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【H28版】大阪市子育て支援施設マップ(非公式)より

H28保育所等一斉入所結果分析、地域編です。第21回は住吉区を取り上げます。なお、同区に関する過去の分析記事は、「検索:住吉区 分析」からご覧下さい。

分析精度の向上の為、今年から各保育所・年齢(0-2歳児)毎の「推定入所最低点」(以下「最低点」とします。)を掲載します。

保留数・率は劇的に低下

住吉区は市中心部から離れているにも関わらず、保育所等への入所が容易ではありませんでした。入所保留児童数も多く、まさに「隠れた入所困難区」でした。

主たる原因は「保育所等在籍率(=整備率)の低さ」でした。H27一斉入所における在籍率は31.0%でした。市内平均37.6%を大きく下回り、同じく入所困難区たる天王寺区・阿倍野区と同水準でした。保育所の少なさ・幼稚園の多さも両区と共通しています。

しかし、こうした状況はH28一斉入所で大きく改善されました。多くのこども園・地域型保育事業が設置され、0-2歳児の入所枠が大幅に増大しました。結果、利用保留数はH27の254人からH28は127人へと半減しました。保留率もほぼ市内平均まで低下しました。

とはいえ、H28一斉入所時における在籍率は32.4%に過ぎません(市内平均38.7%)。未就学児は年3%ずつ減少しています。

また、住吉区内には数多くの私立幼稚園があります。未就学児の減少を踏まえて少しずつ認定こども園へ移行し、保育も担う様になるのではないでしょうか。

御堂筋線・阪和線沿線がやや入りにくい傾向

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地域毎に見ていきます。住吉区の保育所等入所最低点にははっきりした傾向があります。御堂筋線・JR阪和線沿線の東部が高く、南海高野線・阪堺電車沿いが低くなっています。

御堂筋線やJR阪和線を利用すれば市内中心部への通勤は容易です。共働きもしやすいでしょう。一方、南海高野線や阪堺電車はなんば・天王寺までしか辿り着けません。共働きするには「通勤時間」がネックとなってしまうでしょう。

保育所空白地帯に要注意

御堂筋線・阪和線の周囲にある保育所等の多くは、1-2歳児入所最低点が200点、0歳児が180-190点となっています。フルタイム共働きであれば、いずれかの保育所等には概ね入所できる見通しです。

しかし、駅の近くであったり付近に他の保育所等がない場合、最低点がやや高くなる傾向があります。典型的なのがあびこひかり保育園です。JR阪和線の西側・我孫子町駅と長居駅の間には同保育園しかありません。

この地域に住んでいる方の多くは、同保育園を第1希望とするのではないでしょうか。結果、最低点は0歳児190点・1歳児201点と高くなっています。同保育園に入所できなかった場合、やや離れた長居保育園(乳児センターを含む)や遠里小野保育園が候補となってしまいます。

また、まんだい保育園も同様です。同保育園の西・北は遠くまで保育所がありません。結果、自然と同保育園が第1希望となる地域・家庭が多いのでしょう。阿倍野区側にも保育所がないので、同区からの希望者も少なく無さそうです。自転車を利用すれば、西田辺駅から通勤できるでしょう。

特に厳しいと感じたのは、御堂筋線・JR阪和線・府道42号線(住吉八尾線)に囲まれた地域です。両線が利用できる一方、地域内には北端に長居保育園があるのみです。同保育園の最低点は高く、特に1歳児は200-207点が必要だと推定されます。

結果、地域外にあるあびこひかり保育園・ひまわり乳児保育園・きりん保育園・苅田南保育所等へ登園している方も少なくないでしょう。同様に長居駅の西側も保育所空白地帯です。

西部はやや入りやすい、地域型保育事業も多い

一方、南海高野線や阪堺電車の沿線にある保育所等は、やや入りやすい傾向があります。鉄道網の関係から市中心部へ通勤するのに時間が掛かるので、児童の多くは市南部(住吉区内・遠くても天王寺・なんば)で働いているのではないでしょうか。

入所最低点は180点前後という保育所・年齢が多くを占めています。やや短い勤務時間でも入所できそうです。

また、この地域は地域型保育事業が多いのも特徴的です。個別に見ていくと、幼稚園の目の前に設置されている地域型保育事業が少なくありません。亀の子共同保育所は墨江幼稚園、KIDSROOMBaby-beeは清水幼稚園が当てはまります。

地域型保育事業が0-2歳児を担い、3-5歳児は幼稚園(預かり保育を含む)が担う形となっているのでしょう。

待機児童の多くを占めるのは0-2歳児です。地域型保育事業で0-2歳児の保育を行う場合、卒園後の保育の場が問題となります。この点、目の前に幼稚園があると一安心できます。

長時間保育等を必要とする児童とは合致しませんが、やや短い勤務時間で夕方には迎えに来れる家庭には適切な組み合わせかもしれません。兄姉が幼稚園・弟妹が地域型保育事業に通い、登降園が一度で済むのは魅力的です。

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次回以降は西成区(10/6予定)・東住吉区(特に阿倍野区との関係、10/8予定)・城東区(10/11予定)を掲載していく予定です。リクエスト等があればコメント・問い合わせからお寄せ下さい。

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なお、平成29年度保育所等一斉入所申込書は9月16日(金)から配布、申込受付は10月3日(月)~10月17日(月)までとなっています(詳細はこちら)。

平成29年4月からの入所を希望される方は、この期間内に確実に申込手続を終えて下さい。