平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析、第15回は住之江区を取り上げます。ここ数日の間に「住之江区の内容を掲載して欲しい」というメールを複数通頂きました。

なお、同区に関する過去の分析記事は「検索:住之江区 分析」から、その他の昨年の分析記事はH28申込分析H28結果分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。

※11月4日に発表された数字に基づきます・保育士優先利用数は申込者数に含んでいます

大阪市から発表された平成29年度保育施設利用申込状況に基づき、区別・年齢別・年度別の申込数・募集数一覧表を作成しました。
h29_moushikomi_bunseki_suminoe
昨年より入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ・0.1倍以上減少した区は水色・入所倍率が2倍を超えた箇所は赤・保育士優先枠が存在する申込欄は薄緑で表示しています。

1-2歳児で入所倍率上昇

住之江区の入所倍率はH28の1.03倍からやや上昇して1.17倍となりました。申込数は58人増えて695人に、募集数は26人減少して592人となった為です。H28よりやや入りにくくなるのではないでしょうか。

年齢別に見た場合、1-2歳児の入所倍率が急激に上昇しています。

1歳児は1.21倍から1.51倍になりました。申込数が37人増えて274人に、募集数が14人減少して182人となりました。90人以上の1歳児が入所できない見通しです。

また、2歳児は1.10倍から1.21倍になりました。募集数は微増でしたが、申込数が20人も増加しています。

やまと保育園が入所倍率2.2倍

住之江区は住吉区・西成区に隣接した地域(東部地域)とポートタウン(南港地域)に分けて考えられます。

東部地域で最も入所倍率が高かったのは、大和川沿いにあるやまと保育園の2.20倍でした。2倍を超えたのはH25一斉入所以来です。

0-3歳児で多くの第1希望が集まっています。特に1歳児は募集数11人に対して第1希望23人(内保育士1人)、2歳児は募集数2人に対して6人が第1希望としています。フルタイム共働きに相当する点数が必要となるのではないでしょうか。

同保育園の周囲にある第2住之江保育園・御崎保育所を第1希望としている児童は、昨年と同じないし増加しています。入所倍率が上昇したのは、やまと保育園の周辺における保育ニーズが高まったのが原因でしょう。

少し気になるのは3歳児です。第1希望7人に対して募集予定数がありません。同保育園の周囲に小規模保育はないので、大半が全く新規での入所希望だと考えられます。

大阪市全域で小規模保育が増加しており、3歳児からの保育所への新規入所は極めて難しくなっています。幼稚園+預かり保育というパターンが増加していくのではないでしょうか。同保育園の場合、近くにある大和幼稚園の預かり保育を利用するケースです。

東部地域は北加賀屋駅周辺で入所難

同区の東部地域では、基本的に北加賀屋駅周辺にある保育所が入所しにくく、離れるに従って徐々に入所しやすくなる傾向があります。今年も例外ではありません。

同駅の南西すぐにある愛和保育園は入所倍率が2.05倍でした。第1希望者が78人と極めて多いのが理由です。

特に厳しいのは1歳児です。募集数6人に対して何と37人(内、保育士1人)が第1希望としています。募集数が昨年より半減しており、実質入所倍率は7倍を超えています。何らかの加点がなければ入所は困難でしょう。

2歳児も容易ではありません。募集数6人に対して16人が第1希望としています。フルタイム共働きでも入所できない児童が続出するのではないでしょうか。

同保育園のすぐ南にある北加賀屋保育所も多くの第1希望を集めています。同保育所は入所倍率と比べて入所者の点数が高いのが特徴的です。

愛和保育園と同様、北加賀屋保育所も1歳児の入所が難しい状況です。募集数6人に対して14人(内、保育士1人)が第1希望としています。フルタイム共働きでも入所できるか分からないと推測されます。

また、0歳児は注意が必要です。募集数が3人と少ないため、きょうだいが在籍している児童で埋まってしまう可能性が考えられます。0歳児募集数が多い愛和保育園へ変更するのも一手段でしょう。

例年と少し傾向が異なるのはどろんこ保育園です。多くの0歳児が第1希望としている反面、1-2歳児の第1希望倍率は1倍を下回っています。1-2歳児の第1希望が愛和保育園へ移ったような印象を受けました。

ここから南下するに従って、徐々に入所しやすくなっていきます。特に住之江通・ニュートラム周辺は、他と比べて入所しやすい保育所が少なくありません。

北加賀屋駅周辺・やまと保育園での入所が難しいと感じた場合、こうした地域にある保育所を検討するのも一つの方法でしょう。平坦な地続きなので、登降園に大きな支障はありません。

南港地域はこすも保育園の第1希望が激減

大きな変化が生じたのは南港地域です。例年は多くの第1希望がコスモスクエア駅前にあるこすも保育園へ殺到していました。しかし、今年は入所倍率が0.75倍にまで落ち込みました。H27の4.29倍と比べると、約1/6という水準です。

大きな要員は0-1歳児の第1希望者の激減です。0歳児はH28の6人から1人へ、1歳児は6人から3人へと大幅に減少しました。

周囲にあるほわいと保育園南港北・ポートタウン保育園・すみのえひよこ保育園も第1希望者は、例年から大きな変化はありません。こすも保育園のみ急激に落ち込んでいます。何らかの理由で、同保育園を第1希望から避けられたのではないでしょうか。

「何らかの理由」は思い当たります。上に記したとおり、異常な高倍率が一つの理由でしょう。

特に1歳児は6倍以上の高倍率が継続しており、きょうだい加点等がなければ入所は困難な状況でした。その為、点数面から入所が望めない世帯が第1希望から外したのではないでしょうか。

隣接地域にあるほわいと保育園南港北(小規模保育)は、募集数2人に対して第1希望申込数が2人います。断言はできないものの、こすも保育園を避けた可能性が感じられます。

それ以外の南港地域にある保育所等は、いずれも入所倍率が上昇しています。すみのえひよこ保育園の0-1歳児はやや厳しい状況ですが、それ以外は短時間勤務に相当する点数であっても入所できる可能性が高いでしょう。

ただ、これらの保育所等では3歳児募集数が殆どありません。入所希望者の一定数は幼稚園に進学するのではないでしょうか。掛け持ちで入所を申し込んでいるケースもありそうです。

今後の予定&お願い

今後は此花区(特に高見・伝法東部・島屋)、住吉区、港区(特に波除地域)、城東区(中央区に近い地域)、旭区、東住吉区、西淀川区に関する内容を掲載する予定としています。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。多少のお時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。

ウェブサイト上にamazonリンク・サーチボックス等を掲載しています。ご家庭で使われる育児・生活用品・家電製品・消耗品等がありましたら、サイト上のamazonリンク等を経由して購入して頂ければ幸いです。