平成27年度保育所一斉入所申込状況分析、第11回もリクエストにお応えして中央区を取り上げます。

※10月28日に発表された数字に基づています。募集数等は今後の変更が想定されています。
※今年は認定こども園も同時に発表されており、分析対象に含めています。

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昨年(平成26年度)と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

【区全体】
入所倍率はH26の1.80倍(市内1位)からH27は1.58倍へと低下しています。
申込数が54人増えた一方、募集数が69人も増えた為です。

募集数が増加したのは、御堂筋本町ちどり保育園ブライト保育園大阪谷町が新設される為です。
2保育所を併せて募集数は98人となります。

ただ、既設保育所の募集数自体は昨年よりやや減少している箇所が目に付きます。
募集数が今後変化する可能性はありますが、途中退所者が例年より少なく見積もられているのかもしれません。

申込数については、1歳児の増加が顕著です。
昨年より38人増えて195人となりました。
昨年度の0歳児入所倍率が1.35倍と高く、その影響が今年の1歳児に現れたのでしょう。
1歳児入所倍率は2.14倍と高くなっています。

H26一斉募集では募集数95人のところに128人が申し込みました。
年度後半産まれでの入所希望者も同数いたと仮定すると、申込希望者は256人いたと推定されます。
この内、256人-95人=161人がH27の1歳児入所へ申し込んだのではないでしょうか。

1歳児以外の入所倍率は昨年よりやや落ち着いています。
0歳児・2歳児は入所倍率が著しく下がっています。
ただ、入所しやすくなったのは新設保育所による影響であり、既設保育所の入所倍率は依然として極めて高いです。

また、中央区は原則として0-2歳児の保育を行う乳児保育所が多いのも一つの特徴です。
待機児童問題は0-2歳児が深刻であり、この年齢層の保育施設の充実を狙った物でしょう。
一方、申込状況を見る限り、保護者のマインドは0-5歳児の保育を行う保育所に集中しています。
これにより、こうした保育所の入所倍率が著しく高い状態となっています。

【保育所別】
昨年と同じく、入所倍率が著しく保育所とさほど高くない保育所に二極化しています。

H27一斉入所で最も入所倍率が高かったのは、あゆみ保育園(本園)です。
募集数11人に対して第1希望申込数が58人に達し、入所倍率は5.27倍となりました。
昨年より募集数が4人減少したのに加え、0歳児・2-3歳児の申込数が大きく増加した為です。
大規模マンションの建築が盛んなエリアであり、ファミリー層の流入が相次いでいるからではないでしょうか。

次に高いのはゆめ中央保育園です。
申込数が中央区で100人を超えた唯一の保育所です。
同保育所には「極めて高い点数を有する申込者が多い」という特徴があります。
H26一斉入所で同保育所へ入所した児童の内、8人が211点以上の点数を有していました。
これは市内の保育所で最も多い人数です。
また201点-210点が13人、191-200点が12人となっていました。
新入所者平均点は204.29点となっており、市内で4番目に高い数字です。
今年の入所倍率も高く、0歳児で1.89倍、1歳児で7.33倍、2歳児以降は募集予定がありません。

同じく高いのは南大江保育所です。
昨年の3.04倍より更に上昇し、今年は3.67倍となりました。
同保育所の特徴は、0-2歳児の募集数が同一である点です。
0歳児募集数が多くて1-2歳児が少ない保育所が多い中、南大江保育所の様に募集数が一定だといずれの年齢からでも入所できる可能性が同様にあります。
とは言っても、いずれの年齢の入所倍率も高く、特に1歳児は5.00倍となっています。

入所倍率が昨年から急上昇したのが蓮美幼児学園もりのみやナーサリーです。
1.92倍から2.77倍となっています。
今年は0歳児の募集数も大きく増えましたが、0-1歳児の申込数が1.5倍も増加しています。

こうして見ると、各保育所とも1歳児申込数の増加が目立ちます。

一方、これ以外の保育所は入所倍率が1倍前後となっています。
第2希望以下で記載している人が多いと考えられるので、定員割れにはならないでしょう。
こうした保育所であっても、入所するには高い点数が必要になります。

H27/1に開所が予定されている御堂筋本町ちどり保育園の入所倍率は1.43倍となっています。
募集数が少ないので、恐らくは年度途中一斉募集を行った後の募集数を記載しているのでしょう。
開所予定が大幅に伸びてしまいましたが、1-2歳児を中心に多くの申込みがあります。

中央区で注意して頂きたいのは、この谷町四丁目周辺です。
先に挙げたゆめ中央保育園・南大江保育所は谷町四丁目からすぐの場所にあり、また蓮美幼児学園もりのみやナーサリーやあゆみ保育園(本園)も目と鼻の先にあります。
つまり、この地域は保育所需要に対して供給が全く足りていない地域です。
特に1歳児は酷く、この4保育所を合算した入所倍率は6倍を超えました。

この谷町四丁目に新設されるのが、ブライト保育園大阪谷町です。
1-2歳児の申込みが多くなっていますが、既設園ほどではありません。
設置されるビルを通りかかった所、保育所が設置されるフロアは銘板が外されており、そろそろ工事が始まりそうな印象を受けました。

【まとめ】
入所倍率が極めて高い保育所とそうでない保育所に二極化しています。
特にゆめ中央保育園・南大江保育所・蓮美幼児学園もりのみやナーサリー・あゆみ保育園(本園)の入所倍率は高く、「フルタイム共働きだから大丈夫」というわけにはいきません。
また、それ以外の保育所で入所に必要な基準点も相当高くなるでしょう。
気になる方は区役所等にご相談下さい(既にこうした自体を把握している様子です)。

【参考:H26一斉入所の分析記事】
【H26保育所一斉入所結果分析】(10)中央区
【H26保育所入所申込状況分析】(5)中央区

【次回の予定】
リクエストにお応えして淀川区を取り上げます。
宮原・三国地域の入所倍率の高さは予想していましたが、それ以外の地域の保育所も気になる数字となっています。