毎年のこの時期、所得税確定申告書(確定申告)の作成に追われている方も多いでしょう。
締切直前になってから不足している書類に気付いたり、経費計上すべき領収書を探し回った経験がある方も少なくないかと思います。

そんな確定申告ですが、実は保育所と密接な関係があります。
保育料の決定と直結しています。
というのも、保育料は「世帯(原則として夫婦2人)の所得税課税額(非課税の場合は住民税)」を基準として決められているからです。
サラリーマンの場合は勤務先が行う年末調整によって既に平成25年分の所得税額が確定しているでしょう。
一方、自営業等で自ら確定申告を行う場合や、年末調整を行ったけど重ねて確定申告を行う場合は、これから所得税額が確定します。

これから確定申告を行う場合、申告書の提出に先立って平成26年度分の保育料を大阪市認可保育所 保育料計算から推計する事が可能です。
所得金額が保育料を決定する階層区分(詳細はこちら)の境界付近にある場合、僅かな所得金額の違いによって保育料に大きな違いが生じる場合があります。
大阪市以外の自治体でも同様です。
世帯所得税額計算で算出された数字を、各自治体の保育料額表に当てはめて下さい。

ここで注意が必要なのは、多くの自治体(調べた限りで該当しない事例がなかったので、全自治体かもしれません)では保育料を算定する際、平成22年税制改正によって廃止された年少扶養控除(0~15歳)・16~18歳までの特定扶養控除の上乗せ部分を控除して計算している点です。
つまり、確定申告書や源泉徴収票に記載されている所得金額から算出される所得税額と、保育料を計算する上で基準となる所得金額・所得税額は異なります。
廃止前の扶養控除を加味する分、一般的に後者の方が低くなります。

下記は保育料に大きな違いが生じるケースです。

階層平成24年分の世帯所得税課税額3歳未満児3歳児4歳以上児
D7階層55,000円以上70,000円未満32,70026,90022,100
D8階層70,000円以上103,000円未満39,40031,00025,000

大阪市保育費用徴収金(保育料)額表より一部修正

世帯の所得税額が7万円前後の場合、どちらの階層に属するかで年間保育料が34,800円(4歳以上児)~80,400円(3歳未満児)も変わってしまいます。
無視できない金額です。

推計した結果、「あと少しで階層区分が変わる」と判明したらどうすれば良いでしょうか。
私でしたら、所得から控除できる保険料控除や年金等の支払証明書・事業経費に掛かる領収書等を頑張って探します。
なお、住宅借入金等特別控除等は保育料を計算する上では控除対象とならないので注意が必要です。
上記保育料額表に詳細が記載してあります。

※注意書き
本記事はあくまで適正な納税を推進しています。
また、記事中に掲載した各種計算シートの作成には細心の注意を払っていますが、何らかの損害が発生しても当方は責任を負わない旨をご了承下さい。
税務に関しては税務署・市役所・税理士等へご相談下さい。