H26保育所一斉入所結果分析、第7回目は大阪市会で質疑が行われた阿倍野区を取り上げます。
平成27年度一斉入所において、市内で保育所へ入所するのが最も困難な区となる可能性があります。
各保育所毎の新入所者数・入所者平均点・入所基準点を取り上げ、H25とH26を比較した上で分析検討を行ってみます。
(入所者平均点・入所基準点の計算方法はこちらに記載しています。)
なお、【H26保育所入所申込状況分析】(7)阿倍野区も参考にして下さい。

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【H26】大阪市子育て支援施設データ&マップ(非公式)より

名称H26入所者数H26入所者平均H26入所基準点H25入所者数H25入所者平均H25入所基準点
阿さひ保育園22197.817523189.0165
阿倍野保育園29199.719525198.3185
育徳園保育所38196.319529196.9195
三明保育所26198.619531189.0155
高松保育所20192.017524195.5185
阪南保育所33193.717534196.4195
長楽保育園18186.113518181.6125
ナルド夜間保育園6202.21958204.3195
望之門保育園17197.31653208.8205
マナ乳児保育園7199.819513201.7195
にしたなべ太陽保育園10193.51657189.8175
松の実保育園29198.919526197.4195
きたばたけ保育園30189.916523189.8175
せいあい保育園

天王寺・阿倍野の再開発や都心回帰の流れを受け、阿倍野区はファミリー層の流入が盛んです。
H26.4時点での就学前児童数5,252人と、前年から199人増加しています。
これを受けてか、保育所への新規入所申込数は454人(前年比+61人)と増加しています。

一方、保育所の整備は遅れています。
未就学児の保育所在籍率は25.9%と市内で3番目の低さです
入所保留数は156人、保留率は37%、入所倍率は1.59と、市内で最も保育所へ入所しにくい区の一つです。

こうした状況からか、入所基準点・入所者平均点が高い保育所が殆どを占めています。
入所者平均点は2園を除いて190点以上であり、半数の園の入所基準点は195点と著しく高くなっています。
特に区北部は入所基準点195点保育所が5園(阿倍野保育園・三明保育所・ナルド夜間保育園・マナ乳児保育園・松の実保育園)も集中しており、市内で最も厳しい地域の一つだと考えられます。
2連続で195点という保育所も少なくありません。
フルタイム共働き(200点)であっても第1希望の保育所へ入所できなかったケースが頻発したのではないでしょうか。

こうした状況にも関わらず、平成25年度・26年度において阿倍野区で新設される保育所はあい保育園昭和町のみです。
他の激戦区たる北・中央・西・天王寺・都島・福島区において保育所の新設・増設が相次いでいるのと比較し、取り組みの違いは否めません。

新設されるあい保育園昭和町は昭和町駅のすぐ近くに設置されます。
区中部から同駅を利用している方を中心に、区北部からも申込みが集まると推測されます。
であれば、平成27年度一斉入所では区中部の保育所はやや(ほんの少しですが)入所しやすくなりそうです。
一方、新設保育所の影響が限定的な区北部の保育所は、今後も入所しにくい状況が続くと考えられます。

各区の保育所新設・増設や人口流動等を考慮すると、平成27年度一斉入所において最も入所保留率・入所倍率が高くなり、市内で最も保育所へ入所するのが困難となるのは、ここ阿倍野区である可能性が高いと考えられます(もう一つの候補は天王寺区です)。
(詳しくは平成27年度一斉入所申込分析で検討する予定です。)

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(9/21追記)
【H26保育所一斉入所結果分析】(19)西成区を掲載しました。
阿倍野区と比較し、西成区は基準点が低い保育所が多くを占めています。
西成区東部は阿倍野区からのアクセスも良いです。
阿倍野区(特に北部)にお住まいで点数に自信のない方は、西成区東部の保育所もご検討下さい。