いじめアンケートを父親に渡した矢部雅彦学校教育部次長兼指導課長(写真左側)、東京新聞1/27より

下記記事の続報です。

【野田市10歳女児虐待死・追記あり】「父からいじめ」と書いたアンケート 野田市教委は父に渡す 指導課長は教育委員へ報告せず?

最悪の事態です。

被害女児がいじめ被害を記入して小学校へ提出したアンケート用紙のコピーを加害者たる父親に手渡していたのは、野田市教育委員会の矢部雅彦学校教育部次長・指導課長だった事が明らかになりました。

死亡小4女児の「父からいじめ」の訴え 市教委が父親に渡す

千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し、41歳の父親が傷害の疑いで逮捕された事件で、女の子が「父からいじめを受けている」と訴えた小学校のアンケートのコピーを市の教育委員会が父親からの要求を受けて渡していたことがわかりました。

今月24日千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さん(10)が自宅の浴室で死亡しているのが見つかった事件では、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が暴行を加えたとして傷害の疑いで逮捕されました。

野田市などによりますと、心愛さんはおととし11月に当時通っていた小学校で行われたアンケートで「父からいじめを受けている」と訴え、1か月余り児童相談所に一時保護されました。一時保護が解除されたあとの去年1月栗原容疑者が小学校を訪れ「娘に暴力は振るっていない」とか「人の子どもを一時保護といって勝手に連れて行くのはおかしい」などと抗議したうえで、アンケートの回答を見せるよう強く求めたということです。

学校側は「個人情報なので本人の同意もない中、父親でも見せることはできない」と拒否しましたが、その3日後に栗原容疑者が心愛さんの同意を取ったとする書類を持って市の教育委員会を訪れたため、教育委員会はアンケートのコピーを渡したということです。
コピーを渡すことについて、児童相談所には相談していなかったということです。

これについて野田市は「一時保護に対する父親の怒りを抑えるためやむなくコピーを渡してしまったが、著しく配慮を欠いた対応だった。亡くなった心愛さんに大変申し訳なく思っています」としています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190131/k10011797711000.html

女児死亡 父親にアンケート渡した野田市教委の担当者が謝罪

千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し、41歳の父親が傷害の疑いで逮捕された事件で、女の子が「父からいじめを受けている」と訴えた小学校のアンケートのコピーを、市の教育委員会が父親からの要求を受けて渡していた問題について、教育委員会の担当者は31日の会見で「配慮が足りないだけでは済まされない、取り返しのつかないことをしてしまった」と謝罪しました。

千葉県野田市は31日午後、鈴木有市長や教育委員会の担当者らが記者会見を開き、はじめに鈴木市長が今回の事件で小学4年生の栗原心愛さん(10)が亡くなったことについて「これから人生が始まる心愛さんの命を救えず、誠に申し訳ございません」と陳謝しました。

会見によりますと、心愛さんの一時保護が解除されたあとの去年1月12日、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が妻とともに小学校を訪れた際、「娘に暴力は振るっていない。一時保護といって子どもを引き離された者の気持ちがわかるか」などと抗議し、アンケートの回答を見せるよう強く迫ったということです。

その3日後に栗原容疑者が市の教育委員会を訪れた際にも、威圧的な態度で要求したということです。

アンケートを渡した教育委員会の矢部雅彦次長は「恐怖感を覚え精神的にも追い詰められて影響を深く考えられなかった。守れる命を守れなかったと考えると配慮が足りないだけでは済まされない、取り返しのつかないことをしてしまった」と謝罪しました。

矢部次長は上司の教育長をはじめ、児童相談所などにも相談していなかったということです。

野田市は今回のアンケートは渡してはならない情報で市の情報公開条例に違反するとして、関係者の処分を検討しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190131/k10011798391000.html

父親による恫喝は、指導課長をも追い詰めました。

冷静な時ならば「アンケート結果は絶対に渡せない、こうした恫喝を行う父親なら尚更だ」と判断できたでしょう。しかし、指導課長が恐怖感を覚えるほどの恫喝が行われ、アンケート結果を渡してしまいました。

交付に際して、矢部課長は上司たる教育長や児童相談所等にも相談してなかったそうです。

教育委員会定例会でも報告を怠る

それに加え、教育委員会会議定例会にて毎月の様に「いじめ」が取り上げられているにも関わらず、矢部課長は報告を怠っていました。

◎飯田委員
先月の定例会以降、教育委員会にいじめに関するような御相談があったら、その対応、進捗状況について教えてください。

◎矢部指導課長
新しいいじめの報告、相談についてはございません。以上でございます

「父からいじめ」と書いたアンケート 野田市教委は父に渡す 指導課長は教育委員へ報告せず?

矢部課長は野田市立岩名中学校長から四街道市を経て、野田市教育委員会へ異動しました。学校現場の実態、そして学校は児童生徒を守る場所だという認識は強く有していたでしょう。

恫喝行為は言い訳になりません。間接的な形であるものの、矢部課長の行為が心愛さんを死に追いやりました。

「お父さんにぼう力を受けています」「いやなことをこわいことばでいわれる」

心愛さんが学校へ提出し、父親が市教委から入手したアンケートにはどの様な内容が記載されていたのでしょうか。NHKが報じています。

千葉県野田市は、亡くなった心愛さんがおととし小学校で行われたいじめに関するアンケートに、どのように答えていたのかを明らかにしました。

アンケートは冒頭で「このアンケートは、みなさんが、いじめのないたのしいがっこうせいかつができるようにするためのものです。ひみつをまもりますので、しょうじきにこたえてください」などと協力を呼びかけています。

市によりますと、心愛さんは「あなたは、今いじめられていますか。」という質問に「はい」と答えていました。
そのうえでどのようないじめかをたずねる質問に対して、選択肢の中から「いやなことをくりかえしていわれたり、こわいことばでいわれたりする」、「おもいきりぶつかられたり、たたかれたり、けられたりする」などを選んでいました。

あなたは、いじめをだれからうけましたかという質問には、「かぞく」を選んでいたということです。

そして、悩みや相談したいことを自由に書くことができる欄には、「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたりたたかれたりされています。先生、どうにかできませんか。」と記されていたということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190131/k10011797711000.html

非常に具体的な記述でした。即座に学校は児童相談所と連携し、一時保護等の措置を講じました。

心愛さんへの虐待行為は、野田市教育委員会定例会(平成29年12月)でも報告されました。

◎伊藤委員
先ほどのいじめの資料と関連して16ページの小学校の部分ですけれども、いじめを受けた相手の中に、エの家族が38件と数字が出ていますけれども、例えばこれは児童虐待とか、DVとかに関連するような事案というのが市内にあって、児童相談所等の事案になっているケースなんていうのは、こういう中に出てくるのか出てこないのか分からないんですけれども、いかがなんでしょうか。

◎矢部指導課長
これまでの例で申し上げますと、家庭内で保護者から精神的、肉体的に苦痛を与えられているというケースがございました。これにつきましては、児童家庭課、児童相談所と連携をして対応しているところでございます。

「父からいじめ」と書いたアンケート 野田市教委は父に渡す 指導課長は教育委員へ報告せず?

いじめ行為を把握するという意味で、アンケートは有効に機能しました。

しかし、矢部課長が父親へコピーを手渡してしまい、以降、学校や市教委は虐待行為に全く気づく事ができませんでした。

虐待行為が収まったのではないでしょう。父親は学校等に露呈しない様に注意深く虐待し続けた可能性が濃厚です。

3学期になっても欠席し続けたのはその延長です。学校に冬休み中に行った虐待行為による跡を気づかれない為、休ませ続けたと考えられます。

大人達の不作為と無責任

アンケートを手渡していなければ、児童相談所が定期的に家庭訪問等を行っていたら、長期欠席中に学校が家庭訪問をしていたら、最悪の結末は回避できたでしょう。

救えた筈の命でした。しかし、救えませんでした。心愛さんが頼った大人達の不作為と無責任の為です。