平成28年度保育所等一斉入所申込状況分析、第21回は住之江区を取り上げます。

※10月28日に発表された数字に基づきます。

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昨年と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

1-2歳児入所倍率が大きく低下

住之江区での申込数は昨年を44人上回る637人となりました。0歳児(+28人)、1歳児(+23人)で大きく伸びる一方、2歳児(-36人)が大きく減少しています。昨年の1歳児申込数が例年より減っており、1年後の2歳児申込数にも影響しているのでしょう。

募集数は昨年を106人も上回る618人となりました。際だって増加したのは1歳児(+50人)です。既設保育所や創設間もない認定こども園を中心に募集数が増えています。待機児童問題が深刻な1歳児募集数が増えるのは、子育て世帯には心強いでしょう。

こうした動きにより、今年は特に1-2歳児の入所倍率が大きく低下しました。1歳児は0.26倍低下して1.21倍に、2歳児は0.46倍低下して1.10倍になりました。未だ全ての入所希望者が入所できる状況ではありませんが、入所できない児童は激減する見通しです。

ポートタウン地域の第1希望は分散

住之江区は大きく2つの地域に分けられます。ポートタウンと住吉区に隣接した東部地域です。

待機児童問題が深刻なのがポートタウン地域でした。島外との行き来が限られる事から島内の限られた保育所から選択せざるを得ず、入所を希望する児童に対して十分な定員がありませんでした。その為、島内の保育所へ入所できない場合、島外の保育所へ登園するのは極めて困難でした。

しかし、状況は年々変化しています。認定こども園が増え、小規模保育施設「ほわいと保育園南港北」も新たに設立されました。入所を希望する児童に見合う保育所等の定員が準備される様になりました。

ポートタウン地域で第1希望が集中していたのは、コスモスクエア駅前にある「こすも保育園」でした。住之江区全体を通して入所倍率が突出して高く、入所に必要な点数も市内有数の高さでした。今年は入所倍率が1.18倍へと激減しました。0-2歳児の第1希望が激減したのが主な原因です。余りに高い入所倍率が避けられたのでしょう。

代わりに中ふ頭駅前のポートタウン保育園、ポートタウン西駅前のすみのえひよこ保育園を第1希望とする児童が増加しています。第1希望が分散した傾向が感じられます。中には港区内の保育所を検討された家庭もあるでしょう。

東部地域は変動が激しい

住之江区内で入所倍率が唯一2倍を超えたのは、北加賀屋駅前にあるどろんこ保育園です。西成区にも近く、市内中心部への通勤もしやすい場所にあります。今年は0-2歳児の第1希望申込者が急増しています。一昨年の水準に戻りました。

同駅を挟んで南側にある、愛和保育園や北加賀屋保育所も多くの第1希望を集めています。両保育所とも1-2歳児の入所倍率が高く、入所するにはフルタイムに準ずる点数が必要でしょう。

一方、第1希望が大きく減少したのは御崎保育所です。昨年の入所倍率が2倍を超え、今年は敬遠されたのでしょう。同じ地域にある保育所も第1希望がやや減少しています。区役所横に設立された認定こども園みさきこども園を第1希望とする児童が少なくないのが主な原因でしょう。

入所倍率が大きく下がったのは粉浜学園です。全年齢の募集定員を大きく増加したのが原因です。第1希望申込数そのものは昨年より11人増加しています。特に1歳児の申込数が4倍増と目を引きます。

東部地域全体を通して言えるのは「入所倍率と比較して入所に必要な点数は高くない」という点です。市内中心部への通勤に時間が掛かる為か、フルタイム共働きの世帯は市内中心部より少ないと感じられます。その為、市内中心部と入所倍率が同程度であっても、やや低い点数で入所できていると推測されます。

参考(昨年の記事)

【H27保育所一斉入所結果分析】(7)住之江区
【H27保育所一斉入所申込分析】(4)住之江区

次回の予定

次回は港区・東成区を予定しています。

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