大阪市の小学校でもやってきます。「PTAの役員・委員決め」です。

これに先立ち、PTAには必ず入会しなければならないものでしょうか。多くの疑問や質問が、大阪市ウェブサイト「市民の声」に寄せられています。

 PTA入会義務を定めた法的根拠はありますか。あれば、何法の何条か教えてください。ないなら、なぜ入会義務が生じるのか教えてください。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000437705.htmlより引用

 PTAに関して、小学校からPTA会費納入調査という書面をもらいましたが、調査だけのはずが、これによって加入を認めたことになるということは許されるものでしょうか。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000464436.html

 任意加入である事を市の方から呼び掛けていただきたいです。時代の変化で共働きやシングルマザー等、仕事をしている人が増えているなか、強制的に役員をさせられる事に対し、もっと問題視して欲しいです。各学校PTAに対し、加入や退会は自由である事を強調し通知して欲しいと思います。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000437680.html

 子どもが大阪市の市立小学校に通っていますが、PTAの活動が3年ごとに1回、6年間で計2回必須というように聞いています。名前の順で担当の年が決まります。PTAは任意加入であり、役員は強制されるものではないと思います。共働きで残業、出張もある中、非常に負担が大きいです。同じ区内でも状況を考慮してもらえる学校もあると聞きました。

 他都市では任意加入であることの通知が教育委員会から出ているところもあるようですので、大阪市もそのようにしてもらえると助かります。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000458006.html

これらの質問に対する回答は一貫しています。

市の考え方

 お問い合わせをいただいております件につきましては、PTAへの入会について規定する法律はありません。PTA入会については、強制ではありませんが、上記に記載しておりますPTAの趣旨をみなさまが共有した上で活動に参加していただくことが大切であると考えております。

PTAへの入会や活動への参加につきましては、各単位PTAにおいて、PTA活動の進め方について十分話し合い、それぞれの趣旨をみなさまに十分に説明いただいたうえで、各PTAにおいて自主的・民主的な運営がなされるようお願いしているところです。

大阪市教委は明確に「PTAの入会について規定する法律は無い」「強制加入団体では無い」と指摘しています。

仮にPTAから加入を強制されたり既定事実化された場合、先に掲載した大阪市教委の回答を提示すれば先方は引き下がらざるをえないでしょう。

PTAへの疑問も多い

お世話になっている学校では3月に翌年度のPTA役員が内定し、4月~5月上旬にかけて各委員会の委員長や学級委員等が決まる流れとなっています。

これと並行する形で、2月~3月に掛けて各家庭に「PTA入会届」が配布されています。これを提出して入会する形式となっています。

聞くところによると、通っている小学校ではほぼ全ての世帯がPTAに加入しているそうです。

とは言え、PTAの活動に疑問を持っている方は少なくない様子です。聞いた話や体験した内容を幾つかご紹介します。

【行事】
・来賓受付や接待ばかりをさせられた
・学校行事の警備役となり、子供の出番を見れなかった
・地域や区の行事の手伝いを強制させられた

【会議】
・会議が中途半端な時間に設定されると、仕事を終日休まざるを得ない
・ペーパーを読み上げるだけの、中身が無い会議が多すぎる
・下の子供を連れて行ったら文句を言われた

【PTA会費】
・PTA関係のイベントに出席する保護者達のランチ代に使われている
・懇親会費や印刷代(PTA新聞)の支出が多すぎる
・PTA会費で購入した文房具を非会員の児童にも渡すか否かで揉めた

【役員】
・学級委員が決まるまで、教室で沈黙が20分ほど続いた(最後はくじ引きに)
・会長等の主要メンバーは地域で発言力がある人ばかり、地縁がない人間は肩身が狭い
・IT技術に弱いメンバーが殆ど
・エクセル計算シートに関数が入っていなかった(全て手打ち)
・歴代PTA会長、地域活動協議会、町内会の横やりが多すぎる

時代に即した活動を

様々な話を聞いて痛感したのは「PTA組織は昭和の価値観や行動様式をそのまま引きずっているのではないか」という事です。

昭和から平成初期に掛けては、専業主婦世帯が大半でした。家庭のマンパワーに余裕がある時代でした。

しかし、今は違います。専業主婦世帯は減少の一途を辿っています。特に大阪市は働いている母親が非常に多いのが実情です(これが学力低迷に影響している可能性も)。

マンパワーに余裕が無くなっているのであれば、従前通りの活動を維持するのは困難です。無理に継続しようとすると、その矛盾が役員決め等の場で吹き出すのでしょう。

一方、中には「PTAは不要では無いか」という主張をする方もいます。

しかし、学校・地域団体・自治体に対し、大半の保護者が入会しているPTAが一定の発言力を有しているのは事実です。

「○小PTA会長の発言」というだけで、あたかも○小の保護者全ての意見を大便しているかの様に聞こえてしまいます。また、多くのPTA会長は、充て職という形で様々な会議に出席しているでしょう(会議内容は知りませんが)。

1人1人の保護者の声は小さくても、PTAやPTA会長と言うフィルタを通す事により、大きな声にする事も出来るでしょう。

ただ、PTA組織のあり方や活動内容を時代に合わせるのは必要不可欠です。

存在意義や目的を再定義し、活動内容をマンパワーに合わせ、IT技術等で効率的な運営を行うべきでしょう。

真っ先に再検討すべきなのは各種行事での来賓対応や接待でしょう。

学校や地域行事への来賓を、どうしてPTA関係者が対応しなければならないのでしょうか。教職員等の人手が足りず、安易にPTAに任せている気がしてなりません。