保育料の算定ミスが相次いでいます。今度は大阪市生野区において生じました。多子軽減情報を誤って入力したのが原因です。

生野区保健福祉課における保育所等の利用者負担額(保育料)の決定にかかる不適切事務について

 生野区役所保健福祉課における保育所等にかかる利用者負担額(以下、「保育料」とする。)決定事務の際に多子軽減区分情報を誤って登録したことから、平成27年度分の保育料を過大に請求するとともに、児童手当から特別徴収していたことが判明しました。

1 概要と事実経過

  生野区役所保健福祉課において、平成28年度保育料を決定するにあたり、保育所等入所希望者の平成28年度の多子軽減区分情報を入力すべきところ、A氏分 について誤って平成27年度の多子軽減区分情報を入力して大阪市総合福祉システム(以下、「システム」とする。)に登録しておりました。

このため、平成27年度分の保育料が発生しないにもかからず平成27年4月から平成28年3月までの12か月間分の保育料を誤って請求するとともに、平成28年度分の保育料を誤って算定・決定しました。

当該事案については、平成28年5月上旬にA氏からご連絡をいただき判明したため、お詫び申し上げるとともに、平成27年4月から平成27年8月まで及び 平成28年4月から平成28年8月までの多子軽減区分情報を修正入力しましたが、平成27年9月から平成28年3月までの多子軽減区分情報の修正を失念し ておりました。

(以下省略)

http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/ikuno/0000363466.html

多子軽減情報がクセモノ?

昨年、大阪市では少なくとも約500件の保育料算定ミスが生じていました。その大半は「多子軽減」に伴うものでした。

・【ニュース】140人以上の保育料・多子軽減を考慮せずに過徴収 大阪市中央区
・【ニュース・続報】143人の保育料を多子・一人親減免を考慮せずに過徴収 大阪市中央区
・【ニュース】大阪市の保育所等保育料で新たに496件の計算ミスが判明!

2年連続で同じ様なミスが繰り返されています。尋常ではありません。

生野区からの報道発表には「多子軽減区分情報を入力すべきところ・・・・」という記載がありました。システムが世帯構成等を基にして自動的に多子軽減措置を適用させているのではなく、各職員が世帯状況届出書等から手動で入力しているのかもしれません。

多子軽減が適否を人間が判断するのは必ずしも容易ではありません。一方、システムに児童判定させる場合、当該児童のきょうだいの登園先等を登録する必要が生じます。児童に直接関係ない情報を登録すべきか判断が難しそうです。

今年も各区役所で同様の計算ミスが大量に発覚する可能性が高いでしょう。生野区の一件は氷山の一角です。

今年は更にミスが生じやすい要素が加わっています。年収360万円以下の世帯では多子軽減に係る同時在園・年齢要件等が緩和され、しかも5歳児教育料無償化措置も適用されます。

保育所等に登園している家庭でも気をつける必要があります。計算ミスが明らかになったのは、当事者からの連絡があったからです。お手元に届いている保育料決定通知書や毎月の引き落とし金額、おかしな数字になっていませんか?