保育体制を監査・指導してもらいたいです。

なお、大阪市は巡回指導を行う非常勤職員を募集しています。

大阪市こども青少年局 大阪市事故防止巡回支援指導員(非常勤嘱託職員)の募集について

死亡等の重大事故の発生を防止するため市域の民間保育所・認定こども園・地域型保育事業所・認可外保育施設(公益財団法人児童育成協会が、抜き打ちで午睡チェックを行う企業主導型保育事業施設は除く。)を対象に、巡回による指導等を行います。
・上記対象施設への重大事故が発生しやすい場面(睡眠中、食事中、水遊び中等)に、事前通告なしの訪問。 
・「事故防止及び事故発生時対応マニュアル作成の手引き」により作成した「チェックリスト」による保育状況の確認、指摘及び助言・指導。
・指導監査部門等との連携・連絡調整。

応募資格
保育士資格・10年以上の認可保育所の勤務経験・施設長または主任保育士等の指導的経験・欠格条項に該当しない

採用予定人数
2名

勤務時間
午前9時~午後5時15分までを基本とし、週4日の勤務日

給与
月額180,000円(予定)

http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000427812.html より抜粋

非常勤職員だけで巡回指導を行うのではなく、市職員とコンビを組んで指導等を行うのでしょう。保育士の採用を減らし続けている大阪市役所では、内部だけで人材を捻出するのは困難かもしれません。

応募資格から鑑みると、保育所長OB等の募集を想定していると考えられます。

体力的負担を考慮すると、週4日・月額18万円なら決して悪くない給与です。より高額の給与を求める方は、新設園の園長職に応募するでしょう。

興味がある方は、是非応募して下さい。