痛ましい出来事です。再び認可外保育施設で児童が死亡しました。

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(12/10追記)
死因が判明しました。脳内出血です。頭蓋骨も折れていました。
【ニュース】乳児の死因は頭蓋骨骨折・脳内出血と判明 神奈川・平塚
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https://www.youtube.com/watch?v=3O4_v24ePLU

神奈川県平塚市宮の前の無認可保育所「ちびっこBOY」の職員から6日午前4時半ごろ、「子どもが息をしていない」と119番通報があった。生後4カ月の男児が病院に運ばれたが、その後、死亡が確認された。捜査関係者などへの取材でわかった。県警は事件と事故の両面で調べている。

捜査関係者などによると、男児は5日夜から預けられていた。目立った外傷はなかったが、県警は死因を詳しく調べている。保育所は、JR平塚駅近くの雑居ビル内にあり、複数の部屋がある。男児は部屋の一つで寝ていたとみられる。県は7日、緊急の立ち入り調査をし、当時は職員が1人だったことを確認した。

県などによると、施設は1998年に開業。届け出ている受け入れ人数は20人で、24時間対応で一時保育をしている。ホームページによると、保育対象は生後3カ月からという。

http://www.asahi.com/articles/ASHD85V5ZHD8ULOB013.html

児童が死亡したのは無認可保育所「ちびっこBOY」です。平塚市宮の前5-2にあります。

ウェブサイトは手早く非公開に、但しキャッシュあり

ウェブサイトは既に非公開(403)とされています。グーグルキャッシュが残っているので、そこから園の様子を知る事が出来ます。

toppage
トップページです。24時間対応を謳っています。男の子のシャツに記されているアルファベットは、代表者のイニシャルと一致しています。

shisetsu
アクセスマップです。

staff
スタッフ紹介です。通報したのは男性職員だそうです。

price
料金表です。乳児の週6日の夜間預かりが46,000円とは破格だと感じます。

engaiyo
保育方針です。下部に「会社案内」が紹介されています。

行政から何度も改善項目を指摘されていた

ちびっこBOYは何度も行政から指摘を受けていました。子育て支援情報サービスかながわに詳細が記されています。

年月日     2014年03月07日     指摘事項の有無     あり
指摘事項の内容     1-②:〔前回から改善されていない〕
乳幼児の在籍時間帯に保育従事者が1人勤務の時間帯がある。
1-③ア:
月極契約乳幼児数に対する保育従事者数について、有資格者の数が保育従事者の必要数の3分の1以上いない。
3-③:
30人以上の施設につき、具体的計画(消防計画)を作成、届出をしていない。
3-④:
30人以上の施設につき、防火管理者の選任、届出をしていない。
6-⑦:〔前回から改善されていない〕
献立表が作成されていない。
7-④:〔前回から改善されていない〕
1年に2回の健康診断が全く実施されていない。(おおむね6月毎に実施)
7-⑥:〔前回から改善されていない〕
職員の健康診断を採用時及び1年に1回実施していない。
7-⑦:〔前回から改善されていない〕
調理(調乳)に携わる職員の、検便が全く実施されていない。
8-②:〔前回から改善されていない〕
サービス内容について利用者に書面により交付されていない。
8-③:
サ―ビスを利用するための契約の内容及びその履行に関する事項について、適切に説明が行われていない。
9-②:〔前回から改善されていない〕
労働基準法等の他法令に基づき、各事業場ごとに備え付けが義務付けられている帳簿等の整備状況が不十分である。
・労働者名簿(労働基準法第107条)
・賃金台帳(労働基準法第108条)
・雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類(労働基準法第109条)

特に引っかかるのは「保育従事者が1人勤務の時間帯がある」「有資格者の不足」という点です。園児が死亡する様な重大な事故・事件が発生した認可外保育施設の多くに共通する点です。特に1人勤務については前回指摘から改善されておらず、今回の死亡事故も1人勤務の時間帯に発生していました。

運営会社の本業は「走る広告宣伝カー」

ちびっこBOYを運営しているのは有限会社アクティブガイドプランニングです。会社概要に記載されているとおり、「宣伝カー事業」を主な事業としています。
carsign
街中でよく見かける、大きな看板を背負ったトラックです。商業登記でもこうした宣伝事業が上位に記されいます。本業は認可外保育施設では無く、宣伝事業だったと推測されます。

認可外保育施設で多発する事件・事故

事件か事故かは現時点では不明です。日経新聞(共同)によると、脳の損傷が疑われているそうです。

神奈川県平塚市の無認可保育所で、生後4カ月の男児が死亡していたことが9日、分かった。平塚署によると、司法解剖の結果、脳に損傷を負った疑いがあり、署が詳しい経緯を調べている。

同署によると、6日午前4時半ごろ、平塚市宮の前の無認可保育所「託児所 ちびっこBOY」の男性職員から「子どもが息をしていない」と119番があった。男児は病院に運ばれ、死亡が確認された。

神奈川県は7日、緊急の立ち入り調査をし、当時の職員は1人と確認。県の基準では複数の職員を配置しておかなければならず、改善を求めた。

保育所の所長を名乗る男性は9日、取材に「当時の様子を録画した映像があり、男児はうつぶせでもなく、職員が落下させたわけでもなく、死亡した原因は分からない」と話した。詳しい状況が判明するまで営業を停止するとしている。〔共同〕

この施設は行政から何度も改善項目を指摘されていました。また、預かり料金は相当安い水準だと感じます。更に人手が手薄となりがちな24時間保育です。これらは事故・事件が発生した認可外保育施設の多くに共通する項目です。「起こるべきして起きた事案」だと感じざるを得ません。

この様に認可外保育施設での24時間保育はハイリスクです。しかし、経済活動が24時間にわたって行われる現代では、必要不可欠な施設となっているでしょう。適切な保育を行っている事業者も多い中、何度もこうした事故・事件が発生しています。

行政はいつになったら本腰を入れて、不適切な保育を行う施設を指導するのでしょうか。社会的に弱い立場にある、深夜保育を利用する母親の足下を見ている様に感じてしまいます。