保育所への入所を希望する場合、未就学児の数に対して保育所定員が多い地区に居住するのが一つの手段です。
では、保育所への入所を希望する児童・世帯の割合は、区による違いはあるのでしょうか。

共働きが多そうな都心部は入所を希望する割合が高く、逆に郊外は低いというのが一つの推測です。
本当に正しいのか、公表されているデータを基に検証してみました。

1.各区毎の0歳児人口は年齢別推計人口から得た
2.上記人口は各年10月1日の数字なので、それぞれ半分の人口(各年4月1日~9月30日生)が一斉入所申込の要件を満たすとみなした
3.H26/4一斉入所を申し込んだ0歳児、及びH25/4一斉入所を申し込んだ0歳児を対象とする

(市全体の数字より高い割合の部分はオレンジ色としています)

H26一斉入所0歳児(H25/4-9生)H25一斉入所0歳児(H24/4-9生)H26-H25
人口申込数申込率人口申込数申込率伸び率
50014729.4%45811124.2%5.2%
都島46016636.1%44511726.3%9.8%
福島36711932.4%34110530.8%1.6%
此花3177624.0%3347021.0%3.0%
中央42312830.3%3558624.2%6.0%
西49713527.2%43413831.8%-4.6%
3078628.0%31610132.0%-3.9%
大正2104119.5%2365724.2%-4.6%
天王寺34711232.3%3368224.4%7.9%
浪速2477229.1%2605822.3%6.8%
西淀川40711327.8%44313229.8%-2.0%
淀川75920827.4%73218124.7%2.7%
東淀川75721328.1%78420926.7%1.5%
東成3097123.0%3448223.8%-0.9%
生野41613833.2%44611826.5%6.7%
3459327.0%3249930.6%-3.6%
城東69721931.4%73321829.7%1.7%
鶴見64616124.9%63315624.6%0.3%
阿倍野45714331.3%43011326.3%5.0%
住之江48914629.9%48114630.4%-0.5%
住吉64319630.5%61919431.3%-0.9%
東住吉49812525.1%47010823.0%2.1%
平野82422927.8%88319622.2%5.6%
西成2618432.2%2528433.3%-1.1%
市全体11183322128.8%11089296126.7%2.1%

上記の推測は「決して当たっているとは言えない」という結論となりました。

H26一斉入所で申込率が高いのは北・都島・福島・中央・天王寺・浪速・生野・城東・阿倍野・住之江・住吉・西成区です。
市中心部から郊外まで幅広い地域に広がっており、共通性は見つかりません。
特に保育所激戦区たる西区の申込率が平均を下回っているのは意外でした。

一方、H25一斉入所で申込率が高かったのは、福島・西・港・西淀川・旭・城東・住之江・住吉・西成区でした。
H26と大きく異なっており、共通しているのは福島・城東・住之江・住吉・西成区だけでした。

一方、伸び率という切り口で検証すると、面白い結果が浮かび上がってきます。
「H25の申込率が低い区は伸び率が高く、逆に高い区は伸び率が低く」なっています。
例外は大正・東淀川・東成・鶴見のみです。

残念ながら原因ははっきりしません。
区毎に申込率の傾向の違いが見受けられない事から、「保育所へ0歳児入所を申し込む児童・世帯の割合が低い区であれば、入所しやすい」とは言えないでしょう。

市全体の0歳児一斉入所申込率は2.1%も伸びており、来年(H27一斉入所)も同様に伸びると仮定すると30%を越えそうです。