平成28年度保育所等一斉入所申込状況分析、第17回もリクエストにお応えして生野区を取り上げます。

※10月28日に発表された数字に基づています。

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昨年と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

3歳児を除く全年齢で入所倍率1倍未満

生野区は保育所等へ入所しやすい区です。0歳児入所倍率は市内平均をやや下回る程度ですが、他区では入所困難な1-2歳児であっても1倍を下回っています。1倍を唯一上回っているのは3歳児です(1.05倍)。

急速な少子化が原因かと思ったのですが、実は違っていました。大阪市人口統計によると、平成15年3月末時点で生野区には4430人の0-4歳児が住んでいました。一方、平成27年3月末では4174人に留まっています。12年間で1割弱の減少に留まっています。恐らく原因は、それ以前に急速な少子化が進みきってしまった為ではないでしょうか。

生野区小・中学校教育環境再編方針(現状と課題)にこの様な記述があります。

近年、区内小・中学校の児童生徒数の減少は著しく、平成25年度の児童生徒数は、昭和50年度の3割程度の水準しかなく、一部では新入学児童数が20人にも満たない小学校も見受けられます

小学校が過剰であるのと同時に、募集数に第1希望申込数が大きく満たない保育所も散見されます。その中で、多くの第1希望を集めている保育所はどこでしょうか。

東生野保育所・小路保育所は倍率2倍前後

生野区で入所倍率が2倍を超えるのは1カ所、東生野保育所です。特に1歳児・3歳児の入所倍率が高くなっています。また、同保育所の東南にある小路保育所も2倍近い水準です。

内環状線の東側にも保育所があります。しかし東大阪市との市境が入り組んでおり、登園可能な範囲に住んでいる大阪市の就学前児童数は限られているでしょう。また、設置されているのは乳児保育所や認定こども園であす。0-5歳の児童を一貫して保育して欲しいという保護者のニーズとはミスマッチが起きているのではないでしょうか。

その為、東生野保育所・小路保育所には両駅の周囲に広がる住宅地に住んでいる児童から、多くの申込が集まっているのでしょう。

入所に必要点数は全般的に低め

申込数が多くてやや入所しにくいと感じるのは、わかば保育園・わかば第2保育園・聖浄保育園・大阪聖和保育園・東桃谷幼児の園・南生野いちょう保育園(南生野保育所が民営化)・日の出学園保育所・認定こども園 勝山愛和第三幼稚園です。ただ、何れの保育所も入所するのに必要な点数は決して高くありません。殆どの保育所・年齢ではフルタイム共働きに準ずる点数があれば入所できるでしょう。

中間発表等を見ていて気になった事があります。生野敬愛保育所の欄が見つかりませんでした。募集中止等に関する記述は全く見つかりません。

H27一斉入所で入所するのが最も困難だったのは、大阪環状線に近い認定こども園 勝山愛和幼稚園でした。募集人数・年齢が限られています。保育所へ入所するのが極めて困難である天王寺区からの申込が多かったのが原因ではないでしょうか。

反対にやや入所しやすい保育所が集まっているのは今里筋沿いです。駅から離れて交通の便が決して良くないのに加え、近い地域に多くの保育所が集まっています。子供が多かった時代の名残でしょうか。昭和20-40年代に設立された保育所が多く、園舎が老朽化している施設も少なくないでしょう。今後、休止・廃止が進められる可能性があるでしょう。

次回の予定

次回は西区に並んで入所困難な天王寺区、その後は住之江区・東淀川区・東住吉区・港区を予定しています。何とか12月4日の申込変更期限までに掲載したいと考えています。

「○○区の状況を早く知りたい」「○○保育所について突っ込んで分析して欲しい」等と言ったご要望がありましたら、コメント欄もしくはお問い合わせからお伝え下さい。