平成31年度保育所等一斉入所申込状況分析、第1回は大阪市各区の数字をざっと見ていきます。市全体や各区毎のざっくりとした状況、具体的には入所しづらい区・年齢や前年からの変化を見ていきます。

※10月末に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

大阪市全体の申込数・募集数はほぼ昨年通り、1歳児がやや増加

平成30年度一斉入所への申込数は前年より45人増え、15,392人となりました。過去最高の人数ですが、伸びは殆どありません。来年は減少に転ずるかもしれません。

申込数が大きく増えたのは1歳児です。それ以外は横ばい、もしくは減少しています。

全体としては「昨年とほぼ同じ」と言えそうです。その分、地域や年齢毎の違いがハッキリと現れそうです。順番に見ていきます。

北区の2-3歳児は唯一の2倍超、都島区は安定気味

北区は昨年より大幅に入所しづらくなっています。新設保育所等が少ないのが原因です。

特にに2歳児(入所倍率1.35→2.33倍)、3歳児(1.05倍→2.34倍)は危機的な数字です。区・年齢で入所倍率が2倍を超えたのは、北区の2-3歳児のみです。市内で最も入所しにくい地域・年齢です。

都島区は1歳児が1.13倍→1.30倍とやや厳しくなっています。新設保育所がない為でしょうか。それ以外は安定しています。

数字が大きく動いた福島区

福島区は大きく数字が動いています。新設保育所等によって募集数が135人増えたのですが、申込数は72人増に留まりました。

気になるのは1-2歳児です。1歳児の入所倍率は1.51→1.41倍と下がったのですが、依然として市内屈指の高さです。1歳児で入所できるのは3人中2人のみの見通しです。

また、2歳児の入所倍率が0.98→1.19倍と上昇しています。大規模マンションの入居開始等により、転居して申し込む方が少なくないと感じています。また、地域型保育事業からの転所希望者も大勢います。

此花区・中央区は3歳の壁、少しホッとした西区(依然として高倍率)

此花区は3歳児の入所倍率が0.63→1.51倍と跳ね上がっています。小規模保育の卒園児は要注意です。

中央区は1-3歳児が大幅に入所しやすくなっています。新設保育所によるものでしょう。とは言え、入所倍率が1倍を大きく超えています。特に3歳児は1.61倍と高く、「3歳の壁」が高くそびえています。

心配だった西区は、杞憂に終わりそうです。1歳児は1.71→1.4倍と低下しました。1歳児だけで100人近い入所保留児童が生じてしまう見通しです。2歳児も少し厳しくなっています。

1・3歳児が深刻な港区、大正区1歳児は北部が大変か

港区は1歳児・3歳児が深刻です。1歳児は1.53倍、3歳児は1.29倍です。申込数が高止まりしているにも関わらず、港区では保育所が新設されていません。弁天町を中心とした地域に必要です。

大正区も1歳児が心配ですね。1.33倍です。ここは区北部ほど厳しくなります。

天王寺区は大幅易化(依然として高倍率)、浪速区1歳児は1倍割れ

天王寺区は昨年より大幅に入所しやすくなりました。

0歳児は0.97→0.73倍、1歳児は1.84→1.39倍、2歳児は2.55→1.77倍、3歳児は1.81→1.42倍です。多くの保育所を新設した効果がハッキリ現れています。

とは言え、1-3歳児の入所倍率は依然として高いままです。また、地域柄か、天王寺区の入所希望者は高得点者が目立ちます。入所するには一定以上の点数が必要です。

浪速区は1歳児入所倍率が1.11→0.95倍と低下しました。1歳児で1倍を割るのは珍しいです。申込数が激減していますね。昨年の0歳児募集数が多かったので、0歳児で入所した方が多いのかもしれません。

淀川3区は申込急増で大激戦

西淀川区は急激に入所しにくくなっています。1歳児が1.22→1.59倍、2歳児が1.08→1.39倍、3歳児が0.95→1.28倍、4歳児が0.4→0.65倍です。

昨年の様に保育所が新設されず、反対に申込数が増加しています。今年は激戦です。

待機児童対策会議で区長が謝罪した淀川区も大変です。

1歳児は1.5→1.71倍です。北区と並んで1歳児が最も入所しづらい地域です。申込数が急増していますね。保育所毎の数字をざっと見た限り、新高地域を中心とする保育所が高倍率だと感じました。

その他、0歳児が0.99→1.04倍、2歳児が1.50→1.48倍です。0歳児・2歳児も注意が必要です。

東淀川区は1歳児が1.4→1.36倍、そして2歳児が1.47→1.62倍です。申込数が昨年より大幅に増加しています。

東成区3歳児・生野区1歳児・旭区1-2歳児は要注意、城東区は易化

東成区は3歳児問題です。0.74→1.58倍となってしまいました。募集数が半減したのが原因です。区内に拘らず、中央区・城東区等を検討する必要がありそうです。

また、1歳児が1.17→1.22倍、2歳児が0.99→1.2倍と高い数字です。こちらも注意が必要です。

生野区は1歳児が1.06→1.2倍となっています。入所保留とならないよう、希望保育所等は多めに記入した方が良さそうです。

旭区は1-2歳児が大変です。1歳児が1.24→1.43倍、そして2歳児が0.85→1.56倍です。急激に入所しづらくなりました。保育所が全く新設されず、募集数が急減したのが理由です。

城東区はやや入所しやすくなりました。特に2歳児が1.18→0.82倍、3歳児が0.92→0.68倍です。申込数が大きく減少しています。昨年に多数の保育所等が新設され、特に多くの0-2歳児が入所した為でしょう。

鶴見区は急激に難化、区全体で200人近くが入所保留か

鶴見区は要注意です。1歳児が1.28→1.52倍、2歳児が1.77→1.9倍、3歳児が1.35→1.72倍、4歳児が1.0→1.23倍です。市内屈指の高倍率です。

保育所が新設されないのに加え、保育士不足によって一部の保育所が募集園児数を抑制している為と聞きました。区全体で200人近い入所保留児童が生じそうです。

阿倍野区・住之江区・住吉区は1歳児に要注意

阿倍野区は昨年とほぼ同じです。1歳児が1.55倍と高止まりしています。

住之江区は1歳児の申込数が73人も増えています。倍率も1.14→1.51倍と急上昇しました。何かが起きたのでしょうか。

住吉区は1歳児入所倍率が1.48→1.65倍と高止まりしています。申込数が54人も増えた為です。住之江区と同じ傾向ですね。

東住吉区は2-3歳児、平野区は1歳児、西成区の入所倍率は市内最低

東住吉区は2-3歳児がやや厳しくなりました。2歳児が1.09→1.32倍、3歳児が0.63→1.01倍です。

平野区は1歳児が少し入所しづらくなりました。1.04→1.12倍です。申込数が微増、募集数が微減しています。同区は地下鉄駅に近い保育所ほど入所しにくい傾向があります。

西成区はほぼ昨年通りです。区全体の入所倍率0.61倍は、市内で最も低い数字です。

今後の予定&お願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容はH30申込分析、昨年の内容はH30申込分析からご覧下さい。

「○○区の情報を詳しく知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。多少のお時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

次回は北区を予定しています。

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