大阪府内の保育所等利用待機児童数等の状況(平成28年4月1日現在)が公表されました。

平成28年4月1日現在の待機児童数は、前年同時期と比べ69人増加し、1,434人となりました。利用児童数と待機児童数の合計に占める待機児童数の割合(待機率)については、0.89パーセント(前年比0.01ポイント増)となっています。

施設・事業所数は1,691施設(同116施設増)、定員は164,461人(同10,169人増)、利用児童数は159,281人(同4,986人増)と増加しましたが、保育の受け皿拡大を上回る利用申込みがあり、待機児童数の増加につながりました。 【資料1参照】

府内43市町村における利用児童数及び待機児童数の前年比を見ると、利用児童数については増加が37、減少が6、待機児童数については増加が11、減少が13、同数が19となっています。また、待機児童が発生している市町村は22となっています。【資料2・3参照】

待機児童数の増加要因としては、(1)一部地域における人口流入(都市部におけるマンション建設等)や女性の就業の増加により利用申込みが大幅に増えたこと、(2)市町村において計画的に保育所等の整備を進めているものの、子ども・子育て支援新制度の実施による潜在的な保育ニーズが掘り起こされ、整備量を上回る利用申込みの増加があったこと が挙げられます。

http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=24930

上記リンク先尾ページに詳細な資料が掲載されています。繰り返し指摘している事柄ですが、待機児童数は実態を反映しています。実態を反映しているのは申込数と利用数の差、すなわち「入所保留数」です。

保育所等利用児童数・待機児童数等を基に、各自治体別の入所保留数を推計しました。

ただ、上記ページの「申込数」には下の学年から持ち上がっている児童を含んでいます。その為、入所保留率は実態より著しく低く算出される点にご留意下さい。

保留率ワーストは豊中市

岸和田市 池田市 吹田市 泉大津市 貝塚市 守口市 茨木市 八尾市 泉佐野市 富田林市 寝屋川市 河内長野市 松原市 大東市 和泉市 箕面市 柏原市 羽曳野市 門真市 摂津市 高石市 藤井寺市 泉南市 四條畷市 交野市 大阪狭山市 阪南市 島本町 豊能町 能勢町 忠岡町 熊取町 田尻町 岬町 太子町 河南町 千早赤阪村 小計(37市町村) 大阪市 堺市 高槻市 東大阪市 豊中市 枚方市

保留率ワーストは豊中市の11.30%でした。昨秋もワーストでした。6,956人が申し込んでいますが(持ち上がりを含む)、利用できているのは6170人、保留されている児童は786人に上っています。利用を希望している児童の内、10人に1人以上は利用できていません。

実はこの数字、昨年10月現在の数字と殆ど変わっていません。となると、今年の豊中市の保育所入所は本当に大変だったと思われます。「【ニュース】吹田・豊中で計2000人弱が保育園へ入れず」報道された後も、待機児童問題は全く解消されていないと推定されます。

交野市・吹田市は8%越え

保留率が8%を超えているのは交野市・吹田市です。吹田市は豊中市と同じく、大量の入所保留児童が発生した自治体です。府発表資料からもハッキリしています。

理由は定かではありませんが、交野市の保留数が跳ね上がっています。局所的に保育所が不足している地域があるのでしょうか。隣の四條畷市も7.77%と高い数値です。

5%を越えているのは、池田市・茨木市・箕面市・島本町・高槻市・四條畷市・岸和田市です。大半がいわゆる北摂地域にある自治体です。交通網が発達しており、共働きしやすい環境にあるのでしょう。

重要なのは「利用保留数」

発表されているのはあくまで「待機児童数」です。しかし、待機児童数0だからといって、すぐに保育所へ入れるわけではありません。

重要な数字は「利用保留数」です。お住まいの市役所等に「4月入所で申し込んだけど入れなかった、利用保留数を教えて欲しい」と訊けば、数字を教えてくれるでしょう。

待機児童数はあくまで目安に過ぎません。お気を付け下さい。