10/24追記:本日「VOICE」(MBS系)にて放送されます

保護者等が働きかけた結果、10月24日(月)の夕方18時15分からMBS系「VOICE」にて放送される事となりました。同ニュース内のコーナー「憤懣本舗」にて取り上げられるそうです。

更に追記:予定通りに放送されました。映像(ニュースのキャプチャ画像)を下記ページに掲載しました。

【映像追記】西船場の人気幼稚園が廃園に?戸惑う保護者・・・10/24夕方放送「VOICE」(MBS)

西船場小学校の児童数は10年で3倍増へ

以前に過密する堀江学区(大阪市西区)の教育・保育環境という記事を投稿し、堀江・西六学区における教育・保育・小学校の不足を指摘しました。タワーマンション等の建設により、人口が急増したのが主な理由です。

西区でこうした現象が生じているのは堀江・西六学区だけではありません。西区の北東部に位置する西船場学区もその一つです。

平成28年5月の大阪市会教育こども委員会にて、西区選出の永井啓介委員(自民)が取り上げています。なお、同委員は1月の同委員会で堀江・西六学区についても指摘しています。

同委員の質疑と区役所担当者の答弁から要旨を抜粋します。

○永井委員
西船場小学校も堀江小学校の場合と同様に児童数の増加が見込まれている。都心部にある関係上、周辺地域に学校用地に適する新たな広い用地も見当たらない。今後の児童の教育環境、とりわけ併設する幼稚園の今後のあり方等々、不安をお持ちの保護者や地域の方々の声をよく聞く。
児童数の推計など、西船場小学校の教育環境の課題状況について御説明をいただきたい。

○西区役所教育担当課長
平成23年5月では児童数286人・10学級だったが、平成28年5月には477人・14学級となった。平成33年度には推計児童数895人・28学級と、現在の2倍の学級数になると見込んでいる。
教室転用では対応し切れず、校舎の増築が必要となる。が、敷地が極めて狭隘であり、増築による教育環境の悪化を懸念している。

○永井委員
平成28年で477人、既に校舎増築に伴って狭小な校庭がより狭小になっている。平成33年度には推計で895人を見込んでいる。議員・関係各局の仕事は、子供たちの良好な教育環境を守り抜くことである。
西船場小学校も、堀江小学校と同様に新たな学校用地の確保が困難な状況である。校舎増築・校区調整などのさまざまな方策も検討した上で、最善の案となる取り組みを早急に進めていく必要がある。保護者や地域の方々の意見も十分に聞き、責任を持って丁寧に対応することを要望する。
5年間の間に、あの狭い面積に今の倍の校舎を最悪建築しなければならない。地域事情をしっかり考えていただき、検討を進めて欲しい。

西船場小学校は明治5年に創立された、大阪市内で最も古い小学校の一つです。平成24年に創立140周年を迎えました。

堀江小学校と同様、同小学校も児童数が急増しています。平成23年5月は286人あったところ、10年後の平成33年には3倍強の895人へ膨れあがる見込みです。凄まじい勢いです。

永井委員が指摘している通り、2年ほど前に新たに4階建ての校舎が増築されています。それでも全く足りません。これ以上の校舎を敷地内に増築するのは極めて困難でしょう。

市立西船場幼稚園の廃園計画が急浮上


有力な案として市役所・区役所内部で検討されているのは、「併設されている市立西船場幼稚園を平成30年度末で廃園(靫幼稚園へ統合)し、跡地に校舎を増築する」という方針です。

教育こども委員会で質疑があった直後から、毎月1回程度のペースで町内会等との説明会・話し合いが進んでいるそうです。話は未だ公になっておらず、新聞等でも報じられていません。

大阪市では市立幼稚園の廃園・民間移管を進めています。しかし、いずれの計画にも「西船場幼稚園の廃園」は掲載されていません。西船場小学校の増築の為に急浮上した話というのは否めないでしょう。

寝耳に水に驚いたのでしょう。保護者を中心として「西船場幼稚園を守る会」が結成されています。

H28.5月
大阪市より西船場小学校の児童数増加に伴い、教室確保のため、併設園である西船場幼稚園の廃園案が急浮上しました。
幼稚園の今の現状報告と
活動内容をこちらで発信していきます。

西船場幼稚園を守る会

守る会によると、廃園案は9月16日の本会議へ提出され、教育こども委員会の質疑・決議を経て、10月4日の本会議で決議される予定だそうです。10月から始まる来年度の幼稚園児募集までに大筋で決定したいのでしょう。

現在(情報提供を頂きました、ありがとうございます)及び26年5月1日の西船場幼稚園の定員・実員は下記の通りです。2年前より在籍園児数は増加しています。

年齢実員定員
H28.9H26.5
5歳児302535
4歳児272735
3歳児202020

5歳児・4歳児が定員を少し割っているのは、3歳児入園できなかった児童は私立幼稚園等へ通い、4歳児から入園する児童が少ないからでしょう。市立幼稚園はいずれも3歳児定員が少なく(もしくはない)、4-5歳児の充足率に大きな影響を及ぼしていると考えられます。

西区はただでさえ幼稚園・保育所が少ない地域です。仮に西船場幼稚園が廃園された場合、400メートルほど離れた市立靫幼稚園へ通う、もしくは遠く離れた私立幼稚園へバス登園するしかないでしょう。また、この地域にある保育所は不足しており、入所するにはフルタイム共働き以上の点数が必要です。

いずれの選択であっても西船場幼稚園より遠く、かつ入りにくくなってしまうでしょう。

小学校舎は足りない、しかし話が急すぎる

大阪市として小学校の教育環境を確保するのは重要な目標でしょう。幾つかの選択肢がある幼稚園とは異なり、地域の子どもに就学義務がある小学校は、自治体が責任をもって運営する責任があります。

児童数が急増している以上、西船場小学校の更なる増築は不可欠です。隣接する西船場幼稚園の敷地を利用するのは一定の合理性があるでしょう。

また、西船場小学校の南部には西船場公園があります。こちらを転活用する案も同時に検討されているそうです。公園用地の転用等には法律上の規制がありますが、クリアできない話ではありません。

計画通りに廃園されたとしても、既に在園している幼稚園児はこのまま卒園できる見通しです。市立靱幼稚園も近くにあり、問題なく登園できるでしょう。小学校の増築も急務です。

しかし、余りに話が急すぎるという印象を受けました。市政改革プランにも全く掲載されていません。2年近く掛かってしまう、校舎増築のスケジュールありきで物事が進んでいるのではないでしょうか。

仮に西船場幼稚園を廃園するのであれば、同地域に別の幼児教育施設は不可欠です。靱公園の一角に幼稚園や保育所を誘致する方法も考えられます。16面もあるテニスコートより、児童の為の教育・保育施設の方が重要です。

急増する人口に追いつかない教育・保育環境

こうした事態を招いてしまったのは、急増する人口に歯止めを掛けず、子どもの数に見合う教育・保育施設を計画的に整備してこなかった為です。計画性の無さが、唐突な幼稚園廃園計画という形で噴出しています。

同様の事態は他の市立幼稚園でも発生する可能性が強いです。小学校の児童数が急増している・敷地が足りない・市立幼稚園を併設している・幼稚園の充足率が決して高くない学区は要注意です。

この様に西区の教育・保育環境には大きな問題が生じています。同区(特に東部地域)へ転居をお考えの方は、学区の幼稚園・保育所・小学校・中学校等の環境をよく調べてから判断して下さい。

追記:9月下旬から保護者説明会等を実施、市会へは9/16に廃園条例案提出か

大阪市は西船場幼稚園を靫幼稚園へ機能移管(統合)し、西船場小学校を増築する改善策をまとめたそうです。これにつき、来週から順次説明会が行われるそうです。

また、大阪市会への9月16日提出予定案件に「大阪市立学校設置条例の一部を改正する条例案(議案第193号)」が含まれています。
内容は定かではありませんが、西船場幼稚園の廃止に関する条例案だと推測されます。

↑小学校に関する条例改正案だったので、取り消します。

物事のこうした進め方を見ていると、説明会とは決定した事項を一方的に伝える場であり、参加者が何ら意見を述べても無意味な集まりだと感じてしまいます。
もう少し保護者・入園を予定している児童の保護者等の意見を大切にして欲しい、と思います。