資材不足等に工事が大幅に遅延し、開所予定が延期された保育所等が相次いでいます。

【H31新設保育所紹介】(番外)建築資材不足で2保育所が開所延期、今後も続出する恐れ、自然災害が原因

特に困るのが、開所が延期された保育所等を第1希望としている方々です。入所に併せて復職・就職する方、別の保育所等から転所する方など、全てのスケジューリングが狂ってしまいます。

「海老江ひばり保育園(福島区)の開園予定が平成31年6月に延期へ」という記事に対し、この様なコメントも頂きました。

昨晩区役所から延期のお知らせが来ました。仕方ないこととはいえ、2ヶ月は長すぎます…まだ入園が決まったわけではありませんが…かなりショックです。ママたちはみんな困惑しています。

2カ月は本当に長いです。開所延期に対し、入所申込者はどうすれば良いのでしょうか。検討します。

「開所予定が延期になった場合の取扱い」を申込書で確認する

真っ先に確認して頂きたいのが、区役所へ提出した「子どものための教育・保育給付 保育認定(変更)申請書兼保育施設・事業利用調整申込書」(申込書)です。

申込書の1ページ目に「※開設予定の希望保育施設・事業の開設が、利用開始希望日の翌日以降に延期となった場合、当該施設・事業の利用希望をどうされますか。①~③のいずれか1つを選んでください。」という欄があるでしょう。

下記の3つの選択肢のいずれかを選択する内容です。

1.利用調整の対象から外し、下位の希望施設・事業の順位を繰り上げる。

2.利用開始希望日から開設日まで1か月以内であれば希望順位はそのままにし、1か月を超える場合は、利用調整の対象から外して下位の希望施設・事業の順位を繰り上げる。

3.利用開始希望日から開設日まで1か月を超える場合でも希望順位はそのままにする。

原則として、今後の利用調整は選択した内容に従って進められます。

注意して頂きたいのは、「選択した内容で4月以降の育児が成り立つかの」という観点です。

例えば「3.希望順位はそのまま」とした場合、保育所等へ入所するのは5月以降となってしまう恐れがあります。4月から復職・就職するスケジュールが動かせないのであれば、4月以降の保育を行う方法を早急に考えなければなりません。

転所申請者は特に注意を

特に深刻なのは、「新設保育所へ4月から転所する旨を申し込んでいた」場合です。「保育空白期間」が生じる恐れがあります。

【重要】新設保育所等への転所申請は要注意!開所延期によって保育空白期間が生じる恐れ

新設保育所等への入所が内定した場合、原則として在籍している保育所等は3月末で退所する事となります。しかし、4月1日から入所するまでの保育は、各家庭が独自に行わなければなりません。

早急に区役所・事業者へ相談を

詳しい工事スケジュールは、それぞれの保育事業者や建築事業者が把握しています。区役所は各事業者からの報告を待っているのが実情です。

どれぐらい工事が遅れているか、本当に開所が延期されるのか、再延期される事態はないか等、不安は尽きないでしょう。どうしても確認したい事があれば、各事業者へ個別に訊くのが良いでしょう。

また、延期に伴う入所調整等については、区役所の保育担当へ相談すべきです。

特に10月に提出した申込書の記載内容では4月以降の生活に深刻な影響を及ぼすのであれば、早急にご相談下さい。確実に可能とまでは言えませんが、「開所予定が延期になった場合の取扱い」の記載内容を変更できるケースもあるでしょう(あくまで例外的な措置です)。

保護者からの要望が余りに強いのであれば、各事業者や区役所は何らかの対応せざるを得ません。

工事業者が資材を必死に手配する、運営事業者が別施設で保育を実施する、定員に余裕がある保育所等での短期間保育等を区役所が紹介する等、検討に値する手段はあります。

申込者に責任はない

最後に強調したいのは「申込者に何ら責任はない」という事です。

予定通りに開所できなかった責任は、工事業者・保育施設の運営事業者・区役所にあります。自然災害や「延期時の取扱選択項目」は言い訳になりません。

事態を把握していた一部事業者は、一斉入所の申込期間内(遅くとも変更期間内)に開所を延期する旨を公表していました。

区役所等が何も手立てを打たなければ、新設保育所等を第1希望にしている数多くの申込者が路頭に迷ってしまいます。4月開所を見込んで雇用していた保育事業者にも深刻な影響が生じます。

一方的な「延期のお知らせ」や「お詫び」で済ます話ではありません。