被告人が経営する認可外保育施設で預かっていた1歳児に対し、大量の食塩を摂取させ死に至らしめた事件の続報です(※過去の記事一覧)。

民事裁判にて裁判所が提示した和解案を原告・被告が受け入れたにも関わらず、被告が和解協議に和解金を持参せず、和解が成立しませんでした。

1歳女児塩中毒事件・損害賠償訴訟 和解成立せず持ち越しに

2015年に盛岡の保育施設に預けられた当時1歳の女の子が塩化ナトリウム中毒で亡くなった事件に関連して、遺族が元経営者に損害賠償を求めている裁判で、7日、両者の間で和解が成立する見通しでしたが、成立せず持ち越しとなりました。

これは、2015年、盛岡の認可外保育施設に預けられていた下坂彩心ちゃん(当時1歳)が塩化ナトリウム中毒で死亡したものです。遺族は「元経営者による傷害致死である」として、元経営者に6270万円の損害賠償を求めています。

前回、裁判所は、元経営者が和解金の一部を事前に遺族に支払うことで和解するよう提案し、原告・被告ともにこれを受け入れていました。

しかし、支払い期日の7日に開かれた和解協議に出席した元経営者は和解金を持参せず、和解は成立しませんでした。

原告側の弁護士によりますと、元経営者は和解金について「今後の支払いのめどが立たない」と話したということです。

(原告側弁護士)
「とりあえず誠意を示してもらいたいと。(遺族は)いまだかつて誠実に謝ってもらったっていう風に思っていない。それだと判決で傷害致死だとはっきり認定してもらいたい」

和解協議は今月26日に再度行われますが、この日に和解が成立しなければ28日に裁判所が判決を言い渡します。この事件の刑事裁判では去年、盛岡地裁が元経営者に、業務上過失致死の罪で禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡し、刑が確定しています。

https://news.ibc.co.jp/item_35432.html

裁判所が提示した和解案は、原告が求めている損害賠償の一部を被告が一括して支払うものとしているでしょう。

しかし、被告たる吉田直子元園長は金銭を準備できませんでした。一定額の金銭を調達できる資力が不足していたのでしょう。

事実関係は刑事裁判で特定されています。厳しい判決が予想されます。