今春の一斉入所で第10希望まで記入しながら、入所保留となってしまった方からの意見が「市民の声」に掲載されています。

熱い長い意見なので、少しずつご紹介します。

認可保育所入園の選考基準について

 認可保育所に全員が入園できるようにしてほしいです。そもそも入所できなければ無償化も意味がありません。難しい場合は、認可保育所に入りづらい家庭を対象とした制度を充実してほしいです。
 我が家は先日1歳児の4月一斉入所に落ちました。区内で募集人数が一番多い保育園を第1希望とし、その他第10希望まで見学の上記入しましたが、全て落ちました。

http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000429857.html

「入所できなければ無償化も意味がない」というのは正論です。大阪市はほぼ児童が入所している4-5歳を対象とした「教育費相当額の無償化」を実施しています。

一方、守口市は全年齢を対象とした「保育料無償化」を実施しています。同市は保育所等へ入所できない児童が急増し、入所できた児童との経済的格差が生じている様子です。

他の年齢と比べ、1歳児は入所するのが難しい年齢です。募集人数が最も多い保育所を第1希望とし、それ以外でも多くの保育所等を記入されたのは適切な方法でしょう。

しかし一部の区では1歳児入所希望者が募集数を大きく上回っています。点数によっては第10希望でも決まらないケースが生じ得ます。

投稿者はフルタイム正社員で働いているそうです。夫婦共にフルタイムであれば、合わせて200点となります。200点・1歳児・第10希望でも保留となってしまうのは、限られた区です。

 区役所に問い合わせたところ、同点数、第一希望で競合い世帯収入順で落選したとのことでした。

第1希望の保育所は世帯収入の差で入所できなかったそうです。僅かな違いで入所できなかったのでしょう。大阪市の利用調整基準は、同点の場合は希望順位・入所を希望する事由・養育している子供の数等で、最後は合計所得金額(=世帯収入)で利用調整を行っています。

一般的な状況では、第1希望が同点で入所できなかった場合は第2希望以下の保育所等へ内定すると推測されます。第10希望でも決まらなかったと言う事は、極めて厳しい地域・区だったのではないでしょうか。

世帯収入が多い家庭は認可外に入れば良いと思われるかもしれませんが、こどもはアレルギー持ちで、認可外はアレルギー対応していないところも多く、お弁当を持参して下さいと言われました。フルタイム正社員で働く中、お弁当を作るのは非常に負担が大きいです。また、認可外はお盆休みがあるところばかりですが、夫婦揃って勤務先はお盆休みがなく、両親も遠方のため、頼める先がありません。この様に、点数化されない項目で認可外が厳しい状況です。

お世話になっている保育所では、調理室や教室に児童毎の除去食や内容を記した紙が貼られています。調理担当の職員や保育士が気を遣っているのだと痛感します。

投稿者が入所した認可外保育施設は、こうした対応を行っていないそうです。しかし、認可外保育施設指導監督基準は「アレルギー疾患等に配慮した食事内容」を求めています。

(2) 食事内容等の状況
 ア 児童の年齢や発達、健康状態(アレルギー疾患等を含む。)等に配慮した食事内容とすること。

弁当を毎日持参するのは非常に負担が大きいです。また、夏季は食中毒が発生するリスクが高まります。大阪市へ相談し、施設へ適切な対応を求めるべきでは無いでしょうか。

負担の大きな認可外に入所しても、いつ認可に入れるのか予測もつきません。なぜなら、点数が上がっても世帯収入は変わらないからです。

認可外保育施設へ入所すると、5-7点の加点が得られます。フルタイム200点と合わせると、205-207点となります。転居等で年度途中に1歳児の募集が行われれば、入所できる可能性はあります。

より可能性が高いのは、年度途中に新設保育所が開所する場合です。平成30年度は天王寺区を中心に数多くの保育所等が年度途中に開所する予定です(詳細はこちら)。

205-207点であれば、1歳児の待機児童が非常に多い区でも内定する可能性が高いでしょう。

 他の自治体では、小規模保育園は全て卒園児の連携先が決まっていたり、認可保育園の合否実績として最低点と保育料区分(=市町村民税の納付額=世帯収入)が公表されています。このようにボーダーラインが公示されていれば、我が家は入園が厳しいと事前に判断でき、区役所に重々に相談の上、数ヶ月だけ認可外の入所も検討できましたが、倍率しか分からない中間発表では、何も判断できませんでした。例えばですが、そんな高校入試がありますか?せめてそのような制度を学んで頂きたいです。

大阪市では小規模保育施設の卒園児が優先して入所できる連携施設は決して多くありません。全卒園児の入所枠が設定されているのは148園中55園、一部が24園、合わせて79園に過ぎません。

また、保育所等へ入所した児童の最低点数も公表されていません。当ウェブサイトでは過去の入所倍率や発表直後に頂いたコメントを集約した表から、施設・年齢毎の推定入所最低点を独自に掲載されています。

しかし、正確な数字は大阪市が保有しています。本来は大阪市が公表すべき内容です。出来ないのは、何らかの事情があるのでしょうか。

 我が家のように認可に落ちた家庭で世帯収入の高い方々は周りに多数います。世帯収入の高さは妻の収入の高さでもあり、収入の高い女性は新卒で入社し勤務先の管理職になり、定年まで勤続する意欲が強いと思います。私も含めてそんな方々を蔑ろにする制度は、現状に適していません。

世帯収入の高さは妻の収入の高さのみではありません。夫の収入が極めて高い世帯もあります。

保育所はあくまで「福祉施設」です。世帯収入が十分に高いのであれば、公費を投入せずとも手厚い保育を行っている認可外保育施設を利用出来るでしょう。

投稿者の主たる主張は末尾にあります。

 ぜひ認可保育所に全員が入れるよう、現状に即した制度を検討、実施して頂きたいです。

希望する児童が保育所等へ入所できる制度は、保育を必要とする多くの子育て世帯が共通して願っているでしょう。

ここ数年、大阪市内の保育施設は急増しています。徐々に入所しやすくなってきましたが、まだ全て・大半の希望者が入所できる状況には到っていません。

理想と現実の距離は未だ遠いままです。

※投稿者の方は「認可外保育施設でのアレルギー対応」について大阪市へ相談すると共に、当ウェブサイト等にて「年度途中・平成31年度の新設保育所情報」を収集下さい。