来年4月から始まる子ども・子育て支援新制度、数年後はともかく出だしは躓きそうな気配です。
実施半年前にも関わらず条例等で設定すべき詳細が殆ど決まっておらず、無理のあるスケジュール感です。

子育て支援新制度:8割が初年度に移行しない 内閣府調査
毎日新聞 2014年09月17日 21時03分

 国が来年4月にスタートする「子ども・子育て支援新制度」について、全国の私立幼稚園に、初年度から新制度に移行するかどうかなどを尋ねたところ、「移行予定」または「検討中」の園はわずか2割にとどまることが、内閣府が17日公表した調査結果でわかった。8割が「初年度には移行しない」と回答している。新制度では利用料に上限が設けられ、利用者負担が軽減される園が増えるとみられるが、新制度移行が進まなければ負担が変わらない園が大半となる可能性がある。

 調査は今年7月、全国の私立幼稚園6960園を対象に実施し、6805園(回答率97%)から回答を得た。

 私立幼稚園は、現状は利用料を自由に設定できるが、新制度に移れば、国の定める限度額内となる。しかし、新制度に移行するかは幼稚園の判断に任されている。

 「2015年度に新制度に移行する、または移行方向で検討中」との回答は22%だった。

 一方、「15年度に新制度に移行しない」と答えたのは77%で、このうち「16年度以降、新制度に移行するかどうか状況により判断する」が49%と最多。「新制度に移行予定はない」が15%、「16年度以降に新制度に移行する方向で検討中」が12%だった。

 初年度の移行希望が少ない背景には、調査時に、自治体ごとの利用料が未定であるなど、収入の試算が難しく制度についても不明な点が多かったことへの園側の不安があると見られる。内閣府担当者は「不確定事項が多く、15年度からの実施に踏み切れない園が多いと受け止めた。できる限り多くの園に移行してもらえる環境を整えたい」とした。

http://mainichi.jp/select/news/20140918k0000m040086000c.html

各種報道や政府・自治体発表を見る限り、幼稚園保育料が所得に応じた応能負担となるのは新制度に移行した幼稚園のみとなる様子です。
であれば、移行しない幼稚園については現行の幼稚園保育料が継続される可能性が高いでしょう。
また、大阪市の場合であれば、幼稚園保育料に係る自治体支出による補助の総額にも影響を与えます。

記事では園側の不安を挙げていますが、それ以上に不安なのは保護者や児童でしょう。
政府や自治体が情報発信に務めているのは理解できますが、制度そのものが複雑でなかなか理解できません。
対象となる世帯は毎日の子育てや就労に追われて時間が全く足りない日々を過ごしており、ゆっくりと理解する時間に乏しいのが実情です。

新制度によって子育て世帯が苦しむ事態に繋がらないのを祈るばかりです。