平成31年度保育所等一斉入所申込状況分析、第4回は大阪市天王寺区です。施設毎に気になる点を駆け足で指摘しています。

※10月末に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、0.1倍以上減少した区は水色、入所倍率が2倍を超えた箇所は赤、保育士等優先利用申込がある箇所は緑で表示しています。

倍率急減!昨年より入所しやすく

天王寺区は入所倍率が急落し、昨年より大幅に入所しやすくなる見通しです。

0歳児は0.97→0.73倍、1歳児は1.84→1.39倍、2歳児は2.55→1.77倍、3歳児は1.81→1.42倍となりました。多くの保育所等を新設する効果がハッキリ現れています。

とは言え、他区と比べると1-3歳児の入所倍率は依然として高いままです。天王寺区の保育所等が余りに少なすぎました(現在も不足気味)。

共働き世帯・高所得世帯が多い為か、天王寺区の入所内定者は高得点者が目立ちます。保育士優先枠による申込者が2人のみ、というのも特徴的です。

うえしおキンダースクール・天王寺駅前おおぞら保育園・たにまちナーサリーが2倍超

特に厳しい保育所から見ていきます。天王寺区内には全体の第1希望倍率が2倍を超える保育所等が3施設もあります。

最も厳しいのは蓮美幼児学園うえしおキンダースクールです。全体での第1希望入所倍率は4.0倍です。

個別に見ると、0歳児は1.91倍、1歳児は6.17倍、2-5歳児は募集予定無しです。1歳児で入所するには、大きめの加点が必須でしょう。きょうだい加点・認可外7点加点があっても、入所できるとは言えません。

0歳児も厳しい状況です。ひょっとすると、加点が無いフルタイム共働き世帯は全く入所できないかもしれません。

次は天王寺駅前おおぞら保育園です。全体で2.86倍です。

ここも全年齢で厳しい状況です。0歳児が2.33倍、1歳児が3倍、2歳児が2.5倍、3歳児が4.5倍です。1-3歳児は加点が必須でしょう。1歳児はきょうだいでも入所できない恐れがあります。

蓮美幼児学園たにまちナーサリーも人気です。募集数が少ないこともあり、全体では2.3倍です。毎年、蓮美幼児学園が運営する保育所等には多くの第1希望者が集中します。

ただ、年齢毎の募集数は歪です。0歳児は9人募集に対して第1希望が3人、一方で1歳児は募集予定無しに対して9人が第1希望としています。

こうした募集構成の施設へは、0歳児一斉入所へ申し込めない年度後半生まれはほぼ入所できません。困る話です。

保育所は倍率が下がり、全般的に入所しやすくなっています!(驚き)

個別に見ていきます。

こでまり保育園は周辺他園よりやや入所しやすくなっています。とは言え、1歳児は1.4倍(保育士あり)です。フルタイム共働き未満の世帯は厳しいかもしれません。

すくすく保育園は、1歳児募集数がやや多いのが救いですが、倍率は1.2倍です。加点がなくても入所できる可能性があるでしょう。

四天王寺夕陽丘保育園は例年と同じく、非常に厳しいです。0歳児は0.93倍ですが、1歳児は3.0倍です。大きめの加点が無ければ厳しいでしょう。

2-3歳児は募集予定がありませんが、多くの児童が第1希望としています。退所者が発生して募集が行われる可能性を待つか、それとも他に変更するかは難しいところです。

松福幼児学園キッズコート天王寺はやや入所しやすい状況です。0-1歳児は共に第1希望者が募集数を下回っています。第2希望以下としている方が多いのでしょう。

天王寺保育所は3-5歳児の募集数が多いのが特徴的です(多くの公立保育園に共通)。全年齢を通じてやや入所しやすい状況です。こうした公立保育所は、天王寺区での子育て世帯のニーズとアンマッチな部分もあるかもしれません。

日の出さなだやま園は1歳児希望者が募集数の半分を割っています。第1希望者が昨年から半減しています。

味原保育所も1歳児希望者が激減しています。2年前から1/3となりました。天王寺区は新設民間園が非常に多く、公立園の魅力が相対的に低下しているのかもしれません。

天王寺和み保育園は1歳児が0.33倍ですが、2歳児が2.25倍となっています。天王寺区は2歳児募集数が少なく、こうした園に2歳児の希望が集中しやすい構造となっています。

上本町げんき学園は1歳児の第1希望者が激減しています。昨年の1歳児入所倍率5倍と高かった為でしょう。ここに第1希望を変更する児童がいそうですね。

ポピンズナーサリースクール天王寺は1-3歳児入所が厳しい状況です。1歳児が2.33倍、2歳児が2倍、3歳児が5倍です。何らかの加点が無ければ難しいでしょう。1歳児はきょうだいで埋まる可能性もあります。

真田山かいせい保育園は1歳児希望者が半減しました。真田山の周辺に新設園が多い為でしょうか。3歳児の第1希望者が4人もおり、天王寺区の「3歳の壁」を感じます。

聖和かいせい保育園は1歳児希望者がやや多めですね。とはいえ倍率1.67倍、加点がなくても入所できる可能性はあります。希望者がくじら保育園等に分散した為でしょう。

くじら保育園天王寺園は3歳児倍率が2倍と目を惹きます。0-1歳児はやや入所しやすくなっています。

ほっぺるらんど天王寺上本町は1-2歳児希望者が集中しています。1歳児が2.4倍、2歳児が3.5倍です。ここも加点が必要でしょう。

反面、0歳児の第1希望者は0人です。きょうだい加点がある0歳児がいないのでしょう。0歳児・200点で入所できる可能性が非常に高いです。

かのん保育園・あかつき保育園・TOTKIDS・蓮美幼児学園石ヶ辻プリメール・キッズパレス天王寺といった地域型保育事業を第1希望とする児童は、殆どいません。

第1希望は保育所、第2希望以下に地域型保育事業を記入する構図が明確化しています。やはり2歳児で卒園し、転所を余儀なくされるのは大きな負担となります。

例外的に第1希望者が多いのは、すてっぷ保育園です。1歳児の第1希望者が4人もいます。

新設保育所は大人気

今年5月以降、天王寺区には非常に多くの保育所等が開設・開設を予定しています。

あろんてぃあきっず真法院町保育園は開所間もない保育所です。立地が非常に良いこともあり、倍率が非常に高くなっています。

特に1歳児は3.33倍、3歳児は3倍です。何らかの加点は必須でしょう。2歳児は募集予定がありません。

大阪宰相山保育園は来春開所予定です。地盤部分の工事が進んでいます。土地が不整形地であり、園内活動が制約される恐れがあるのが気掛かりです。主に宰相山公園を利用して活動するのでしょう。

第1希望者はやや少なく感じました。1歳児ですら0.92倍です。

駅からやや遠い、南側は宰相山公園・真田山陸軍墓地で住人がいない、北の長堀通を超えると急傾斜地がある等、地理的要因で避けられたのではないかと感じました(詳しくは新設保育所紹介記事で記します)。

ゆめ玉造保育園は多くの児童が第1希望としています。玉造駅から徒歩3分と利便性が抜群です。0歳児は1.56倍、1歳児は2.0倍、2歳児は1.0倍、3歳児は0.87倍です。

0歳児の大半はフルタイム共働き世帯で埋まりそうです。1歳児はまず認可外加点がある児童が内定し、残った枠にフルタイム共働き世帯等が内定する形となりそうです。

真田山みのる保育園を第1希望とする児童はいません。第2希望以下とした児童が多そうです。

今後の予定&お願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容はH31申込分析、昨年の内容はH30申込分析からご覧下さい。

「○○区の情報を詳しく知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。多少のお時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

次回以降は淀川区・福島区・鶴見区・中央区・城東区・東淀川区・生野区を予定しています(リクエストしたのに漏れている区があれば、ご指摘下さい)。

同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。

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