総選挙の投票日が迫ってきました。
今日も朝から選挙カーが走り回っています。
待機児童問題の解消を訴える候補者も少なくありません。

大阪ニュース
「待機児童解消を!」 各党、公約盛り込む
2014年12月12日

衆院選の子育て支援策では、ほとんどの党が保育所の空きを待つ待機児童の解消を公約に掲げている。大阪府内は全国的にも待機児童が多く、背景には共働き世帯の増加が指摘されている。中でも集中する大阪市では、保育所の新設に努めて受け入れ枠を拡大。だが保育ニーズはますます高まると予想され、府内の女性候補らは「待機児童解消を」と強く訴えている。
保育園児の受け皿づくりが急務の課題=11日午後、大阪市内の認可保育所

ある女性候補は、4歳の長女を保育所に預けて街頭演説に汗を流す。地方議員の夫も12月定例会で忙しく、思うように子どもを見る時間が取れない。保育士や母親の集まりに顔を出し、認可保育所の定員の拡大策を説明。有権者の手応えをつかんでいるという。

また別の女性候補も街頭で待機児童の解消に触れながら、女性の働きやすい環境整備のきっかけにと女性国会議員増加を訴えている。

■深刻な低年齢児

府子育て支援課によると、府内の認可保育所は1286カ所あり、定員は4月時点で14万2234人。利用児童数は弾力的な受け入れ措置の観点から14万7656人に上り、待機児童は全国で4番目に多い1124人となっている。

特に深刻な大阪市では224人を数え、このうち9割が「低年齢児」と呼ばれる0~2歳の子どもたちだ。市保育環境整備担当の東田幸浩課長は「3~5歳は幼稚園を含めて受け皿が多いのに対し、低年齢児を受け入れる施設は需要に対して足りていないのが現状」と理由を説明する。

市は対策として、0~2歳児を対象にした小規模保育施設38カ所の新設を進めている。また民間保育所を新たに17カ所整備するなど合わせて約2300人分の入所枠の確保に取り組む。

市は18年度までに待機児童ゼロを目指しているが、女性の社会進出が進めば共働き世帯がさらに増え、保育ニーズが一層高まるとみている。

■難しい第一希望

保育現場では実際に定員を大幅に超える申し込みが殺到している。「すでに枠をオーバーする申し込みが寄せられています」。大阪市内の認可保育所の園長は、数字が書かれた手元のメモを見てつぶやく。同所は0~5歳児約80人を受け入れており、来年4月の入園希望者は各年齢の定員を大きく上回っている。

母親たちは自宅や職場に近い保育所を探すが、第1希望がかなわないケースも少なくない。「できれば全員受け入れたいけど、定員が決まっているので仕方がない」。園長は残念そうに話していた。

http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/141212/20141212026.html

低年齢児の待機児童問題は深刻です。
大阪市内の認可保育所への平成27年4月入所申込状況は下記の通りとなっています。

年齢申込数募集数推定保留数倍率
0歳児311733632460.93
1歳児5258334919091.57
2歳児255717188391.49
3歳児191815094091.27
4歳児61399100.62
5歳児15484300.18
合計136171177334031.16

【H27保育所一斉入所申込分析】(18)大阪市各区毎の募集数・応募数の変更状況より作成

入所申込を行ったにも関わらず、少なく見積もっても約3,400人の児童が認可保育所へ入所出来ない計算となっています。
また、申込数が多い地域と少ない地域の差が激しく、実際に入所できない児童は更に増える見込みです。

記事には0-2歳児の待機児童問題が深刻とされていますが、4月入所時において最も深刻なのは1歳児、次に2歳児・3歳児となっています。
何故かというと、原則として0歳児入所は生後6ヶ月以降とされており、年度後半に産まれた(もしくはこれから産まれる)0歳児は4月一斉入所申込ができない為です。
その為、0歳児の待機児童は5月以降に徐々に増えていき、年度末頃にピークを迎える形となります。

こうした0-2歳児の保育を行う施設として新たに設けられたのは、記事にある「小規模保育施設」です。
まだ知名度が低く、入所しても3歳児以降は新たな場所を探さなければならずない為か、保護者の間では認可保育所へのニーズが強い様子です。
小規模保育施設や保育ママの新設を図っても、認可保育所へ申込みが殺到する構図は前年と変わりありません。
西区・中央区・天王寺区といった子育て世帯の転入が相次いでいる地域では、申込倍率が3倍を超す保育所も珍しくありません。

待機児童の解消を図るには、認可保育所等の更なる増設が必要不可欠でしょう。
また、何らかの理由で待機児童の解消を図るのが著しく困難であれば、該当地域と現状をアナウンスして子育て世帯の流入を抑制する必要があるのかもしれません。

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