1月14日に大阪市会本会議一般質問が行われました。

大内市議(維新)からの質問に対し、大阪市の吉村市長は「医療費無償化は平成29年11月から拡充したい」「幼稚園・保育所等へ通う5歳児の幼稚園教育費に相当する部分を今年4月から無償化したい」と答弁しました。

また、答弁の内容から、教育費無償化に関する具体的な内容を推測してみました。

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(1/21追記)
概ね推測した通りの内容で検討が進められています。
【大阪市政】5歳児教育費無償化は所得制限を設けない方針
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(1/22追記)
更に具体的な内容が明らかになりました。
【教育無償化】5歳児保育所保育料は現行の半分弱を想定&手段に疑問
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【基本理念】

高齢者世代を物心支える現役世代・子供が元気で無ければ大阪を豊かにする事は出来ない
次代の大阪を担う子供達の教育環境の整備、保護者が子育てしやすい環境を整備する事が重要

親の経済格差が子供の教育格差に繋がってはならない
基本理念として「子供の教育・医療無償都市大阪」を目指すべき将来像としたい
財政負担・優先順位・国の動向も踏まえ、実現できるように進めたい

【スケジュール】

まずは医療費無償化を目指したい
現在の15歳までから18歳までの拡充に取り組みたい
平成28年度以降にシステム改修、平成29年11月の拡充実施に向けて取り組みたい

幼児期は重要な時期
全ての子供達が経済状況に関わらず質の高い幼児教育を受けられるべき

本年4月より幼稚園・保育所等へ通う5歳児を対象に、教育費の無償化を検討したい
保育料無償化では無く、一貫して教育費の無償化と言ってきた
幼児期の教育をしっかりしたい
子供の教育を重視する社会が大阪に必要

具体的な制度設計としては、幼稚園の教育費に相当する部分を幼稚園・保育所共に無償化する方向で検討している。
予算市会で詳細を議論して頂きたい。

【子供の貧困問題】

子供の貧困問題は深刻
家庭の経済力によって子供の選択肢・将来の可能性が狭められてはならない
頑張る子供を徹底的に応援していきたい
複数の局ではなく、本部を立ち上げて市全体として進めていきたい
まずは子供の生活実態・健康・学習状況を調査したい

https://www.youtube.com/watch?v=KqBEgDce02c

子育て世帯の家計負担に直結するのが、5歳児の教育費無償化です。12月の市会での施政方針演説から突っ込んだ、具体的な内容が明らかになりました。

現在検討されている案は「幼稚園・保育所等へ通っている5歳児の幼稚園の教育費に相当する部分」が無償化対象とされています。具体的にはどういった内容となるのでしょうか。推測してみます。

幼稚園の教育費に相当する部分とは

調べた範囲では、幼稚園教育費は明確に定義されていませんでした。少なくとも幼稚園へ毎月納入している保育料は教育費相当部分と言えるでしょう。

一方、保育所での保育料は全ては対象とならなさそうです。市長の答弁から推測すると、保育所保育料は教育部分と保育部分に分けられ、無償対象となるのは教育部分だけとなるのでは無いでしょうか。

それ以外に家庭で負担している部分は対象とはならなさそうです。具体的には主食費・保護者会費・給食費・用具費・諸費等です。施設によって異なる金額が定められており、一律無償とするのは困難でしょう。

市立幼稚園・新制度へ移行した私立幼稚園・こども園は?

無償となるのは毎月の保育料だけとなりそうです。それ以外の従前通りの負担となるのではないでしょうか。

新制度へ移行していない私立幼稚園は?

よりハッキリしないのは新制度へ移行していない私立幼稚園です。移行した園と異なり保育料は所得に応じず定額とされており、私立幼稚園就園奨励費・幼児教育費補助が所得に応じて補助されています。

新制度へ移行していない幼稚園を無償化対象から外すとは考えにくいです。であれば、何らかの形で補助を増額する事により、5歳児教育費の無償化を実現するのではないでしょうか。

保育所等は?

保育所等の保育料が全て無償とはならない見通しです。原案では無償となるのは保育料における教育部分のみとされ、保育に関する部分は従前のままとなりそうです。

難しいのは教育部分と保育部分の分け方です。単純に半分ずつとするのか、何らかの基準によって分割するかは不明です。後者の場合であれば、たとえば市立幼稚園等の利用者負担額を幼稚園教育費と見なし、これを保育所保育料から控除するという考えがあるでしょう。

なお、延長保育料・主食費等は、これまで通りに各家庭で負担する事になりそうです。

認可外保育施設等は?

無償化対象として触れられていません。来年度以降も変わらないのではないでしょうか。

詳細は2月市会で明らかに

具体的な案は2月市会へ提出され、議論される見通しです。昨年の2月市会でも幼稚園・保育所保育料に関して議論が繰り返され、原案が大幅に変更されて可決されました。今回の無償化案も原案通りにすんなりと可決されるとは考えにくいです。