待機児童問題がホットな中、大阪市会(平成28年3月14日)でも保育士不足・地域型保育事業の連携施設・公立保育士の待遇等に関する質疑が行われました。

要旨は下記の通りです。
・フルタイム勤務を希望する保育所と、パートタイム勤務を希望する保育士のミスマッチ
・連携施設を確保している地域型保育事業は1/3
・大阪市立保育所で働く非正規保育士の待遇は、周辺他市より著しく低い

また、書き起こしの要旨は下記の通りです。

【のりきよ議員(公明)】
保育士保育所就職支援センターの実績は?

【大阪市担当者】
250名を基本としている
平成25年度は109名(半年)
平成26年度は281名
平成27年度は2月までで54人(昨年同時期は112人)

【のりきよ議員】
平成27年度登録者数5602人の内、就職したのは54人
就職実績が大幅に落ち込んでいるのはなぜか?

【大阪市担当者】
就職希望者と保育所の間でミスマッチが生じている
保育所は80%の割合でフルタイム勤務を希望しているが、求職者で希望しているのは26%
求職者は通勤に便利なエリアを希望している
責任の重さ・体力面・子育てとの両立に不安がある

【のりきよ議員】
他の自治体の支援センターは?

【大阪市担当者】
昨年末で大阪府14人・堺市2人・高槻市42人・神戸市25人

【のりきよ議員】
平成28年度予算案で就職準備金の貸付制度が計上されているが、これを選んだ理由は?

【大阪市担当者】
国は4つの事業を計上、補助率90%
資格取得を目指す学生への修学資金の貸し付け、無資格者の雇用に必要な費用の貸し付け、未就学児を持つ潜在保育士への保育料の貸し付け、潜在保育士への就職準備金の貸し付け

【のりきよ議員】
最大20万円、2年間勤務すれば返還免除
効果的な施策を打って欲しい

【のりきよ議員】
地域型保育事業における連携施設の確保について

【のりきよ議員】
連携施設の現状は?

【大阪市担当者】
市内の地域型保育事業所は102カ所、連携施設として3歳児の受け入れ先を確保しているのは35カ所

【のりきよ議員】
平成31年度末までの連携施設の確保義務がある、あと4年
本当に見つかるのか不安、どうして見つからないのか?

【大阪市担当者】
保育士不足により、民間保育所では3歳児受け入れ枠が確保できない
私立幼稚園は3歳児受け入れ枠に余裕があるが、夏休み等に預かり保育を実施するのが難しい
連携先に派遣する代替保育士が普段と異なる環境での保育を行うので、事故リスクが高くなる
運営法人の教育・保育に対する考え方の違いから、不安がある

【のりきよ議員】
平成31年度末の確保は難しい
効果的な施策の必要性は?

【大阪市担当者】
園庭開放・集団保育の機会・代替保育の実施・卒園後の優先入所枠の確保
代替保育士の雇用経費として、連携施設には年140万円を補助
市OBが巡回保育士として巡回しており、仲介役として期待したい

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以下、書き起こしではなく、記憶からの再現となります。

【寺戸議員(共産)】
大阪市立保育所で働く保育士の現状は?

【大阪市担当者】
市立保育所の民営化、財政事情等より、平成25年度から27年度まで正規保育士の採用を見送った。
市立保育所で働く保育士の内、4割が非正規
昨年度は38人、今年度は54人の保育士が不足している

【非正規保育士の待遇は】
最低賃金に準じたレベル
大阪市は時給900円
堺市・東大阪市・吹田市の待遇は時給1000円以上、大阪市より極めて良い